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Color our days

Color our days

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4

Sound:Four My precious, don't suffer anymore.

♥

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2023年05月29日

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大介

"俺は…"

俺、は、

………

大介

"俺は、亮平みたいに頭がいいわけじゃないし、"

大介

"涼太みたいに落ち着いてなにかを考えられるわけでもない"

涼太

"大介……"

大介

"バカだし、空気読めないし、落ち着きがないってよく言われるよ"

大介

"まだ小さい子供のとき、それでバカにされることもあったなぁ笑"

渡辺翔太

………!

大介

"俺、こんなんだから…今だって何が何だかわかってない"

大介

"わかるのは、まだ亮平を地上に連れてくのはこわい…ってことだけ"

涼太

……

大介

"子供のときから今まで、亮平が俺たちのさそいを断ったことなんてほとんどなかったのにさ"

大介

"はじめて地上に行こうってさそったとき、亮平はそれだけはだめって言った"

大介

"いつも俺たちのことをさいゆうせんにしてくれてる亮平が、自分のいけんをはっきり言ったのはそのときだけだった"

大介

"今日はぼうけんしに行こうって言っても、今日は魚たちと遊ぼうって言っても、"

大介

"必ず亮平は笑顔で「いいよ」って言ってくれたのに"

大介

"そのとき「地上だけはだめ」って言った亮平は、何だかおびえてるような顔をしてたんだよ"

大介

"きっと亮平は、地上に行くのがこわいんだ"

大介

"亮平も行きたがってるなら、もちろんさんせいだけどさ"

大介

"俺は、こわがってる亮平を無理やり地上に連れて行くのはいや"

亮平は今まで、俺達の為に色んな努力をしてくれた

友達の為に自分の意見を押し殺すとか、きっとそうそう出来ることじゃないと思う

亮平はきっと、沢山我慢してた

今まで、いっぱい俺達の我儘を聞いて

その上で、俺達の前ではいつも笑顔で居てくれたんだ

自分の気持ちを悟らせないようにだとか、

俺達に迷惑をかけないようにだとか考えて隠してるのは分かってる。

でも、全然隠しきれてない。バレバレだよ。

俺は、これ以上亮平に辛い思いをさせたくない

俺達と一緒に居ることで亮平が苦しくなっちゃうなんて、そんなの絶対に嫌。

それに、今まで俺達のことを考えて自分を曲げる亮平を、俺は沢山見てきたから。

だから俺は、亮平が嫌がるようなことはしたくないんだよ。

涼太

…………

渡辺翔太

涼太

"大介"

大介

"なに?"

涼太

"大介のきもち、よく分かったよ。おしえてくれてありがとう。"

大介

"うん。"

渡辺翔太

"で、どうすんの?涼太。"

涼太

"どうしようかな。"

涼太

………"もうすこしだけ、まってみる"

涼太

"亮平の気がかわるのを"

渡辺翔太

……"そっか。まあ、その辺は涼太に任せるよ"

涼太

"うん。翔太も、ありがとね。"

渡辺翔太

"ん"

渡辺翔太

……

渡辺翔太

"あ、そうだ"

大介

"どうしたの?"

渡辺翔太

"だいすけ、お前1回上に来いよ。"

大介

"上?"

渡辺翔太

"地上だよ、地上。"

涼太

"え?それってどういう"

渡辺翔太

"なんだよ。ゆくゆくはそのりょうへいを説得するんだろ?"

涼太

"まあ、出来れば"

渡辺翔太

"じゃあさ、とりあえず手始めに大介から連れてけばいいじゃん"

涼太

"手始めって…"

渡辺翔太

"いや表現法はどうだっていいだろ!"

大介

…………

地上、か。

……

大介

"ねぇ涼太、しょーた"

涼太

"なに?"

大介

"地上には、どんなものがあるの?"

渡辺翔太

"そりゃあ、夢と希望と…"

大介

"しんけんな話だよ。ぐたいてきに言って"

渡辺翔太

"はい"

涼太

"地上か。なんだろう、"

涼太

…………

涼太

"音、かな。"

大介

"音?なにそれ。なんて読むの?"

渡辺翔太

"「おと」だよ。"

渡辺翔太

"ほら、お前ら人魚はこうやって泡をあやつって話してるだろ?"

大介

"うん。"

渡辺翔太

"だけどな、地上に居る生物…特に人間は『声』っつーもんを使って会話すんだよ"

大介

"声…"

涼太

"声は、言葉は、まほうなんだよ"

涼太

"文字で会話するより、心があたたまる"

涼太

"なにげない会話でも、なんだかうれしくなる"

涼太

"それが声、そして音"

渡辺翔太

"春には鳥のさえずり、夏には虫の声、秋には秋風の音、冬には雪をふむ音。"

渡辺翔太

"地上は、1年中素敵な音でいっぱいだ"

大介

"鳥に、虫、落ち葉に雪?"

初めて見る言葉ばっかりだ…

涼太

"どう?大介。俺たちといっしょに、地上に…音の世界に行ってみない?"

大介

"音の世界"

大介

……!

大介

"俺、行ってみたい!"

𓂃 𓈒𓏸◌‬𓈒 𓂂𓏸to be continued𓂃◌𓈒𓐍‪ 𓈒𓏸‪‪𓂃

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