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結衣

気が付いたら私に繋がっていた糸は消えた

結衣

つまり運命の人が変わった証

結衣

てことはもう茜君と関わる理由はない…

結衣

関わる理由として糸が消えるまでの退屈しのぎだった

結衣

それが今消えた

結衣

もう、彼にお節介を焼くことはしなくてもいい

結衣

なのになんでだろう

結衣

この胸の痛みは……

結衣

今まで感じたことない痛み…

結衣

私は……

僕に繋がっていた赤い糸は消えた

代わりに別の赤い糸が繋がっている

前繋がっていたのは柴崎さんのだ

これで僕は彼女に迷惑をかけることはなくなった

彼女本人が話していた

僕たちの関係はあくまで退屈しのぎだと

この赤い糸が消えるまでの関係

だから何も惜しいことは無い

僕自身も特にそんなにダメージは負ってない

結局人は1人になるものだ

今までもこれからも僕は一定の距離を保って

一人で生きていく

これで僕と柴崎さんの関係は終わり

また平穏な日々が送れそうだ

結衣

結衣

この胸の痛みの正体はやっぱり…

結衣

あの期間で私は彼を……

結衣

けどもう私と彼を繋ぐ糸はない

結衣

運命の人とはなれない

結衣

初めて私と同じ力を持った人に会えた

結衣

勝手ながら私は親近感を覚えてた…

結衣

でももう……

結衣

その価値を共有することはない

結衣

だって私と彼を繋ぐ糸は消えたから…

結衣

それが運命を繋ぐ糸だけでなく私と彼を取り持つ友人としての糸もあったのに…

結衣

私は…私は………

糸が消えた日を境に、茜と結衣が交流する機会はなくなった

結衣は他の子と話す時はとても笑顔で楽しそうに話したりするけど

何となくその笑顔や笑い方からは悲しみが見え隠れしていた

対する茜は普段と変わらず自分の席で本を読んでいる

糸が消えたことはまるで気にしてないような素振りで彼は淡々と日々を過ごす

その姿を横目に結衣は心を痛める

紬希

紬希

なー茜ー?

ん?

紬希

途端にお前と結衣さん関わりなくなったよな?

まーそうだね

紬希

何かあったの?

別に?

そもそも僕はあんまり人と関わらないタイプだし

いつもあの人から声掛けてくるからさ

僕から声掛けたことなんて一度もないよ

紬希

ふーん

紬希

冷たいヤツだなぁ

んな事今に始まったわけじゃないでしょ?

紬希

まぁ、そりゃそうだ

紬希

お前さんが色んな人話してるとこ見たことないしな

あったとしても少ししたらみんな離れてるし

紬希

そりゃこんな寡黙なやつと話したがらないだろ

お前は別だけどね

紬希

だってお前口開けばめっちゃおもろいからな

それ多分お前のツボが浅いだけだよ

紬希

またまた〜

いや、割とガチで

結衣

女生徒

結衣ー?

結衣

女生徒

結衣ー?

結衣

えっ?

結衣

な、なにー?

女生徒

なーんか上の空って感じじゃない?

結衣

そ、そぉ?

女生徒

そーだねー

女生徒

なんかあれみたい

結衣

女生徒

恋に敗れた乙女って感じー?

結衣

そ、そうかな〜?

女生徒

私たちからはそう見えるね〜

結衣

気のせいでしょ

女生徒

いーや!

女生徒

恋に敗れた数が多い私はわかる!

結衣

それ誇るの違くない?

女生徒

ちなみに誰に恋して敗れたの?

結衣

だからそんなんじゃないって

女生徒

隠さなくてもいいじゃーん

女生徒

あっ!あれかな?

女生徒

皆が居るから話せないってタイプね?

結衣

違うって!

結衣

そんな私が恋に敗れた前提で話進める一回やめてよ

女生徒

じゃあ話変える!

女生徒

好きな人のタイプは?

結衣

ほとんど変わってないじゃん!

この何気ない日常の一コマ

しかしこの一コマが僅かにしかし大きく変わっていることに気付く者はいない

茜君は恋愛が分からない

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