陽菜
ねぇ陽菜乃お姉ちゃん
陽菜乃
どうしたの?
陽菜
本屋に行きたい!欲しいマンガがあるの!
陽菜乃
いいよ
陽菜乃
あっ茜!
茜
やっほー、陽菜乃!
陽菜乃
こんにちは、茜と同じクラスの陽菜乃です
寛子
こんにちは、茜の姉の寛子です
茜
陽菜乃も一緒におしゃべりしよ〜!
陽菜乃
えっいいの?
茜
もちろん!
陽菜乃
ねぇママ、茜達と少しおしゃべりしていってもいいかな?
ママ
分かったわ。遅くならないうちに帰ってくるのよ
陽菜乃
はーい
陽菜乃
寛子お姉さん!お姉さんって読者モデルなんですよね?
寛子
うん、そうだけど
陽菜乃
やっぱりモテモテなんですか?
陽菜乃
彼氏はいるんですか?
寛子
アイツがいるから私は恋ができない……
陽菜乃
えっ今なんて言ったんですか?
寛子
実はね……
寛子
二年前まで中学から付き合っていた彼氏がいたの……隣のクラスにいた彼に初めて告白されたとき彼をよく知らなかったから断ったの。
寛子
でも彼は何度も告白してきたわ。だからそんなに好きでいてくれるならとOKしたんだ……
寛子
彼はいつも「好きだよ」って言ってくれてすごく幸せだった。
寛子
でもねその彼、私が高一の夏に病気で亡くなっちゃった。それからずっと私は泣いてばかりいたけどもちろん彼のことなんて忘れたことなんてないよ。でも………私も勉強や読者モデルの仕事に打ちこんで何とか前むきになろうと頑張ったんだ。
寛子
そして今年に入ってからこれまでずっと相談相手になってくれたモデル仲間の剛君から告白されて付き合うことにしたの。私のことを一番に考えてくれるとても優しい人で彼といるとすごく楽しかった…
でも付き合って一か月で「別れてほしい」ってふられちゃったんだよね…
でも付き合って一か月で「別れてほしい」ってふられちゃったんだよね…
剛
寛子もう限界だ…
寛子
えっそれどういう意味?
剛
寛子と付き合い始めてから二人で会っているとき誰かの視線を感じるんだ…なんかどこかからじっとにらまれてるような…ふり返ってもそこには誰もいない。もちろん今だってずっとだよ…
寛子
(それは
私はその視線が誰のものなのかなんとなく分かっていた…
きっと友喜(ゆうき)だ…)
私はその視線が誰のものなのかなんとなく分かっていた…
きっと友喜(ゆうき)だ…)
寛子
(剛と付き合うようになってから時々亡くなった友喜の番号から電話がかかってきた。でも電話は必ず三コールで切れてしまう…)
寛子
(友喜が怒っているんだ…)
かけ直してもその番号には繋がらない…
かけ直してもその番号には繋がらない…
剛
寛子のことは大好きだけどもう別れたいんだ…
寛子
ごめんね。ずっと辛い思いをさせちゃったんだね
寛子
それから少したって二人の男の子から告白されたんだ
でも…
でも…
寛子
その男の子達は私に告白してすぐに家が火事になってしまったり、大ケガしたり…
これもきっと友喜のしわざなんだ。友喜は私をずっと見張っているんだと思う…だから…
アイツが…友喜がいるから私はもう恋はできない…んだ
これもきっと友喜のしわざなんだ。友喜は私をずっと見張っているんだと思う…だから…
アイツが…友喜がいるから私はもう恋はできない…んだ
寛子
そういうわけだから二人とも私のデート相手になってね!
寛子
どうしたの?
茜
ねぇお姉ちゃん、亡くなった彼氏はメガネをかけてる?
寛子
えっ
寛子
なんで?よく分かるね
前に写真見せたことあったっけ?
前に写真見せたことあったっけ?
茜
違う…そうじゃなくて
茜
お、お姉ちゃんの後ろ…
寛子
!?
友喜
ずっとずっと僕らは一緒だよ…