107号室
部屋に入った途端勢いよく扉が閉まり、鍵が閉められる
日向正宗
日向正宗
日向は上手くやれると何度も自分に言い聞かせ、相手が気づく間もなく刀を抜き、真正面から振りかざした
日向正宗
しかし、日向の予想と反して相手は即座に防御体勢になった
日向正宗
鳩
唇や頬は色を無くし、体は震えながらも頭を守るような体勢
思わず日向は振りかざした手を止め、そっと降ろす
鳩
ボロボロと涙が零れ落ちる
日向は酷く怯えている鳩を目にすると刀を鞘にしまい、今も尚流れている涙を手ぬぐいで優しく拭った
日向正宗
声をかけてみるも鳩の呼吸は相変わらず荒く、まだ生気を感じられない
日向正宗
日向正宗
日向正宗
隣に座り、背中を優しく叩いたりさすったりしていると、しばらくしてから鳩の顔から生気が感じられるようになった
涙もやがて止まり、呼吸も落ち着くようになった
鳩
鳩
日向正宗
こちらこそ、いきなり斬り掛かったりしてごめんね
懸命に寄り添う日向を見て鳩は顔を上げた
鳩
日向正宗
日向正宗
日向正宗
日向はそんな考え事をしていたが、鳩の暗く何かを必死に飲み込んでいるような声で現実に戻された
鳩
鳩
鳩がそう言うと、日向はすっくと立ち上がった
日向正宗
鳩
日向正宗
言われた通り後ろを振り向くと、そこには1枚の貼り紙があった
近づいて読んで見ると、「どちらかが戦闘不能状態になるまで出られない」と書かれていた
日向正宗
鳩
鳩
鳩
鳩も立ち上がり、貼り紙をめくった
日向正宗
鳩
日向正宗
鳩
貼り紙を1枚めくった先には別の貼り紙が貼られていた
そこには「人間の死亡の判断基準」と「人外の死亡の判断基準」が書かれていた
鳩
鳩
鳩
日向正宗
上を向いて監視カメラを探してみると、確かに扉の近くに設置されていた
小型で壁や扉と同じ、白色
レンズの黒がよく目立つ
しばらく見ていると鼻をすする音が後ろから聞こえ、日向は慌てて視線をそちら側へ向けた
日向正宗
そこには銃を自分の頭に突きつけたまま震える鳩の姿があった
鳩
鳩
鳩
震えたままの手で鳩は銃を差し出した
鳩
日向正宗
鳩
鳩
収まったはずの涙は再び溢れ出し、床へと零れ落ちる
まるで雨水を溜め込みすぎて決壊してしまったダムのように、涙は止まることを知らなかった
鳩
鳩
日向が躊躇いながらも銃を受け取ると、鳩は明るいような怯えているような表情になった
日向正宗
日向正宗
日向正宗
鳩は日向の目をしっかり見て頷いた
その直後、銃声が頭の中を満たした
日向正宗
鍵の開いた扉のドアノブに手をかけると、途端に喉元まで何かがこみ上げてきた
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