ちゅぱちゅぱ
紅紫
(シオンちゃんから、もらったアメ玉おいしい)
アメを舐めながらくつろいでいた
紅紫
(久しぶりの非番だし、たまにはいいよね)
紅紫
(あいつ、出張先でなにしてんだ?)
紅紫
──観光じゃないんだから
ぎゅっ
慎哉
…………
紅紫
……後ろから抱きつかないで
慎哉
減るものでもないし、べつにいいだろう
紅紫
(あれ以来、べったりしてくるようになったな)
小さくなったアメ玉を噛み砕く
紅紫
紅紫
もう一個舐めようっと
口の中にアメ玉を入れる
慎哉
…………
紅紫
──なに?
慎哉
俺もアメ玉舐めたい
紅紫
舐めればいいでしょ
アメ玉を手渡す
慎哉
……違う、そうじゃない
紅紫
…………?
慎哉は紅紫の顔を自分の方に向けさせた
慎哉
慎哉
あんたの口の中にあるアメ玉を──
慎哉
口移ししてくれないか?
紅紫
は?
紅紫
──口移しなんてするわけないでしょ
慎哉
なぜ?
紅紫
自分の胸に手を当てて、よーく考えてみろ
慎哉
……ダメなのか
悲しそうな顔につい絆されそうになるが…………
紅紫
(はっ! ダメだダメだ)
紅紫
(甘やかしたら確実に付け上がる……!)
紅紫
紅紫
そんな顔したって、ダメだからね!
慎哉
どうしても?
紅紫
どうしても
慎哉
──そうか
慎哉
なら仕方ない
ちゅっ
紅紫
…………!?
強引に唇を奪われる
紅紫
……ん……
慎哉
…………っ
何度も角度を変え、ついばむように口付けた
紅紫
…………ゃ……
慎哉
…………
舌を絡ませ、口の中のアメ玉を器用にかっさらい唇を離す
紅紫
〜〜〜〜!
ちゅぱちゅぱ
慎哉
──ちょうどいい甘さだな
ぱしーん
思いっきり引っ叩いた
その後、紅紫と慎哉の間でハデな喧嘩をしたとかしなかったとか──
咫穏
咫穏
ホント、やかましかったわ