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あの日以来、鳳来の奴らが関わってくるなんてことはなかった

こっちとしてはすごくありがたい

それでもやっぱり視界に入ると私のことを睨みつけたりはあるけど

でもそんなの綾香と一緒だからもう気にならなくなっていた

莉子

あーやーかー

綾香

なに?

莉子

今日倉庫いく?

綾香

うーん

綾香

どうしようかな

莉子

えええ!

莉子

行かないの?

綾香

…わかったわかった行くよ

莉子

やったぁ!

それに今日は翔も健さん達も少し遅れるってことで念願の女子トークが出来るの!

莉子

早く行こ!

綾香

はいはい

綾香

なんでそんなにテンション高いの?

莉子

そ、れ、はー

莉子

女子トークをするからである!

綾香

はぁ!?

綾香

しないよそんなの

莉子

ええー

莉子

やだやだやだ

綾香

駄々こねないの

綾香

ほら行くんでしょ

莉子

はぁーい

トコトコトコ

莉子

あ、なんかお菓子とか買っていく?

綾香

たしか無くなってたもんね

莉子

うん!

♪〜♪〜

店員

いらっしゃいませー

莉子

綾香何飲む?

綾香

私は…

……見張りが増えてる

今コンビニにいる半分が多分見張りね

見たことある人もいるし見たことない人もいる

まずいなぁ

綾香といるとこ見られたな。 てことは綾香のことを調べ尽くしているだろうし

紫蘭のこともばれたか…

時が来たら自分から決着をつけに行かなきゃ

綾香

莉子?どうかした?

莉子

ん?ううん!なんでもない

綾香

そう

綾香

私飲み物選んだからお菓子とアイス先選んでるね

莉子

うん

トコトコ

莉子

…そんなに警戒しなくてもばれちゃってんだから逃げないのに

……

一体なんのことですか?

莉子

なんでもないですよ

莉子

ご苦労様ですね?

綾香

りーこーまーだー?

莉子

はいはーい

莉子

いやー買いすぎちゃったねこりゃ

綾香

さすがにやばいかもねこれ

綾香

て、あれ?

莉子

ん?

綾香

お兄ちゃんだ

莉子

…あ、ほんとだ

倉庫前には丁度帰ってきた紫蘭のみんながいた

莉子

みんなー!

健さん

おおー

健さん

って何その袋…

風真

わぁおっきい

朝陽

重くないの?

綾香

重いに決まってるでしょ

朝陽

やーん、相変わらず綾香ちゃんが冷たーい

持ってあげるよ

莉子

わーい

莉子

ありがとう!

風真

じゃあ綾香ちゃんの持ってあげる

綾香

ありがとう

綾香

てか、お兄ちゃんまだ?

それが…

みんな今の一言で状況を察したみたいで顔が強ばる

鍵が空いていた……?

みんなでどこか行く時は必ず鍵をかけている

しっかりしてる健さんたちにかぎって元々開けっぱだったってことはありえない

だとしたら、開けられた?

…絶対そうだ

それにこの倉庫は新しくないしピッキングしようと思えばできるから

でもなんのために?

まさか、中に?

風真

はーい、綾香ちゃんは俺と一緒にこっちねー

綾香

え、ちょ

健さん

みんな行くぞ

莉子

うん

お願いしまってて… なんて虚しくカラカラとシャッターは空いて行った

シャッターがどんどん上がるにつれて私の心臓のリズムは不規則になる

シャッターが開き切って中にいる何人かの影が見えた

…あれ?

この人って

莉子

佐々木くん!?

佐々木くん

お邪魔してます

健さん

莉子ちゃん知り合い?

莉子

うん。佐々木くん

綾香

佐々木くんって確か鳳来じゃなかった?

そう。私達は敵同士なのに

それになんで?なんで誰かに言ってしまったの?

言ったよね?あのことはみんなには話しちゃダメだって

みんな私を見るなり苦しそうな表情をする

あぁ…やっぱり知ってしまったんだね

佐々木くん

莉子さん

莉子

佐々木くん…まさか

はっ… 私最低だ。佐々木くんが私との約束を破るわけないし

鳳来の下っ端

莉子さん!すみませんでした!!

莉子

え?

鳳来の下っ端

俺ら何も知らないで…

鳳来の下っ端

知ろうともせずに

鳳来の下っ端

莉子さんの過去は知らないけど、どんなりゆうでも仲間にしたのは俺らだったのに

鳳来の下っ端

沢山傷つけてすみませんでした!!!

すみませんとずっと言い続けているみんなの顔は見えないけど

この人達は真実を知ってしまったんだね

声が震えているくらい彼らも傷ついてしまった

だから…だから彼らには知らないで欲しかったの

ちがうか…いずれは来てしまうけど佐々木くんみたいにだんだんわかるのと、突然信じていたのが間違っていたなんて知らされるのは訳が違う

河村優月に傷られるのは私と鳳来の幹部だけでいい

いや、今となってはそうでもないか

どこかで間違ってるって気づいてるのに気付かないふりをして、間違った道を走り続ける鳳来の幹部も悪いんだ

本当に彼らもばか。 自分たちのせいで仲間が傷ついていってるのに

莉子

佐々木くん、なんでこの人達が真実を知ったのか教えてくれる?

佐々木くん

はい

佐々木くん

この前倉庫裏にいったら河村優月が誰かと電話していたんです

佐々木くん

その電話の内容が

佐々木くん

幹部のみんなが自分を信じて無実の莉子さんを追い出したのって高笑いしてて

やりかねない。 だってそれが彼女の本来の姿だから

莉子

なるほどね

莉子

それでみんな勘づいちゃったんだね

佐々木くんから他のみんなに目を動かすとまだ傷ついてるはずなのに、強がって平気そうな顔をしてる

鳳来の下っ端

そんなわけないって、最初は意味がわからなくて混乱してたんですけど

鳳来の下っ端

でもちょっとたったら全部わかったんです

鳳来の下っ端

何が嘘で何が本当なのか

鳳来の下っ端

そして俺らが何に踊らされていたのか

悔しそうに顔をしかめる

それまで黙っていた風真くんがここにきて口を開いた

風真

だとしても、なんで君たちはここまで来たの?

そう、それは私も思ってた

ただ謝るためだけにここに来るなんて効率が悪すぎる

それだったら学校でもできる

莉子

まだ何かあるんでしょ…?

そう言うと佐々木くんは少し怒りのこもった目で頷いた

佐々木くん

実はこいつら幹部の皆さんに言ったんですよ

佐々木くん

裏切り者は現姫だって

佐々木くん

何もかも詳しく説明したのにダメだった

寂しそうな彼ら。 幹部のみんなが変わってしまったってことに気づいたんだね

佐々木くん

全然信じてくれなくて仕舞いには俺らを疑いはじめた

佐々木くん

鳳来はいつ崩れてもおかしくありません。他のみんなもなんとなく勘づいできています

鳳来が…壊れる

それは

俺らに交戦を仕掛けて、潰して真実をなかったことにする…か

莉子

そういうことになるね

蓮くんの交戦って言葉で倉庫ないがピリッとする

今までとは比べ物にならない緊張感に覆われる

佐々木くん

俺らの行動が少なくとも交戦のきっかけになってしまったんです

佐々木くん

だから、俺は莉子さんの友達として伝えに来ただけなので

莉子

…うん

莉子

わかった。

私を見る目はまるで勝ってくれと言っているようで、それに答えるように私も頷く

佐々木くん

じゃあ俺たちはこれで

莉子

うん!ありがとう

彼らは倉庫の出口に向かって歩いて行った

……のに

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