先日、人生で初めての告白を受けた。
同性の友人から。
生憎僕は彼が好きなのか分から なかったものだから
彼への告白の返事は先送りに してしまった。
いや、多分
彼に恋愛感情を抱いたことは 何度もあった。
でも、同性で〝そういう関係〟 になると
生きづらいということを頭の何処かで 分かっていたから
無意識に自分の気持ちに気づかない 振りをしていた。
僕は彼に告白の返事をした。
彼と付き合ってから、初めてのデート をすることになった。
彼と街中を歩いていると
突然、街を行き交う人々の中から 一際大きな声が聞こえた。
声のした方を振り返ると、中学生 くらいの男女2人に
その同級生と思われる男子グループが 冷やかしを交え話しかけているのが 見えた。
男女2人は一生懸命に「友達だ」と言い張るが、同級生たちはにやにやしながら囃し立てるだけだった。
…もしかすると、自分たちも知り合いにばったり会うなんてことがあれば
彼と僕の関係性がバレてしまうかも しれない。
後ろから投げかけられた声に ぎょっとする。
声の主は、同じ高校の生徒だった。
俺たちの関係がバレてしまわないか…
そう焦ったのも束の間、それは杞憂に 終わった。
彼はそう自慢気に言って、立ち去っただけだった。
…そうか、付き合ったりするのは 男女が〝普通〟だから
男と女ってだけで勘違いされて
性別がおんなじだったら何も 疑われないのか。
それならデートしていて、何処かで 知り合いに会っても
僕らの関係がバレることなんてない。
なんて、生きやすいのだろう。
…なんて、生きづらいのだろう。
彼が僕の名を呼んだ。
彼は、それだけしか言わなかった。
何か言葉を続ける代わりに、彼は僕の 手をそっと握った。
コメント
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付き合ってることがバレないのは楽だけど、疑われもしないのは自分達が「常識」から外れているみたいで哀しい。そんな感じ生きやすさと生きづらさの矛盾のようなものを感じました とても切なくなりました😭 いつか2人が「友人」ではなく 「恋人」として周りに受け入れられる日を祈っています ブクマ失礼します
切ない
いつかきっと堂々と付き合える時が来るといいですね😳