テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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銃口の先のエンディング

第129話 - ゲームオーバー

380

2025年02月07日

#一次創作

#ファンタジー

#冒険

#殺し屋

#人間関係

#日常

四阿朧

サミュエル

（ライアンがそういう意味でステイシーを快く思うなら）

サミュエル

（何か、第三者の意見が必要なことがあるのか？）

サミュエル

（あの王子の考え方からして、簡単に誰かを側には置かないだろうに）

サミュエル

（強さ、種族、生い立ち、全て彼にとって惹かれる理由にはならないはずだ）

サミュエルはステイシーを観察しつつ、そんな疑問を抱く

そして、ステイシーは剣を構える

サミュエル

（来る）

サミュエル

（左をフェイントにして、真正面から…）

ステイシー

…ふ

ステイシー

俺が強くないってことは、散々王子に言われて知ってんだ。

その瞬間、ステイシーは剣のグリップを振り上げ、手を離す

サミュエル

…へ？

ステイシーの姿がぼやけて、幾多に見える

ステイシー

俺たちはシャーズドウムにいても限りなく"魔法"に近い存在なのは分かってるだろ？

ステイシー

俺は…妖狐の一種だ。

サミュエル

ぅお゙！？

尻尾がふわりと揺れたかと思うと、手放したはずの剣が、サミュエルの翼の根を刺した

サミュエル

ぁ…っあ、？

ビリ、と身体中に電流のようなものが走る

ステイシー

その剣にも魔力が篭ってんだ

ステイシー

電気を使える

サミュエル

（なるほど…武器が強い、わけか…っ）

サミュエル

（そもそも本人もめちゃくちゃ弱いってわけじゃないから…っ）

サミュエル

…っはは

サミュエルは再度ステイシーに迫る

ステイシー

あ！？おい来るな！

グサグサとサミュエルに剣が刺さり、ダラダラと血が流れる。

それでもサミュエルはただ真っ直線にステイシーの元へ来て、再び首元に噛み付く

サミュエル

っぐ、…っ

サミュエル

（血液さえ摂取できれば、操れ───）

サミュエル

！おぇ…ッ

サミュエルは思わず、ステイシーの血を吐き捨てた

サミュエル

なっ…！？

ステイシー

…言っただろ

ステイシーはギリ、と歯を食いしばり、笑ってサミュエルに言う

ステイシー

俺は妖狐。それも純血だ。血の大部分の構成は…強力な魔力──。

ステイシー

まず飲めねえよな、そんな血。

サミュエル

チッ…そういうことかよ

サミュエル

ならいい、純粋な力で勝つ！

アメリア

（どこも…ギリギリだが、まだ耐えられる）

アメリア

（私が負けさえしなければ…っ！）

銃声がいくつも響く

ライアン

仲間に配慮しなければ、いつか当ててしまうぞ？

そしてライアンは距離を詰めようと一歩踏み出す

そこを狙ってアメリアは撃つ

ライアン

…

アメリア

（相手は対近距離用の武器。とにかく遠距離で戦いたい）

クロエ

…

同じように、クロエも一歩一歩、確実に…ライアンに近づかれないように気にしながら動いている

ライアン

フン。つまらんな

ライアンはため息を吐き、また加速する

アメリア

っうおっ

アメリア

テメ…っ、そんな生き急いだっていいことない…ぞっ！

アメリアは何発か撃ち、ライアンが向かってくるコースを塞ぐ

しかしそのときにはもうライアンはアメリアのすぐ側にいる

アメリア

（ん…っとに動きが読めんな！）

ライアン

…急ぐ理由が、あると言ったら？

アメリア

は───？

ライアンは剣を振る

そしてクルクルと剣を回し、もう一度構える

アメリア

急ぐ…理由？

アメリア

（そういえば───コイツのことは、ずっと…あまり分かってないままだ）

アメリア

そもそもお前は何故…私たちにあんな依頼をした？

アメリア

お前、国を良くしたいからと尽力するようなやつには見えない

ライアン

…。

ライアンは無言でただアメリアを見た

そして、ハッとして振り向く

クロエ

アメリアばっかに囚われてりゃ簡単に殺されるぞ！

クロエはライアンに向かって銃を持っていない手を翳していた

そこからブワッと風が巻き起こり、ライアンに空気の塊が押し当てられる

ライアン

本当…そればかりは訳が分からんな

ライアン

───苛立たしい。

ライアンは吹き飛ばされた先で何とか着地し、再びこちらにやってくる

そして、そのままの動きで剣を滑らすように斬りかかる

クロエ

っ！

クロエはワンテンポ遅れて避けるが、その体にはかすり傷が浮かぶ

ライアンの瞳からアメリアの姿が消えている。

それを利用して、アメリアはライアンに迫る

ライアン

気づいているぞアメリア

そしてライアンがアメリアに視線を向けるその瞬間、アメリアは更に背後に回り込む

ライアン

───…

アメリア

（今！ここ！）

アメリアはすぐさま発砲した

しかしその弾丸を、ライアンはスレスレで避ける

そして、アメリアを捉え、剣を振り上げた

ライアン

ふぅ…

鋭い目つきでアメリアを睨んだ瞬間、ライアンは2本の剣を同時にアメリアの方へ占めるように動かす

アメリア

っ！

咄嗟にアメリアは跳び上がり、頭上からライアンを撃つ

しかしそのときには既にライアンは護るように剣を持っている

アメリア

（こんなの、どうやって───！）

バタン。

そのとき、地下からこちらに繋がる扉の閉まる音がした

アメリアの頬に冷や汗が流れ、思わず動きを止める

アメリア

（…待て、いや、何もあるはずない。ただの風だろ？）

アメリア

（だが何故か、一歩も動いてはならないような気が…してしまう）

アメリア

（動いてはいけないと…脳内が強く、主張する。）

アメリア

（何か、確実に"ヤバい空気"が───）

隣ではライアンが徐に立ち振る舞いを制し、頭を下げた

アメリア

（なっ…ライアンが頭を下げるって、それは、）

アメリアはゆっくりと、動きが目立たない程度にそちらに視線を向けた

アッシャー

ライアン

アッシャー

たった今、日が変わった。

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あ、ああ、アッシャー王……！？ステイシーさんはステイシーさんで敢えてサミュエルくんに血を飲ませようとして実は……、な展開に持っていったのか……やば、どっちも頭脳戦じゃん……😵‍💫😵‍💫 ライアン王子もアメリアさんの動きを読んでいて想像していたよりも王家との戦いがえげつなくてびっくりしてる……😳😳 どうか、皆無事で……

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