中学三年の冬
引っ越し前に住んでいた山間の町は冬になると雪が積もり
アホ美はよく幼馴染みの友子や寛貴と雪合戦をしていた
権田沼奈穂美
佐藤寛貴
山田友子
山田友子
権田沼奈穂美
権田沼奈穂美
佐藤寛貴
佐藤寛貴
いったい誰に似たのか
身体能力の高いアホ美が投げる雪玉の威力は凄まじく
佐藤寛貴
権田沼奈穂美
何発もの雪玉を寛貴にぶつけて楽しんでいた
高校入学後もその身体能力は進化を続け
体育の授業では短距離と長距離の両方で大会新記録を叩き出し
山田友子
山田友子
山田友子
権田沼奈穂美
権田沼奈穂美
"誰よりも早く家に帰るため"
身につけた足の速さは陸上部の顧問も期待する程の実力だったが
アホ美は陸上に全く興味がなく
いつも友子の誘いを断ってダッシュで帰宅していた
別の体育の授業では雪合戦で鍛えられた腕力を生かし
野球部の顧問も目を見張る程の豪速球を披露
しかもその球は毎回、的確にストライクゾーンを通過し
他の教師や生徒までもがアホ美の投球に釘付けになっていた
部に所属していないため大会等に出てはおらず
世間にその名が知れ渡ることはなかったが
駿足の帰宅部
帰宅部の豪速球
等の異名がつけられる程、校内ではかなりの有名人となった
そして今
そんなアホ美の豪速球ならぬ豪速鞄が幸枝の頬に命中
幸枝の怒りを込めた強い視線がアホ美に向けられる
原田幸枝
権田沼奈穂美
原田幸枝
原田幸枝
原田幸枝
権田沼奈穂美
ピリピリとした空気が流れる中
幸枝が友美に掴み掛かり叫んだ
原田幸枝
金田友美
金田友美
原田幸枝
友美を叩こうと幸枝が振り上げた手をアホ美が止め
幸枝を突き飛ばした所に安藤が登場
その光景に安藤は絶句し背筋が凍る
何としてもこの場を収めなければ
そんな思いから安藤は再び暴走してしまう
安藤優希(担任)
八神蓮斗
安藤優希(担任)
安藤優希(担任)
安藤優希(担任)
安藤優希(担任)
更に安藤は黒板の落書きを見て信じられない言葉を口にする
安藤優希(担任)
権田沼奈穂美
八神蓮斗
安藤優希(担任)
安藤優希(担任)
安藤は全てをわかっていた
幸枝が友美にしていることも
アホ美が幸枝を突き飛ばした理由も
だがここで下手に口を挟めば自分が標的になるかもしれない
そんな気持ちを拭うことができないでいた安藤は
いじめの事実を否定し見てみぬふりを続けた
全ては自分を守るため
教師としての自分のキャリアに傷をつけないため
安藤優希(担任)
八神蓮斗
安藤優希(担任)
自ら最低な教師への道に足を踏み入れてしまっていた
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