スイス
いらっしゃい……ん、
スイス
英国か。
よく来たな。
よく来たな。
スイスの営む雑貨屋に、 イギリスが訪れる。
イギリス
………はい
スイス
好きに座ってくれ。
スイス
いつも通り、紅茶飲むか?
新しいティーポットを
仕入れたんだよ。
新しいティーポットを
仕入れたんだよ。
イギリス
お願いします…
スイス
……元気ないな。
スイス
お前がここ来る時って、
決まってへこんでるよな
決まってへこんでるよな
イギリス
…………。
お湯を沸かしている間、 スイスはイギリスの 向かいに座る。
スイス
友達なんだから、
聞かせてくれ――――
聞かせてくれ――――
スイス
とは言わないよ。
スイス
ただ、ゆっくり過ごせば
いいさ。
いいさ。
イギリス
…ありがとう、ございます
…やはりスイスは、 落ち着いている。
眠そうなまぶたで イギリスを見つめ、 ふっと笑った。
イギリス
……スイスの店の
時計の音は、
落ち着きます。
時計の音は、
落ち着きます。
スイス
それは良かった。
スイス
おれも好きなんだ、
掛け時計。
掛け時計。
そんな秒針の音を 聞きながら、 静かに紅茶を楽しんだ。
中国
……妙ネ、
ブリカスの口数が少ない
ブリカスの口数が少ない
中国
いつもなら
煽ってきてるとこアル。
煽ってきてるとこアル。
厨房でも暗い顔の イギリスを、中国が指摘。
イギリス
…煽ったほうが
良かったですか?
良かったですか?
中国
それは癪。
中国
でもネ、
中国
アナタが黙ってるほうが
さらに癪アルよ
さらに癪アルよ
そう言い切って、 イギリスが話せるよう促す。
イギリス
実は、ですね
中国
……ふん。
中国
そんなの、ただ謝れば
すむ話アルよ。
すむ話アルよ。
イギリス
で…ですが、
向こうはもう私と
顔も合わせたくないかも…
向こうはもう私と
顔も合わせたくないかも…
中国
アナタってどうしてこう
気が小さいのかネ…。
気が小さいのかネ…。
イギリス
ほんとうですよ、!
あの時のフランスは、
あの時のフランスは、
イギリス
……恐かったので
中国
複雑、アルねぇ…。
中国は細めた目で イギリスを見た。
中国
……アナタは
敵を作りすぎてんのネ
敵を作りすぎてんのネ
中国
つまるところ、
ひねくれてる?
ひねくれてる?
イギリス
………っ…
中国
アナタに『友達』が
少ないのは
別にいいけど、
少ないのは
別にいいけど、
中国
『味方』は
なるべく多く作りなさい。
なるべく多く作りなさい。
中国
孤独にとって一番の助けは
しつこく声かけてくれる
物好き野郎なんだから。
しつこく声かけてくれる
物好き野郎なんだから。
イギリス
―――――…!
イギリスが 顔を上げる。
イギリス
………その『味方』に、
中国さんは
なってくれるんですか
中国さんは
なってくれるんですか
中国
はァ????
中国
誰がなるか
ブリカスの味方なんざ‼
ブリカスの味方なんざ‼
イギリス
…やっぱり素直じゃない
中国
あ"⁉
イギリス
いえ、
ありがとうございます。
ありがとうございます。
中国
ハイハイ、
そうと決まれば
さっさと謝りに行くアル‼
そうと決まれば
さっさと謝りに行くアル‼
中国
―――――なんて
中国
救われた孤独は、
我のほうなのにネ。
我のほうなのにネ。