わたし
いま私たちが見てる星の光って
わたし
もう何年も前の光なんだって
わたし
じゃあいまは光って見えていても
わたし
もしかしたら本当はもう消えているかも
わたし
そうかもね。
わたし
そう言ってずずっとスタバのフラペチーノを飲み干しました。
わたし
学校から家に帰る途中
わたし
流行りのカフェに寄って行くのが私たちの間ではイケていた
わたし
イケてる着こなしをして
わたし
イケてる仲間とつるんで
わたし
イケてる言葉を使い
わたし
イケてる髪型をして
わたし
イケてる音楽を聴いて
わたし
イケてないプリは捨てたし
わたし
イケてない奴らを無視した
わたし
そんなもんでしょ
わたし
わたしたちはブームの真っ只中。ホームランボール。銀の弾丸。
わたし
だって女子高生だもの
わたし
でも
わたし
そんなことはどうでもいい
わたし
「ねー今日渋谷いこぉー」
わたし
鶴の一声
わたし
スタートダッシュのピストルの音
わたし
「原宿の新しいアイスたべたいー!」
わたし
「その前にプリとろよ」
わたし
こんな愛しい毎日あるだろうか、愛しいと思ったことなど
わたし
一度もないのだけど。
わたし
ありきたり
わたし
同じような会話
わたし
ハヤリか男かプリか「ダルい」そんなんで成り立つ
わたし
砲丸投げみたいな会話
あなた
つまらないわけじゃない
あなた
満たされないわけじゃない
あなた
ただ
あなた
つけっぱなしのYouTubeみたいに
あなた
同じような人同じような内容の映像がながれて
あなた
それをただ口角を上げて見てる
あなた
それで十分なのだ
わたし
いつまでたっても日の目を見ないユーチューバーの動画
わたし
ゲラゲラ笑いながら見てる
あなた
地球でも爆発しないかな
わたし
ただ退屈なんだ毎日
あなた
いまわたしたちが見てる星の光って
あなた
もう何万年も前の光なんだって
わたし
じゃあいまは光って見えてるけど
わたし
本当はもう消えてるかも知れないってこと?
あなた
そうかもね
わたし
じゃあ
わたし
わたしたちと一緒だね。