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私の妹

私の妹

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私の妹

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2019年11月14日

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朱莉

お姉ちゃん…お姉ちゃん!!

誰?私の睡眠時間を削るのは…。

朱莉

お姉ちゃん、見てよ!!コレ、凄いでしょ?

汚いぬいぐるみを両手で抱えて、 嬉しそうに人形を振り回す。

……って、ソレ、私のよ!?やめて!!

みると、その人形は私の…友達からもらった、兎さんぬいぐるみだった。

朱莉

……違うよ。

朱莉

お姉ちゃんのモノは私のモノだよ?

どこのガキ大将よ!それより、早く返しなさい!

私は、思い切りぬいぐるみを引っ張った。それはもう、千切れるほど。

次の瞬間、

朱莉

うあぁあぁあぁ〜んっ!!!

朱莉が、凄い勢いで泣き始めたのだ。窓ガラスが割れそうなくらい。

母さん

ちょっと、雫!?また喧嘩したのぉ!?

怒ったような声で、私の自室のドアを開ける。

母さん

どうしたの?朱莉。なにかされたの?お姉ちゃんに。

そしたら、朱莉はしゃっくりをあげながらこう答えた。

朱莉

わたっ、し、の、ウサギさ、ん、のぬいっ、ぐるみ、お姉ちゃ、ん、取ったの!

はぁ!?ふざけんな!!私のせいじゃないのに!!

母さん

ちょっと、雫!!お姉ちゃん何だから、少しくらい妹と仲良くしなさい!

仲良くやれないよ!!

私は即答した。だって…朱莉は、 狡賢いんだ。

大声で泣けば、どうせ私のせいになる。

朱莉はそれを熟知しているように、叩かれそう、奪われそうになったら大声で泣き出すんだ。

母さん

どうして!?こんなに可愛い妹なのよ!?

可愛くない!!

朱莉

うわあぁぁぁ〜〜ん!!

その後の言葉をかき消す様に、 大声で泣く。

うるさい!!少し黙ってて!!

母さんに怒られたことと、朱莉の 泣き声に私はもうイライラの最頂点に達していた。

父さん

おいおい、どーしたんだぁ?

サイアク。父さんも入ってきた。

母さん

雫がねぇ、朱莉を最近しょっちゅう泣かすのよ。まったく。

朱莉

うわあぁぁぁ〜〜ん!!!おとうしゃん!

泣きながらベトベト父さんにひっついて、抱き締めている朱莉を睨む。

父さん

雫!!そのぬいぐるみはもう朱莉にあげなさい!お姉さんでしょ!

……お姉さんお姉さんって……!!

私は、ワナワナと震えた。

なんでそんなにお姉さんお姉さん言うの!?お姉さんだったら我慢しなきゃダメなの!?

朱莉が来てからもう最悪!!朱莉なんて生まれて来なければよかったのに!

朱莉

っ…うあぁあぁあぁっん!!!

大声で叫び出す私と、大声で泣き出す朱莉。地獄絵図だ。

母さん

やめなさい!!

バシッ!!

ッ!?

頬を叩かれた。痛くてジンジンする。

……涙目になってきた。痛くて、怖くて、情けなくて。

そして、母さんはハッとした表情で

母さん

っ…雫、あんたが悪いのよ!?

父さん

ちょっと、母さん!

そう叫び捨てると、父さんと母さんは自室から出ていった。

朱莉

クスクスクスクス

途中、急に朱莉が…笑いだした。 クスクスって。

朱莉

お姉ちゃんは、私の言うことだけ聞いてればいいんだよ。そうすれば…

朱莉は、そっと私の耳元で呟いた。

朱莉

私が、幸せにしてあげるから。

その瞬間、背中がゾワっとした。

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コメント

1

ユーザー

ここで伝えたかったポイント 『幸せにしてあげる』 それは 『死合わせにしてあげる』 という語呂合わせ。 つまり朱莉は、雫を☆☆☆つもりでした…。

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