音が無くてもいつかきっと〖完結〗

刺したところがものすごく痛かった

なんで刺したんだろうって

すっごい後悔した

でも、今の自分の苦しみを

どこか知らない場所へ捨てるには

自分の身を傷つけることしか

思い浮かばなかった

壁に手を起きながら

なるべく早く帰ってきた

多分この扉を開いた先は

俺にとっての地獄

愚痴三昧だろう

まぁでも、もう

慣れてるから

大丈夫って、自分に言い聞かせた

ガラガラ

名前を呼ばれた途端

俺は何も聞こえないように

耳を塞いだ

慣れてる

慣れてるから大丈夫

だけど

仲良くしてくれた人からの罵声は

慣れてないから怖かった

クラスメイトが先生の方に行って

いろいろ説明した

そしたら先生が顔色を変えて

俺の方に向かって歩いてきた

どうせ何を言っても信じてもらえない

そう分かってたから

何も言い返さなかった

気がついたら体が勝手に

足を進めて走り出していた

教室が息苦しかったから

外に逃げるように、走り出した

こういう時、後輩に頼っていいんだろうか

でも、ショッピ君の声が

表情が、今は温かく感じで

初めて、人に話してみようって思った

いつもはこう返事された時

嫌われてるのかなって思ってた

でも今は、声色が優しかったからか

気遣ってくれてるように感じた

さっき、逃げるために走ってきたから

傷口が開いたんだなって回らない頭で思った

そこで、俺の意識は

暗闇に包み込まれた

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