「かわいいね この子にする」
ボク
そう言ってあなたはボクを抱きしめてくれました。
ボク
そうしてボクは あなたの家族になりました。
ボク
なにも知らないボクに、あなたは楽しいことや、うれしいことをいっぱいおしえてくれました。
ボク
お散歩も、かけっこも、ボール遊びも、あなたとの時間はとっても楽しくて。
ボク
ボクはあなたの事が大好きです。あなたと過ごしたすべての時間がボクのたからものです。
ボク
でも、いつからかな。
ボク
あなたはいつも忙しそうで。ボクとの時間はだんだんへっていきました。ボクは少し寂しくて。
ボク
でも、あなたのじゃまはしたくないから。
ボク
ボクは待っていました。
ボク
ボクはあなたの事が大好きだから…あなたもきっとボクのこと大好きだよね?
ボク
だから少しくらい寂しくても平気です。
「おいで」
ボク
あなたの声です。
ボク
ボクは嬉しくて、おもわずかけあしであなたのもとへ走りました。
ボク
ボクはあなたのとなりを歩きました。
ボク
ふたりで歩く道。ボクはぜんぶおぼえているよ。あなたがおしえてくれた たんぽぽの道。
ボク
一緒に遊んだ公園。
ボク
ひとまわりして戻ってきたけど今日はお家に入りません。なんだかとくべつな日です。
ボク
車の窓から見えるみなれない景色。
ボク
ここは来たことのないところ。
ボク
あなたは知らないおじさんにボクのリードを渡しました。
ボク
おるすばんかな…
ボク
でもあなたはいつもと少しちがいました。何も言わずにボクの顔を見て、少し悲しそうな顔をしていました。
ボク
大丈夫だよ。
ボク
ボクはいい子にまってるから。