葛葉
死にたいというガキは見た目にしては妙に大人びている様子で口にする
9歳くらいだろうが、精神年齢どうなってやがる
子供
葛葉
この一言で察してしまう自分もだいぶ気に食わねぇ
まぁざっと…幽霊が見えるからって異物扱い、ってとこだろうな
ガキには酷か
子供
葛葉
こっちでいう、俺ん家か…
だけどそれなら家の者にでも言えばいい
出来損ないでもなければ、動くはずだろう
子供
…事は祓魔師を生み出す名家って訳ね
子供
ガキは急にそんな事を言い出す
今までで1番辛そうで、唇を噛み締めながら
子供
段々と声が震えてくる
それを誤魔化すかの様に、無理やり口角を上げる
子供
子供
もう疲れたのか
口調が変わる
それに1番腹が立つ、だって
昔の俺と似てたから
葛葉
グッと拳を握りしめる
赤い爪が紅色の液体を流し出す
子供
胸が痛い
手なんかより、ずっとずっと痛い
子供
もたれ掛かったまま、一筋の涙を流す
声を殺す事も、もう疲れたんだろう
子供
子供
別に、殺してやってもいい
普通にイライラするし
ムカつくし
葛葉
だけど
この胸の痛みは、お前を殺したって消えないんじゃないか?
この痛みは
お前が生きて償う物だ
葛葉
子供
迷いのない瞳を逸らしながらガキは呟く
葛葉
ガサガサッ…!
葛葉
子供
草むらの方から物音がする
ガキは大きく体を震わせて、自然と俺の後ろに隠れる
なんだ、コイツ
死にたくないんじゃん
葛葉
草むらに向かって血を飛ばす
姿は見えないが、軽く断末魔が聞こえた
子供
ガキは安心したかの様に肩の力を抜く
ボロボロと目から涙を零す
感情も何も無い唖然とした顔が、段々とグシャグシャになっていく
子供
子供
葛葉
ガキは驚いた表情をしながら、荒々しく呼吸をする
なんでなんて言わせるか
この苦しさは、コイツも背負ってるんだ
葛葉
子供
ながお けい
葛葉
桜魔ではその名を知らない奴はいないだろう
それくらい有名な名家だ
自然とプレッシャーものし掛かって、無自覚に苦しんでたんだろうな
ながお けい
葛葉
葛葉
兄弟だったら
この痛みを一緒に背負う資格はあるだろ?
コメント
1件