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何時から此処に居るのか覚えていません
名前の一文字目
元いた世界の過ごし方
人間の優しさ
その全てが行方不明です
それでも唯一覚えているのは
私がこの人を愛していたということです
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ここは地獄です
喜怒哀楽を混ぜて作った部屋です
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私たちのよく知っている公園です
体が喜びを沸かしているのがわかります
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私は斧を握りしめています
随分と手に馴染んでいるなと少し驚きますが
それは悲しみです
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この部屋は死ぬ前の時間を繰り返します
私とこの人が作り出した呪いです
生前の時間を使って
ゆっくりと死を運んで来るのです
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本当は返事をしたかったのですが
私の身体はそれを許しません
運命に導かれて再現するのは始まりの日です
夕暮れの公園で
ベンチに座ってゆったりと
斧を片手にあなたを待っていました
遠くから手を振って謝るあなたは
私の目には入りません
あなたが砂場の砂を踏んだとき
私は斧を振ったのです
切れ味の悪い刃が
あなたの腕を引っ掛けて脇腹へと沈みます
一瞬あなたが声をあげたように感じましたが
どうやら肺の空気が抜けただけでした
血の赤は夕日に溶け込んでとても綺麗でした
あなたがあんまり騒ぐものだから
右のふくらはぎに刃を当てます
筋肉はザクザクと簡単に切れましたが
骨は無理でした
ふとあなたの顔を見ると
私の目をじっと見つめています
癪に障ったので
顔に対して垂直に
まるでゴルフクラブを振るようにして斧を飛ばします
頭蓋はやっぱり頑丈で
骨で滑った刃は
額の肉を半分ほど剥がしたようでした
二日後の昼
私も後を追いました
あなたを逃がさないように
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