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何時から此処に居るのか覚えていません

名前の一文字目

元いた世界の過ごし方

人間の優しさ

その全てが行方不明です

それでも唯一覚えているのは

私がこの人を愛していたということです

.

ねえ

.

なにか私に隠してない?

,

そんなことないよ

.

そうだよねそんなはずはないよね

,

もちろん

ここは地獄です

喜怒哀楽を混ぜて作った部屋です

.

ねえ

,

なんだい?

私たちのよく知っている公園です

体が喜びを沸かしているのがわかります

.

昨日一緒にいた子って誰?

.

友達?

,

そう

私は斧を握りしめています

随分と手に馴染んでいるなと少し驚きますが

それは悲しみです

.

そうは見えなかった

.

浮気?

,

違うよ!

,

そういうこと言うなよ!

この部屋は死ぬ前の時間を繰り返します

私とこの人が作り出した呪いです

生前の時間を使って

ゆっくりと死を運んで来るのです

.

私知ってるの!

.

あなたがあの人と遊んでたこと!

.

まだ言い訳するの!?

,

バレてるのか

,

本当にすまない

,

お前のことも愛してるさ

,

でも、あいつのことも好きなんだ

,

許してくれないか?

,

な?

本当は返事をしたかったのですが

私の身体はそれを許しません

運命に導かれて再現するのは始まりの日です

夕暮れの公園で

ベンチに座ってゆったりと

斧を片手にあなたを待っていました

遠くから手を振って謝るあなたは

私の目には入りません

あなたが砂場の砂を踏んだとき

私は斧を振ったのです

切れ味の悪い刃が

あなたの腕を引っ掛けて脇腹へと沈みます

一瞬あなたが声をあげたように感じましたが

どうやら肺の空気が抜けただけでした

血の赤は夕日に溶け込んでとても綺麗でした

あなたがあんまり騒ぐものだから

右のふくらはぎに刃を当てます

筋肉はザクザクと簡単に切れましたが

骨は無理でした

ふとあなたの顔を見ると

私の目をじっと見つめています

癪に障ったので

顔に対して垂直に

まるでゴルフクラブを振るようにして斧を飛ばします

頭蓋はやっぱり頑丈で

骨で滑った刃は

額の肉を半分ほど剥がしたようでした

二日後の昼

私も後を追いました

あなたを逃がさないように

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