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#ギャンブル
りんご
904
19
朽華 歌仙
78
【SYSTEM】
灰色のスクリーンに、新たな問題文が表示された。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
生島菜々美
生島菜々美
菜々美は唇を噛んだ。
第1問で、Cチームはすでに1人を失っている。
生徒ナンバー12・工藤珂瑛来。
星占いが好きで。
大吉だと、自分に言い聞かせて。
最後に菜々美を見た。
その声も、表情も、菜々美の中には残っている。
けれど、土橋怜那と三島海凜の顔には、別の怯えが浮かんでいた。
悲しみだけではない。
次は、自分かもしれない。
その恐怖だった。
三島海凜
三島海凜
口を開いたのは、三島海凜だった。
“まりん”の名に因み、水泳が得意なことを密かに誇る少女。
授業も真面目で、成績は上から数えた方が早い。
三島海凜
三島海凜
土橋怜那
海凜に応じるように、土橋怜那も頷いた。
家庭的で、料理や裁縫が得意な少女。
さらさらのロングヘアに、赤いカチューシャを着けている。
彼氏の“比呂”と1年以上交際していることも、同級生には知られていた。
土橋怜那
三島海凜
生島菜々美
そう言いながらも、菜々美の胸は重かった。
答えがわかることと、代表者になることは別だった。
生島菜々美
その問いに、海凜も怜那も黙った。
答えに自信を見せていた2人の目が、わずかに揺れる。
三島海凜
土橋怜那
菜々美は何も言えなかった。
2人の気持ちはわかる。
死にたくないのは、菜々美も同じだった。
けれど、誰かが行かなければならない。
5分という時間は待ってくれない。
Cチームは、もう3人しかいない。
また間違えれば2人。
次も失敗すれば、最後の1人も道連れになる。
考えるほど、息が苦しくなった。
生島菜々美
三島海凜
土橋怜那
生島菜々美
海凜と怜那は安堵した。
その表情に、菜々美の胸が小さく痛む。
責めたいわけではない。
でも、わかってしまった。
菜々美が危険な場所へ行くことで、2人は今だけ助かったと思ったのだ。
菜々美は感情を飲み込み、Cチームの演壇へ向かった。
各チームの代表者が演壇に立つ。
灰色の光が、彼女たちの顔を照らしていた。
【SYSTEM】
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【SYSTEM】
【SYSTEM】
生島菜々美
けれど、不安は消えなかった。
第1問でも、多数派が正解とは限らなかった。
思い込みこそ命取りになると、見せつけられたばかりだった。
生島菜々美
Fチームの演壇に立つ生徒ナンバー36・矢島梓が、青ざめた顔でスクリーンを見上げていた。
Fチームは、第1問で衛藤華を失っている。
華が倒れた音。
灰色の光に撃ち抜かれた時の短い声。
菜々美は覚えているのに、顔だけが遠くなっている。
矢島梓
【SYSTEM】
梓は、びくりと身体を震わせた。
【SYSTEM】
矢島梓
言いながら、梓の唇はひりついていた。
【SYSTEM】
少し間があった。
梓の全身から、嫌な汗が止まらない。
【SYSTEM】
スクリーンの光が、一度揺れた。
正解は――
①。
生島菜々美
菜々美は膝から崩れそうになったが、必死に踏みとどまる。
助かった。
まだ死なない。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
菜々美は、その説明に小さな違和感を覚えた。
前問の形式を利用している。
いや、それだけではない。
生徒たちの選択も、迷いも、間違いも、次の問題に組み込まれているように感じた。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
矢島梓
Fチームの演壇で、梓が呻いた。
矢島梓
灰色の光が天井から落ち、矢島梓の脳天を貫いた。
矢島梓
声が途切れ、梓の身体が演壇の横へ崩れ落ちる。
けれど、駆け寄れない。
この部屋では、誰かが死ぬ時さえ、勝手に動けないように感じた。
灰色の人影が現れ、梓へ近づいていく。
その姿を見て、菜々美の頭に別の声が甦った。
大吉のはずなのに――
珂瑛来の声だった。
今の梓の声と重なり、灰色の部屋で薄く滲む。
生島菜々美
灰色の人影が梓の身体を持ち上げると、近くの生徒が呟いた。
生徒の誰か
生徒の誰か
その声には、確信がなかった。
覚えているはずなのに、顔も声も遠くなり始めている。
菜々美には、そう見えた。
【SYSTEM】
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【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
コメント
1件
菜々美が「2人を信じる」って言って前に出たシーン、すごく胸にきました。海凜と怜那が安堵した表情に菜々美が気づくあたりの描写が繊細で、仲間だけどそれぞれの生存本能が交錯する感じがリアルでした。そして矢島さん……間違えた理由が「一音で読めるから」だったのも切ない。前問の形式を利用するシステムの巧妙さにぞっとしました。