それから殴って蹴って
さすがに無傷とは行けないけど
やっと雅人を見つけたと思った時には、たっている人は数人しかいなかった
まぁ鳳来と紫蘭の幹部が入れば仕方ないか
私が前までの私だったら気絶していた
でもよかった
お互い静かに睨み合う
そして傘下や下っ端くんたちは察したようで端っこによける
そしてその沈黙を破ったのは雅人だった
雅人
雅人
雅人
莉子
莉子
雅人
雅人
何気にすんなり返してくれたスマホを奪うようにして胸の前でギュッと握りしめる
よかった…
雅人
雅人
鳳来のみんなは頷くが紫蘭の幹部は
健さん
雅人
こいつ…わかってるくせに
莉子
春樹
莉子
莉子
雅人
雅人
って言ってくせに笑顔が引きつってるよ?
莉子
小さく呟いたつもりだったけど鳳来の幹部は聞こえてたみたいで一瞬顔を歪めた
なんでそこまでしてあの子をかばうんだろう
春樹
莉子
春樹
春樹は近くにあったドラム缶を蹴り飛ばす
派手な音を立てたそれに私はビクリと肩を揺らす
直樹
それと同時に真実から目を背けた直樹に苛立ちを覚える
ふざけんなって叫ぼうとした時
ひより
ひより
莉子
幹部室の階段をおりてこっちにやってくるひよりちゃん
優月
そう。優月を引っ張りながら
直樹
春樹
雅人
ひよりちゃんがここにいるのが不思議で仕方ないって様子のやつら
莉子
春樹
健さん
健さん
ひより
ひより
優月
直樹
まぁ確かに普通に考えたらありえないもんね
みんなびっくりしたように固まっている
莉子
透流
ひより
ひより
ひより
優月
健さん
莉子
ひより
健さん
朝陽
ひより
朝陽
健さん
健さん
幹部同士の1VS1
健さんVS春樹
蓮VS和樹
朝陽さんVS雅人
風真くんVS透流
葵VS直樹
ひより
莉子
こりゃ似たもの同士の対決だ
ひより
莉子
タッタッタッ
健さん
そんな言葉が合図がスタートになり空気が重くなった
1歩また1歩と距離を詰めては離れる どっちからも手を出さない状態に無意識に息を止めてしまう
隣にいる優月なんて忘れてしまうほどに
雅人
初めに直樹が手を出した。 飛んでいく早い拳
でも朝陽さんはするりと避けて蹴りを繰り出した
その繰り返し。 でも私からするととても早く息を飲む
そしてそこの2人がやり始めたから他のところもはじまっていた
1人でハラハラしながらその様子を見ていると優月に話しかけられた
優月
莉子
優月
その言葉に私は優月に顔を向ける
感情がまた冷めていく
莉子
奪うって何? 鳳来も紫蘭もものじゃない
それに紫蘭のみんなにそんなことやれるもんならやってみればいい
私たちの仲を壊せるもんなら
そんな冷たい私の視線を感じてひきつっていた顔をかくすように無理やり口角をあげた
優月
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
いつの間にか私は大きな声を出していて、いつの間にこっちに来ていた雅人に方を掴まれる
雅人
なんで、こんなやつをここまで守るの? もう気づいてるんでしょ?
わからない。わからないよ!
莉子
莉子
莉子
優月
優月
…こんな最低なやつなのに
雅人
優月
はぁ。もうだめだ。 さっきの同情を返して欲しいくらい
私の声はもう届かないのなんてわかっていた。
それなのに必死に説得しようとする自分に笑いが込上げる
そして喧嘩を再開した雅人たちを見ていると懲りずに優月は私に話しかける
優月
莉子
優月
くすくす、と笑うけどそんな笑い消してやるくらいの取っておきを持ってる私にはなんともない
莉子
莉子
優月
優月
莉子
優月の前だとものすごく口が悪くなるなぁ
これが終わったらちゃんと元通りにしなきゃ
そう思いながらポケットに入ってるスマホに手をかける
そして優月にバレないようにボイスアプリを開いていつでも再生できるように準備する
いつにしよう
優月に決めさせてあげようかな? あんたの絶頂から叩き落とされるカウントダウンを自分で決められるなんてなんて贅沢なんでしょう
莉子
優月
優月
優月
優月
誇らしげに言う優月をよそにタイマーを1分にセットする
莉子
優月
あと…50秒
戦ってる最中なのに? ずるい? そんなの知らない
さきにずるいことをしてきたのはそっち
あと…40秒
だから私もなんと言われようともう躊躇わない
あと…30秒
あんた達になんて意地でも勝たせない
あと…20秒
だって私は彼らを守るんだから!
あと…10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
莉子
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