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もう一度。もう一度だけ、 あの日に戻れたら。
絶対《あの日》に戻って、 やり直すのに。
今でも後悔してる。
大好きな人を傷つけてしまった、 あの言葉。
気づけば冬。
この前まで夏だったのに、 なんて思ってしまうほど 季節の移り変わりは早いものだ。
真冬
友人の【吉沢紗耶(よしざわ さや)】があたしに問いかけてきた。
紗耶は中学からの幼馴染みだ。
学部は違えど、大学まで一緒 なんて相当な縁だと思う。
真冬
真冬
真冬
紗耶
紗耶
紗耶
真冬
そうだ。紗耶って恋人いたんだ。 だからか妙に説得力を感じてしまって、反論しにくい。
紗耶
紗耶
真冬
真冬
紗耶
真冬
引きずってます。むしろ冬はそれしか考えられません。
そう言えたら…楽なのかな?
でも、言わなくても 紗耶はわかってるだろう。 あたしがしてる《後悔》のこと。
証拠に紗耶は、 こんな話題を出した。
紗耶
真冬
紗耶
真冬
真冬
真冬
あたしたちの地元って言ったら 田舎のほうで、 観光できる名所なんて 一つもないはずだけど。
真冬
紗耶の目が光った気がした。
待ってましたと言わんばかりに、 こちらはお構いなしで 身を乗り出して話し始める。
紗耶
紗耶
真冬
紗耶
紗耶
紗耶
真冬
やり直したい…過去
唐突にフラッシュバックする記憶。
忘れたこともないから、 思い出すとは少し違うけれど。
紗耶
真冬
真冬
紗耶
紗耶
付け足した紗耶の声は、 もう聞こえていなかった。
紗耶
紗耶
真冬
この際ジンクスでも、 謳い文句でもいい。
紗耶
紗耶
5年も経つのに今更。 わかってるのに忘れられなくて、
あの日に戻れたら、 って、ずっと後悔してた。
真冬
あたしの初恋でもある、 あの頃の片想い。
綺麗にバイバイできなかったこと。笑って卒業できなかったこと。
だけど何より、幼かったあたしは 自分勝手な理由で彼を傷つけた。
──それが一番の後悔だった。
episode.02 …季節外れの雪を辿る夜