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虚言ノ彼方【終?】

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虚言ノ彼方【終?】

16 - Episode fwainaru【虚言の彼方】

♥

30

2020年10月03日

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ミシロ

女神像の先にはやっぱりあの鏡…

ミシロ

ここに私の最後の記憶が眠ってるはず…

鏡の前に立つとその鏡がまばゆく光り ミシロを包んでいく

気が付くとミシロは見覚えのある道路を上から見ていた

ミシロ

(これは?)

ミシロ

(私は今空にいるの?)

彩葉

遅くなったから送ってくよ

ミシロ

別にいいよ…

ミシロ

(あれは私?)

ミシロ

(てことは今私は過去の私を見てるの?)

彩葉

やっぱり夜道を1人で歩かせるのはね

ミシロ

別に大丈夫…

ミシロ

そんな子供じゃあるまいし

彩葉

僕からしたらマダマダ子供かな?

ミシロ

ならあんたいくつなのよ?

彩葉

僕は18だよ?

ミシロ

私と大して変わらないじゃない

彩葉

ミシロは?

ミシロ

15

彩葉

中学三年生か高一か

ミシロ

まだ中学生よ

彩葉

そしたらまだまだ子供じゃないか

彩葉

そのくらいの歳になると背伸びしたくなるのかな?

ミシロ

別にそんなんじゃないし…

彩葉

強がったってお見通しだよ?

ミシロ

あっそ…

ミシロ

(この記憶が私にとって一番大事な記憶…)

ミシロ

(たしかに以前も彩葉との記憶を見てそれが大切なものだと知った)

ミシロ

(でも今のところこの記憶が私にとって一番大事な記憶だと思う要素は少ないけど…)

彩葉

話は変わるけどさ

彩葉

ちょっと踏み込んだ話してもいいかな?

ミシロ

私が答えられるものなら

彩葉

僕と初めて会った時君はあの湖の近くにいたよね?

ミシロ

鏡芽湖ね

彩葉

あの時ははぐらかされたけどさ

彩葉

今度は正直に答えて欲しい

彩葉

あの時君は湖に飛び込もうとしたよね?

ミシロ

……………

彩葉

答えてくれる?

ミシロ

ミシロ

はあ…

ミシロ

そうね…

ミシロ

確かに私は飛び込もうとしたわ

彩葉

なんで君は飛び込もうとしたの?

ミシロ

全てに疲れたのよ

ミシロ

学校に行けば私を玩具としてしか見ないガキ

ミシロ

家に帰っても私は邪険にされる

ミシロ

それならいっそ私は消えようと思った

ミシロ

私が消えても悲しむ人は誰もいないと思ったから

彩葉

そっか……

彩葉

まぁ僕も似たような感じかな

ミシロ

あなたも?

彩葉

ほら、前にも話したじゃん

彩葉

僕のお母さんの歪んだ愛の話

ミシロ

重い期待を載せられてるって話だね

彩葉

あの時実は少し話を切り取って話してたんだ

ミシロ

どういうこと?

彩葉

母さんの愛がストレスになって絵を描き始めたって言ったけど

彩葉

その過程のことを話してなかったなって…

ミシロ

彩葉

絵を描く前に僕も実は死のうと考えたこともあったんだ

彩葉

僕のスペックを超える量の勉強をしてさ

彩葉

それだけの量の勉強をしたのに結果が出ないとものすごく怒られて

彩葉

そんな日々がしばらく続いてそれが限界に達して同じ湖で死のうとした

彩葉

それを止めたのがあるひとりの画家

彩葉

その人のおかげで今の僕がある

彩葉

たまたまその日はあの公園で展覧会があったみたいで

彩葉

そこに出品してる人の一人だったみたい

彩葉

僕はその画家さんに連れられて展覧会を見に行きそこで絵のすばらしさに気づいた

彩葉

絵は自由だった

彩葉

何をどうしようと僕の勝手だからね

彩葉

絵のすばらしさに気づいた僕は死ぬ事が馬鹿らしくなってさ

彩葉

それでストレスを逃すために始めたのが
風景画を描くことだった

ミシロ

ふーん

ミシロ

じゃあ私も絵を書けって事?

彩葉

絵じゃなくてもいいよ

彩葉

何かしらストレスを逃す方法を見つける

彩葉

それだけでいいよ

ミシロ

まぁ頑張って探してみる…

彩葉

ミシロちゃんはまだ若いからね〜

彩葉

これから先きっとやりたい事が見つかるよ

ミシロ

あなたも世間的には若いでしょ

彩葉

まぁね〜

そんな話をしている2人目掛けて突如車が突っ込んできた

厳密に言えばミシロを狙ったように見える

彩葉は直ぐにそれに気が付きミシロを車線から身を呈して外した

その車はそのまま彩葉を巻き込んで電柱に衝突した

ミシロ

え?

ミシロ

彩………葉?

電柱に衝突した車を見てみると赤い液体が流れ出していることに気がついた

その液体の出処は恐らく彩葉であろう

運転手も衝突した衝撃で気を失ってるようだった

ミシロ

私のために……

ミシロ

私のために死ぬの?

彩葉

み……しろ

ミシロ

彩葉!!

彩葉

この程度……大丈夫だ……よ

ミシロ

そんなわけ…

彩葉

それより……

彩葉

僕のおねがい聞いてくれるか?

ミシロ

なに?

彩葉

僕の事は忘れてくれ…

彩葉

君は……

彩葉

君は自分の……

彩葉

やりたいこと………

彩葉

それを……みつけ……る…

ミシロ

彩葉?

ミシロ

ねぇ!彩葉!!

ミシロ

忘れろって……

ミシロ

そんなの………

それから少しして近所の住民が警察に連絡したようで警察がやってきた

その後彩葉は救急車に運ばれて私は事情聴取を受ける

それが終わり解放されると私は迷わずあの湖の前に来ていた

私の心の中では彩葉という存在は大きな存在であったのかもしれない

いや、かもしれないでは無くそうであった

私にとってストレスを逃す方法は彩葉と共にいるその時間だった

彩葉の居なくなったこの世界にもう意味は無い

そう決心し私は暗い水の中に飛び込んだ

ミシロ

全部思い出した…

ミシロ

私は……

ミシロ

彩葉という人に恋をしていた…

ミシロ

勝手に大切な人と認知した私は

ミシロ

その大切な人が消えた世界に意味をなさないと思い

ミシロ

私はあの世界から消えたんだ……

ミシロ

あの広間に戻ろう…

〜大広間〜

ミシロ

帰ってきた…

ミシロ

全てを知った今あの大きな扉の先に行ける

季鈴

おかえり〜!

季鈴

ミシロちゃん!

季鈴

もしかして自分を知れた?

ミシロ

うん……

ミシロ

その全てを知った今ならこの先に行けると思う

季鈴

じゃあもしかするとお別れになるのかな

ミシロ

そうなるかもしれない…

季鈴

でも止めようなんて思わないよ?

季鈴

だってミシロちゃんはその先に行きたいんだからね

季鈴

私のわがままなんて通用しないもんね

ミシロ

うん…

ミシロ

それじゃあさよなら

季鈴

うん……

ミシロはそういいあの大きな扉を開く

そしてその先にある眩い光をめざして歩く

ミシロ

ミシロ

ここは?

ミシロ

私の部屋?

ミシロ

あの時私は…

ミシロ

湖に落ちて死んだはずじゃ……

ミシロ?

起きたのねミシロ!

ミシロ

ママ…

あなたずっと寝てたのよ?

ある日鏡芽湖に女の子が落ちたって

その後すぐに引き上げることに成功して

何とか息を吹き返すことには成功したけど

あなたずっと寝てたのよ!

ミシロ

そうなんだ……

まだもう少し安静にしてないとね

それじゃあ私はご飯作ってくるから待ってて

ミシロ

わかった…

そういい母は部屋を後にした

ミシロ

生きてても…

ミシロ

私が今生きてても彼は居ないし

ミシロ

またあの憂鬱な日々が始まるだけ

ミシロ

私はほんとにこの世界に帰ってきて良かったのかな…
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