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芽依

もう、由真泣きすぎだよ

ついさっき卒業式が終わって校庭でみんな自由に写真などをとっている

イケメンの第二ボタン戦争や

グループでわいわいしながら写真を撮っているもいる

そして私は親友の由真と写真を撮ろうと思っているのに、由真が泣き止んでくれない

由真

なんで芽依はそんなに普通なのよぉー

…そんなこと言われても

芽依

一生会えないわけじゃないし

芽依

うちら大学も同じでしょう?

確かに当たり前のようにみんなに会えないのは寂しいけど、今の時代簡単に連絡も取れる

由真

そうだけどさぁ

泣き虫な由真はそれでも簡単には泣き止んでくれず

芽依

じゃあ泣きながら写真とろ?

芽依

それの方が思い出になりそうだし

由真

…じゃあ芽依も泣いて撮ろうよ

芽依

そんな無茶な

由真

芽依花粉症の目薬持ってるじゃん

由真

それを指せばいいんじゃない?

由真があまりにも言ってくるもんだから、両目にさし泣いているように見せかけた

由真

おお!乾かないうちに早く撮ろう!

急いで写真を撮って2人で笑いあう

写真の中の私たちは泣きながらも笑っていて

これもいい思い出になってくれるはず

きっと…

由真

じゃあ私部活のメンバーのとこに行ってくる

芽依

うん、行ってらっしゃい

バレー部のところに走っていく由真を見送って私は校舎の中に入る

そこは写真部の部室

ここなら彼と会える気がして

卒業したら彼とは会えないだろうから

なんて考えていると自然と足が速くなってきずいたら走っていた

ガラガラ…

私の好きな人…俊樹は二年生の時に転校してきて

部員が少ないこの写真部にやってきた

私は俊樹がとる写真が好きだった

ありふれたようなものでも俊樹が撮ると違ったものに見える

そんな写真が…

私の心を奪った

そして俊樹本人も私の心を奪っていった

そして奪われた心はまだ私のもとには帰ってきてない

芽依

もう卒業しちゃったのに

ガラガラ…バン!

俊樹

芽依!やっぱりここにいたんだな

勢いよく開いたドアには息を切らしでいるであろう俊樹が立っていた

芽依

ど、どうしたの?

不規則になる心臓の音

でもそれを隠すように平然を保つように

俊樹

芽依を探していたんだ

芽依

え?

俊樹

ここにならいると思ってさ

ニコッと笑いながらポケットから何か取り出して私に差し出す

俊樹

これをどうしても芽衣に渡したくて

俊樹の手にあったのは一枚の写真

芽依

これ…は?

俊樹

まぁ、ちゃんと見てみてよ

言われるままにその写真をじっと見る

芽依

これって…

その写真には屋上で写真を撮っている私の後ろ姿が映っていた

俊樹

芽依だよ

芽依

なんで?

芽依

俊樹は風景しかとらないって

俊樹

誰も風景しかとらないなんて言ってないよ

俊樹

ただ取りたいのが風景しかなかったってだけで

照れくさそうにそういう俊樹

やっぱり俊樹の写真は大好きだ

引き込まれる

涙止まらなくて泣きながら写真を見ているとなにかが手に当たった

俊樹

裏も見てみてよ

言われた通り裏を見てみるとそこにはテープで止められた第二ボタン

芽依

え?

目の前の俊樹の制服の第二ボタンはなくて

芽依

どういうこと?

俊樹

俺の第二ボタンだよ

芽依

これわたしがもらってもいいの?

俊樹

もちろん

俊樹

なくすなよ?

うれしくて

だってとしきから第二ボタンがもらえるなんて思ってもなかったから

でも

1つ不安なことがある

俊樹

…心配しなくても大丈夫だよ

芽依

そっか。そうだよね

俊樹は私の心を読んだように言った

第二ボタンを握る手に力が入る

俊樹

俺の事好きになってくれてありがとう

俊樹

気持ちすごくうれしかった

私は泣きながら何度もうなずいた

もうなんだっていい。たとえ今の言葉が嘘でも

俊樹

もう泣き止めって

俊樹は笑いながら私の頭をなでてくれて

嬉しくて涙が止まらない

芽依

ありがとう、ありがとう

ただそれだけを伝えたかった

里穂

もう!俊樹さがしたよ?

少し怒ったように写真部の部室の扉を乱暴に開けたのは

俊樹の彼女さん

神様の意地悪

今日くらいは会いたくなかった

俊樹のあてはわたしのあたまから離れると彼女さんの方へ行ってしまった

まって、もうすこしだけ一緒にいたかったのに

里穂

なんで既読つけてるのに返信してくれないの?

俊樹

ごめんごめん

そしてさっきまで私の頭をなでてくれた手は彼女さんの頭の上に

私の前でそんなことしないでよ

私の気持ち知っているくせに

私の何がダメだったんだろう

もう何度も自分に問いかけてそれでも答えは出てこなくて

私なら俊樹を幸せにできるのに

でもそんな考えも今の俊樹を見ててなくなっていく

あんな優しそうに愛おしそうに私を見てくれたことはないから

私じゃダメなことくらいわかる

それでもどうしても諦められなかった

彼女がいるからって簡単に諦められるような気持ちじゃなかった

でもよかった

好きになったのが俊樹でよかった

芽依

ねぇ俊樹

俊樹

ん?

いつもの優しい笑顔で聞いてくれる

でもこれが彼女さんだったらもっと優しい顔で見てくれたんだろうな

はぁほんとにこのhとの彼女になりたかったなぁ

芽依

私は俊樹にとっていい友達だったかな?

俊樹

そんなの当たり前だろ

芽依

そっか

その言葉でもう十分

芽依

私、俊樹をすきになってよかった

芽依

彼女さんとお幸せに

そういって部室から飛び出した

何も考えずにただ廊下を走った

立ち止まって後ろを見る

追いかけてくるわけなんかないのに

手に持っていた写真をじっと見る

芽依

ん?

写真の裏側に小さく

‘‘またいつか‘‘

そう書かれていた

芽依

っ…ふぅぅぅ

私は写真部部室がきらいだ

だってあそこは俊樹に振られた場所だから

彼女さんがよく俊樹に会いに来て仲良さそうにしてたから

でもそれ以上にあそこがすきだった

初めて出会って俊樹との思い出が詰まった大切な場所だから

本当に大好きだった

ただただどうしようもなく俊樹に恋をしていた

これから俊樹以上に好きになれる人なんて現れるだろうか

もしいたとしても私は俊樹を忘れることはないと思う

だって私の初恋だったから

初恋は甘酸っぱいものだったけど

私の青春でした

ありがとう

そして

‘‘さよなら、私の好きな人‘‘

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