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『時間が解決してくれる』
よくそんな言葉を聞くけど、そんなこと綺麗事だ。
少なくとも、君にとって時間は『解決してくれる』ものではなく、『終わりへのタイムリミット』だったんだろ?
1人で迫ってくる恐怖と不安に怯えて
そしてその末考えついた答えが
『死』だったんだね。
そして僕も今、時間が解決してくれないことがあるって自分自身、身をもって感じてるよ…。
涼
あの女の子と出会った次の日の晩、僕は寝付けずにいた。
死ぬ場所
その言葉の意味と
彼女のことを思い出す度に焦がれるようにジリジリと熱くなる胸の痛みが分からなかったから…。
涼
自問自答しても答えなんて分からなくて。
ただベットの上で、彼女の姿と言葉を思い出すことしか出来なかった。
その時、枕元に置いていたスマホが震えた。
母
涼
母
母
涼
母
涼
時計を見ると、深夜0:30を指している。
涼
母
涼
母
母
母
涼
母
それだけ言うと、母は通話を切った。
涼
僕はこんな深夜に出歩いたことなんてない。
行く宛てもない。
涼
一つだけ、思いついた場所があった。
昨日、あの子と出会った海。
時間も全然違うし、居るはずがないって分かってるのに。
もしかしたら、居るかもしれない。
その可能性にかけてみたくなった。
よく分かんないんだけど、会いたいって思ったんだ。
涼
僕はポケットに必要最低限の物だけ入れ、家を出た。
ザザ…ン、ザ…ン…
波の音が心地よくて、吸い込まれそうになる。
涼
そこには、彼女の姿はなく
涼
広い崖の上に、1人僕だけの影が伸びていた。
第一、どうして僕は会いたいなんて思ったんだろう。
……会えば、会いたい理由も分かったのかな?
そんなことを考え、夜空を見上げた。
無数の星が真っ暗な空に広がり、僕を包み込んでいる。
涼
その時
女の子
1人の声が後ろから聞こえ、僕の分だけだった影が、もう1つ増えていた。
涼
女の子
昨日の子だった。
彼女は僕の横まで歩いてきて
女の子
女の子
と、イタズラっぽく笑った。
その瞬間、僕の心臓が今までにない位大きな音をたてた。
女の子
女の子がそう言って平たい岩の上へ座った。
丁度2人分座るスペースがある。
涼
女の子
涼
隣に座ると、フワッと良い香りが鼻を掠めた。
その匂いに思わずクラクラする。
女の子
涼
詩織
詩織
詩織
涼
涼
詩織
涼
詩織
涼
詩織
涼
僕の問いかけに、詩織さんは一瞬とても寂しそうな顔をした。
涼
詩織
詩織
詩織のその言葉を最後に、沈黙が2人を包む。
僕、なにか言ったらいけないこと言ったのか?
気になって詩織の方を見ると、詩織は真っ直ぐと月明かりに照らされた海を見つめていた。
その横顔がとても綺麗で…
儚げで
涼
僕はポツリと呟いていた。
詩織
涼
驚いた顔の詩織と目が合った。
あ、やばい。
これ、見てたのバレたかも…
涼
詩織
小さく笑う詩織。
そして、
涼
静かに重なった唇。
涼
あまりにも一瞬のことで、
でも確かに感触は、唇(そこ)に残っていて…
涼
僕はそう問いかけるしか出来なかった。
詩織
詩織
あまりにも近くに感じる詩織の吐息。
頬を掠める長い髪。
全てがとても魅力的で
涼
思わず僕は詩織を抱きしめていた。
そうか、僕は最初に詩織を見たその時から
好きだったんだ。
声が、見た目が、儚げな雰囲気が…
不確かなものだけど、惹かれていたんだ。
涼
詩織
そう言って詩織は瞳を閉じた。
長いまつ毛が、頬に影を落としている。
涼
再び、唇を重ねた。
今度は詩織の唇の感触、温もりを確かめるようにゆっくり…。
でも、壊れ物に触るように優しく…。
僕は夢中で、目の前の好きな人にキスをした。
何度も、何度も……
涼
気が付くと、目の前には青空が広がっていた。
どうやら昨晩、あのまま寝てしまったようだ。
涼
ふと隣を見ると岩の上に詩織の姿は無かった。
そして、
涼
数メートル先で倒れている詩織の姿を見つけた。
涼
駆け寄ると、詩織は胸を抑えながら倒れていた。
呼吸が荒く、汗もかいている。
涼
詩織
涼
僕は急いでスマホを取り出し、119番に電話をかけた。
遠くから聞こえるサイレンの音が、僕の不安を掻き立てる。
これが、僕が人生で1番好きな人 橘 詩織の 背負っているものを知ることになるきっかけだった。
そして、僕達の恋愛はあまりにも時間が短いということをこの後知ることになる。
あとがき✩.*˚
どうも!かれいらいすです!
2つ連載を書いている中、この話をふと思いついて今タップしてます。笑
ですが、この連載は短期予定なので、次回(長くなりそうだったら+1話)で完結します!
未熟な部分沢山ありますが、温かく読んでくださりますと、幸いです.*・゚
よろしくお願い致します!
かれいらいす