美咲
4時44分44秒
美咲
玄関のドアを3回ノックして
美咲
ご機嫌よう、マリーさんという
美咲
すると、マリーさんが現れて笑いながら
美咲
ある選択を迫るの
美咲
片方は正解、片方は不正解
美咲
正解を選ぶと、願いを叶えてくれる
美咲
不正解を選ぶと
美咲
美咲
その人が次のマリーさんになる
美咲
これね!次取材する都市伝説なの!
ひまり
えー…怖っ!
ひまり
お姉ちゃん、本当オカルト好きだよね笑
ひまり
私は怖くて無理!笑
美咲
えー、楽しいのに
美咲
我ながら、天職だと思いますよ笑
ひまり
でしょうね笑
ひまり
あ、そういえばだけどさ
ひまり
そろそろ帰ってきなよ
ひまり
お母さん心配してるんだから!
美咲
あー…でも仕事が…
ひまり
もー!
ひまり
仕事もいいけど、帰ってきてよね!
美咲
あははは…呆れてる?
ひまり
んーん、そういう所尊敬する!
美咲
なんだって!照れちゃうなぁ…
ひまり
私お姉ちゃん大好きだからね笑
美咲
あ、そろそろ仕事戻んなきゃ
ひまり
あ、もうそんな時間なんだ
美咲
あ、今日帰るよ
ひまり
本当!
美咲
うん!2人の好きなケーキ買って帰る!
ひまり
やったぁ!楽しみに待ってるね!
美咲
じゃあ、また後で
ひまり
また後でね!
ピンポーン…
美咲
すみませーん
美咲
取材を申し込ませていただいた田畑美咲です
海斗
あ…今開けます
無愛想な声がインターホンの奥から聞こえ、扉から大柄で若い男が顔をぬっと出した
海斗
どうぞ…
少しやつれたように見える男は、部屋へと案内をする。
海斗
紅茶とコーヒー、どちらがいいですか?
美咲
あ、お気遣いなく!
海斗
遠慮しないでください
海斗
どうせ僕以外、いないんで。
海斗
雪は、いなくなってしまったから。
悲しそうな顔をして目を伏せる。 すかさず美咲は元気よく答えた。
美咲
あ、そしたらコーヒーでお願いします!!
海斗
わかりました、コーヒーは砂糖とミルクは入れます?
美咲
あ、お願いします!
海斗
どうぞ
テーブルに置かれたコーヒーはとてもいい香りがしていた。
海斗
あの、それで取材ってなに話せばいいのか…
美咲
あ、そうですよね
美咲
では単刀直入に申し上げます
美咲
『ご機嫌いかが、マリーさん』
という都市伝説ご存知ですか?
という都市伝説ご存知ですか?
海斗
都市伝説…?
美咲
はい、最近噂されている…
海斗
あ、あれですか
海斗
知ってます
海斗
雪がよく話してくれてました
美咲
雪さんが…?
海斗
えぇ、あいつ…オカルト好きでしたから
海斗
雪は、すごく好奇心が旺盛でした
海斗
怖いもの知らずというか
海斗
そういうの、すぐ試しちゃうんですよ
海斗
僕は怖がりなんで
そういうのできないんですけどね
そういうのできないんですけどね
美咲
それで、妹さんは試されたんですか?
美咲
『ご機嫌いかが、マリーさん』
海斗
えぇ、試してました
海斗
雪はマリーさんが好物な
生のままの牛肉を用意して
生のままの牛肉を用意して
美咲
マリーさんの好物…!?
海斗
えぇ、雪はマリーさんのこと
海斗
すごく興味を持っていて
海斗
願いを叶えてもらうために
すごく調べていたんです
すごく調べていたんです
海斗
もう、怖いくらいに
美咲
それで…挑まれたんですか?
海斗
えぇ…
海斗
でも、都市伝説では不正解を選ぶと
次のマリーさんになるって…
次のマリーさんになるって…
海斗
雪は誰かに殺されたんですよ
海斗
だって本当にマリーさんがいて
雪が失敗してしまったのなら
雪が失敗してしまったのなら
海斗
雪は…目をくり抜かれて死ぬはずなんてない
美咲
ですが、警察では
誰かが侵入した形跡はないと
誰かが侵入した形跡はないと
海斗
えぇ…そうなんです…そうなんですよ
海斗
おかしいんですよ…
海斗
僕は雪を殺してません
海斗
アリバイだってあるんだ
美咲
存じております
海斗
ねぇ、田畑さん
海斗
田畑さんは、妹いますか?
美咲
え、いますよ…?
海斗
じゃあ、僕の辛さわかりますよね
美咲
はい、わかります
海斗
じゃあ、帰ってください
美咲
え
海斗
都市伝説で遺族を馬鹿にしてるんですよ
海斗
田畑さんは
美咲
いや、そんなつもりは…
海斗
あるんですよ
海斗
ありもしない都市伝説のせいにして
海斗
犯人を見つけるわけじゃない
海斗
…すみませんが、お帰りください
美咲
…申し訳ありませんでした
美咲
失礼します
美咲
もしもし、田畑です
蓮
おぉ、おつかれ
蓮
どうだった?
美咲
それが…
蓮
はぁ!?
蓮
失敗した!?
蓮
ちょっとうまいことやってよー…
美咲
すみません……
蓮
ったく、あ……そういやこの後会うか
美咲
え、なんでですか?
蓮
……話したいことがあるんだ。
美咲
話したいこととは……?
蓮
『ご機嫌いかが、マリーさん』について
蓮
新しい情報が入った
美咲
え、新しい情報!?
美咲
どんなですか!?
蓮
待て待て笑
蓮
資料を見せながら話したいんだ
蓮
……この都市伝説は複雑すぎる
蓮
電話で済ませられるなら済ませたかったんだがな
蓮
今どこにいる?
美咲
今、〇〇駅です
蓮
そうか……じゃあ俺がそこまで行くわ
美咲
え、いいんですか?
蓮
おう
蓮
駅前のファミレスで席取っといてくれ
美咲
わかりました!
美咲
ではまた
蓮
あいよー
美咲
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通話
04:44
美咲
あ、こっちでーす!
海斗
うわっ、大声出すなよ
海斗
恥ずかしいなぁ……
美咲
すみません…笑
美咲
あの、その情報とは……?
蓮
……コーヒーぐらい頼ませろって!
美咲
あ、もう頼みましたよ
美咲
アメリカンコーヒーとショートケーキ
蓮
気が利くじゃないか…
美咲
まぁ……できる女なので笑
蓮
じゃあ早速始めるぞ
美咲
…!
美咲
これは……
蓮
もうだいぶ前からだ
蓮
マリーさんというものが存在したのが
わっと広がる資料のおびただしい数。 年号や日付が細かく書かれていた。
美咲
ですか!最近の噂で不正解を
選んでしまった人は次のマリーさんに
選んでしまった人は次のマリーさんに
蓮
ならないんだよ
蓮
いや……正確には
蓮
体の一部だけが持っていかれる
美咲
……体の一部だけ?
美咲
……雪ちゃん?
脳内をよぎった
海斗







