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あたしはだいぶ体調も良くなり、感染症の心配もあるから自由に動けないけど
病棟内は自由に回ることができて
春乃の病室へは入れないけど、外から見れるから何度も病室へ足を運んだ
春乃はあたしを見ると弱弱しい笑顔を見せるものの、手を上げることも声を出すこともなかった
そして、別れはすぐに来たのだ…
一月下旬
なぜだかわからないけどこの日は目が早くさめた
二度寝しようにも廊下が騒がしい
何だろうと足を運ぶと春乃の病室だった
あゆみ
体が拒絶している
気になるのに、どうしても体が動かない…
あたしに気づいていた看護師さんが、あたしを春乃の元へと連れて行ってくれた
春乃は意識がなくて、医師や看護師が騒がしく動いている
あゆみ
あゆみ
あゆみ
あゆみ
あたしは手を握りしめて春乃にひたすら話しかけた
春乃
あゆみ
春乃の意識が戻ったのだ
あゆみ
あゆみ
あゆみ
春乃
春乃
春乃
春乃
春乃
あゆみ
春乃
春乃
春乃
あゆみ
あゆみ
春乃
春乃
春乃
あゆみ
あゆみ
春乃
春乃
春乃はそう言って、微かに笑った
話したいことはまだたくさんあったのに
伝えたいことがたくさんあるのに
あたしは涙があふれて
春乃
微かに笑いながらあたしに言った春乃に、あたしは今できる精いっぱいの笑顔で微笑んだ
春乃
それから春乃はまた目をつぶって
そのめが開くことはもうなかった
春乃がわらうことはもうなくなった
春乃があたしの名前を呼ぶことはもうなくなった
静かになった病室に
動かなくなった春乃とあたしだけが、取り残された
あたしはベッドに戻ってひたすら泣いた
お昼になってりっちゃん家族が来てくれたけど、楽しめるわけもなくて
かえちゃんたちだけ先に帰って、りっちゃんに慰められていた
いなくなってしまった春乃
唯一の友達だった…いや、親友だった
お互い励まし合って、なんでも言い合えた
弱音を吐いたのは春乃が初めてだった
ねぇ、春乃…
あたしこれからどうしたらいい?
春乃がいなかったらあたし、ずっと弱いままだよ
翌日看護師さんから渡された箱には
‘‘Dear Ayumi From Haruno‘‘
春乃からの贈り物だった
中には2つの封筒と…写真?
一つ目の封筒はあたし宛に 二つ目の封筒は雄太君に
書かれていて、あたしは自分あての封筒を開いた
あゆみ、この手紙を読んでいるってことは私はもういなくなったのかな? あゆみの手術が成功してよかった。本当に。 この先何の問題もなく退院できることを願っています
あゆみ、私の分まで生きてね。 いっぱいいっぱい私の分まで笑って? あゆみの笑顔が好きなの。 あゆみは今まで闘病頑張ってきたんだから、これからはその分まで幸せになって?
いっぱいいっぱいありがとう。最期にあゆみと友達…親友になれてよかった。 あゆみが私に心を開いてくれたとい本当にうれしかった。 初めて会った時のあゆみ目が冷たかったけど、あゆみの目に光がもどって嬉しかった。
私がいなくなっても、もうあんな悲しい目には戻らないでね
あゆみ、大好き。 いっぱい笑って? 約束だよ
ここまで読んであたしは涙があふれてしまった
つらかった
春乃のいない現実を受け止められなかった
春乃がいないこの世界であたしは笑うことなんてできなかった
それとね、あたしの事雄太に伝えて
写真と手紙を雄太に渡してほしい。 私の代わりに謝ってほしいの。 勝手にいなくなってごめんねって。 ずっと大好きって
好きだからこそ言えなかった。 だから雄太に伝えてほしい。 それでもしふたりが仲良くなったら私の家に来てね
大好きな2人が一緒にいてくれたら こんなにうれしいことはないからさ!
雄太の家の住所載せておくから、お願いね。 あゆみ出会えてよかった。 雄太にもそう伝えておいてね
最後の最後までわがままでごめんね。 あゆみの親友 春乃より
あゆみ
あゆみ
あたしはこの時から元気になることを誓い
そして勉強も頑張って日本の学校に行けるように
りっちゃんから聞いたらしく、お母さんとお父さんも駆けつけてくれて
2人も最初はびっくりしていたけど、最終的に応援してくれた
そして高校二年の夏、あたしは日本に帰国した
東雲学園はべんきょうさえできればいいみたいでそれにまあまあ家から近いし
自転車で通えないのはつらいけど、歩くのも体力をつけるためにてことで徒歩通学
通い始めて2日目
まだじろじろ見られたりはするけど、そんなの気にしてられない
なにより、病院の中にいたあたしにとっては学校て言うのが嬉しくて仕方がなかった
転校生のあたしは必然的に窓側に
でも、隣のせきが昨日からずっと開いたまま
その方が楽だけど
クラスメイト
クラスメイト
あゆみ
あゆみ
クラスメイト
あゆみ
あたしはやはり壁を作って、友達ができずにいた
それでもかまわなかった
そんなこんなで長いような、短いような授業も終わり
あたしはまた堀越家に向かった
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