この作品はいかがでしたか?
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桜の花が散る頃には
私たちはもう、新しい世界で生きているのだろう
3月
8時半に、ホワイトボードを見上げたあの日
見慣れた番号を見ながら
私はふと、そう思ったのだ
ここ1年
まるで光の様に、早かったと思う
志望校を変えた、あの時
私の中には、焦りがあった
学歴がものを言う社会だ
逃す訳には、いかなかった
初めての面接
いざとなると、地獄の様だった
私はこんなにもダメなのかと
一時期は、爪をたてることもあった
最後のテストでは、目標点を超え
不安ながらも臨んだ「本番」
手応えはわからなかった
持ち前のパニックを必死に抑えて
その日を終えたことが
もう、昨日の事のようである
そして、「運命の日」
前日は、余命宣告をされたかのように
震え、怯えた
無機質な、チャイムが鳴る
被せられていた布が、サッと取られた
私は目を急いで走らせる
きっと、凄い形相だっただろう
一つ一つの桁を確かめていた
だから、「自分の番号」を見つけた時
ボヤけて、見えずらかったのだろう
少しの間
私は、その意味を確かめる
頭はもう、理解していた
感情は、主要動のように
遅れて、溢れ出した
ここまでの道のりが
報われたのだと、強く、実感した
持ってきてもらったのか
はたまた、持ってきたのか
巣立つ前の雛たちは
その友情を続けようと
スマホを片手に
駆け回っている
私も、記念に交換しておいた
皆が、担任の元へ集まった
最後の、学活で
思い出を語り合い
涙流しながら、笑い合った
「さようなら」
何処までも届くその声は
春の空に、響き渡った
Dear
私
卒業、おめでとう
新しい地でまた、会いましょう
コメント
3件
レーゲンも、桜が咲きました(ˆ꜆ . ̫ . ).ᐟ.ᐟ💮