Ktyちの案内に従って洞窟を歩いていくと、
なんとかMzちとJlくんと合流することができた
Mz
お、2人とも大丈夫そうだな

Mz
良かった、、、

Tg
心配かけてごめんね、Mzたん

Mz
いいんだよ、罠には気をつけろよw

Ak
(MzちはTgちゃんにタメ口なんだよなぁ)

Ak
(どうしてKtyちは敬語を貫いているんだろ、?)

Kty
Tg王子とAkはとても優しいお方ですが、
それを利用してくる悪辣な魔物もいるのでご注意を、、、

Tg
はぁい、、、

Ak
今度から気をつけます、、、

Jl
まあ、優しいのはええところなんやけどなw

Jl
というか、地下五階ってちょっと強い魔物がおったと思うんやけど
Akって強いんやな

Ak
へへ、ありがとう!!

Ak
でもさ、あの罠にハマったからこそ良かったことがあって

Ak
ねぇねぇJlくん

オレはJlくんに呼びかけながら、先ほど魔物を倒した時に拾った
ロケットペンダントを見せた
Ak
無くしたロケットペンダントって、これであってる?

Jl
!!

Jl
見た目は、そっくりやけど、、、

そう言いながらJlくんはオレの手からペンダントを受け取り、
その中身にある写真を確認する
Jl
……。

写真を見たJlくんは瞬く間にその若葉色の瞳を潤ませ、
ポロリと涙をこぼしながらぽつりと呟いた
Jl
これ、オレのロケットペンダントや、、、

Ak
本当!?

Jl
おん!!

Tg
良かった!!

Mz
あーいう獣っぽい魔物はたまにキラキラしたもの
集める性質があるから、もしかしたらそれで持って行かれて
地下五階にあったのかもしれないな

Kty
なるほど!

嬉しそうに目を細めたJlくんは、少し上ずった声音でオレにお礼を言う
Jl
ありがとな、Ak、!

Jl
これ、オレの親友が旅に出る時にくれた
本当に大事なペンダントで、、、

Jl
旅をしている間ずっとお守りみたいに肌身離さずつけてたから、
なくなっとることに気づいた時はすごく辛かったんよ

Jl
見つかって良かった、、、

そう言いながらJlくんはそのペンダントの中に入っている写真を眺めて、
懐かしい過去を慈しむような、色褪せない記憶をそっと覗くような、
そんな優しい表情を浮かべた
Jl
これでオレ、これからも旅頑張れるわ!!

Jl
4人とも、本当にありがとな!!

Ak
どういたしまして!!

Kty
見つかって良かった!!

Mz
今度からは無くさないようにしろよ!!

Tg
……。

オレたち3人がJlくんのペンダントが見つかったことを喜んでいると、
何やら考え事をしているような表情のTgちゃんがJlくんに声をかけた
Tg
あのさ、Jlくん

Jl
どしたん?

Tg
ちょっと気になることがあるんだけど、、、

Jl
なんでも聞いてくれて大丈夫やで?

Tg
Jlくんの、親友ってさ、、、

Jl
うん?

Tg
父上の、こと、、、?

Tgちゃんがそう尋ねると、Jlくんは心底驚いたように
目を見開いて固まる
その表情は、どことなくオレが富も名声も権力もいらないと
言った時の国王陛下の表情と似ていた
Kty
え、父上って、、、

Mz
国王陛下っ!?

Jl
な、なんでわかったん、?

Tg
Jl、って名前を聞いた時から
なんか聞き覚えのある名前だな、って思ってたんだけど

Tg
さっき、写真を見ている時のJlくんの表情がどことなく
昔のこと思い出している父上に似てるな、って感じて

Tg
その時、父上が昔おれに話してくれた親友の名前が
Jlだったなって思い出したんだ

Jl
さすがNnーくんの息子というかなんというか、、、ようわかったな

Ak
え、え、ほんとに国王陛下の親友さんなのっ!?

Mz
え、オレたちタメ口とか平気でしちゃってたけど、、、

Jl
いや、Nnーくんは偉くてもオレはただのしがない国民やから
そこは気にせんでもええで、?

Kty
国王陛下をあだ名で呼ぶ上にTg王子にタメ口で話している方が
しがない国民とは思えないんですけど、、、

Jl
まあまあ、、、

Jl
じゃあ改めて名乗らせてもらうと、、、

Jl
オレの名前がJl、ってのは本当やけど冒険者ってのは嘘でな?

Jl
ほんとは情報屋やっとるんよ

Ak
情報屋、?

Mz
自分が持っている知識や見聞を金とって教える、っていう
いろいろな人たちに必要とされている職業だな

Ak
そんな職業があるんだ、!

Kty
僕も知ってはいるけど本当の情報屋さんは初めて見た、、、

Jl
まあそんな沢山いる職業でもないからなw

Jl
オレは一応貴族出身ではあるんやけど、
ほぼ没落しているようなもんやしそこはあんま気にせんで大丈夫

Jl
Nnーくんをあだ名で呼んどるのは昔陛下って呼んだら
めちゃくちゃキレられたからって理由なんやけど

Jl
Tg王子はついNnーくんと同じ感じで喋ってしもーただけで
別にそこに深い理由はないんよ、、、

Tg
おれはあんまりそういうの気にしないので大丈夫ですっ!

Jl
ありがとな

Jl
で、オレは情報屋で
それなりに大量の情報を所持しとるわけやけど、、、

Jl
なんか欲しい情報とかあったら教えるで?

Ak
!!

Jl
王子がおるってことは、
4人はNnーくんが魔王討伐を頼んだ勇者一行なんやろ?

Jl
オレが大事にしとるペンダントも見つけてもろたし、、、

Jl
お金はとらんから何聞いてもええで?

Ak
え、えっと、、、

Ak
何聞けばいいのかな、?

Mz
オレたちが聞き込みで聞こうとしてたことだな

Mz
何個までなら聞いていいんですか、?

Jl
Nnーくんに不利益になる情報以外なら何個聞いてもええで!

Tg
それじゃあ、魔王に関する情報とか、、、

Jl
魔王Atに関するオレが知る限りの情報ってこと、?

Tg
そーいうことですっ!!

Jl
なるほどな、わかったわ

Jl
とりあえず、魔王の居城である魔王城があるのは北の果て

Mz
!!

Mz
そーなんだ、、、

Jlくんが魔王城の場所を口にすると、
Mzちが一瞬目を見開いた後嬉しそうに微笑んでそう呟いた
Ak
(Mzち、なんかいいことあったのかな、?)

Jl
それで、魔王城にはえらい強力なバリケードが張ってあって

Jl
そのバリケードを破壊しよう思うたら、オーブを3つ集めなあかん

Kty
オーブ、?

Jl
オーブいうのはこの世界のどこかにある
色違いの5つの宝石の総称で、、、

Jl
それぞれが不思議な力を持っとるんよ

Jl
オーブの力にはいろんな種類があって、
例えば赤いオーブならなんでも願い事を叶える、とかやな

Tg
そうなんだ!

Mz
その5つのうちどれか3つを集めなきゃいけないってこと、?

Jl
そういうこと

Ak
組み合わせの条件とかは?

Jl
特にないな、3つ集めればなんでもええらしい

Kty
なるほど、、、

Jl
それで、オレも人間やから5つのオーブのうち1つしか
そのありかの情報は持っとらんくて、、、

Jl
情報屋として情けないんやけど、それでもええ?

Ak
全然大丈夫だよっ!!

Jl
わかった、オレがありかを知っているのは5つのオーブのうちの
青いオーブ、通称ブルーオーブやな

Tg
そのブルーオーブについて詳しく聞いてもいい?

Jl
ええで!!

Jl
そのブルーオーブは、ここから少し西に
進んだところにある森の中のほこらにあるんよ

Jl
ブルーオーブの特別な力は、一番近くにある他のオーブのありかを
教えてくれる、やからあと2つ集める時も役に立つな

Mz
確かに、他のオーブの位置も分かれば残りの2つを見つけるのも
何も情報がないよりはなんとかなりそうだな

Jl
オレが今んとこ話せる情報はこれくらいやけど、、、

Jl
4人の役に立てそ?

Ak
すっごく助かる、ありがと!!

Jl
なら良かったわ

Jl
ロケットペンダントの件、本当にありがとな

Jl
オレは次の目的地に行くからもうお別れやけど、、、

Jl
4人の冒険がうまくいくよう、祈っとるから!!

そう言いながらJlくんは手に持っていたロケットペンダントを
丁寧に布でくるんで自分のカバンにしまい、それを肩にかけて
洞窟の出口に向かってオレたちに背を向ける
Ak
いろいろ情報教えてくれて、ありがとう!!

Jl
こっちこそ、このペンダント見つけてくれてありがとな

Kty
本当に助かりました!!

Jl
Nnーくんが送り出した4人の役に立てたならオレも嬉しいで

Mz
Jlくんも、旅頑張って!!

Jl
そっちもな!!

Jl
あ、そうだTg王子

Tg
?

Jlくんはこちらを振り向いてにこりと大人びた笑顔を浮かべると、
とてもとても優しい声でこう言った
Jl
Nnーくんに、Jlは元気にやっとるよ、って伝えとってもらえる?

Tg
!!

Tg
わかった、

Jl
それと、、、

JlくんがTgちゃんの耳元でこそりと何かをささやくと、
Tgちゃんはその千草色の綺麗な瞳を見開いて硬直する
Tg
え、

Jl
そういうことやから、後悔のないようにな

Tg
は、はい、、、

Jl
それじゃ、4人ともまたどこかで!!

Jlくんは笑いながらオレたちに別れの言葉を告げると、
今度は振り返ることをせずに洞窟の外へ出て行った
Mz
とりあえず、森の中のほこらにあるブルーオーブは
明日探しにいくとして、一旦村に戻るか

Kty
そうだね!

Ak
ふぁー、疲れた、、、

Mz
今日Akは即睡眠コースだなw

Ak
そうかも、、、

オレたちは雑談をしながら村に戻ろうと洞窟の出口に向かって歩いていく
Tg
……。

Kty
Tg王子、?

Tg
あ、今行くよっ!!

Ak
(Tgちゃん、何か考え事してるみたいだけど、、、どうしたのかな)

Ak
(まあ、オレが首を突っ込める話でもないか、、、)
