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主。
主。
⚠️今回はちょっとした掘り下げがあるので、死ネタ要素ありです!!⚠️ (流血等のグロ表現はなく、転生してます。最終回ではハピエンです)
主。
主。
主。
オレが驚きのあまり大きな声をあげると、 Tgちゃんは慌てた様子でこう続ける
Tg
Tg
Ak
Ak
Tg
小さい時から、ずっとKtyのことが好きだったんだ。
Ak
Tg
Tg
Tg
Tg
Ak
Tg
Tg
Ak
Tg
Tg
Tg
Ak
Tg
Tg
Ak
Tg
Tg
Tg
Tg
Ak
Tg
Ak
Ak
Tg
Tg
Ak
オレは今まで見てきた中で一番強くて綺麗な恋心を目にして、 感動して震える気持ちのままにその持ち主の名前を呼びながら ぎゅっとその手を握る
Tg
Ak
Tg
Ak
Ak
Ak
Ak
Tg
Tg
Ak
Tg
そう言って真っ赤になってしまったTgちゃんを見て、 オレはますます彼を応援したくなった
Ak
Tg
顔をりんごみたいに赤くしながらぷんぷん怒っているTgちゃんが なんだか面白くて、オレはあははっ、と声をあげて笑う
そんなオレを見てTgちゃんはしばらく文句を言っていたが、 やがてオレに釣られたのか向こうも笑い始めた
しばらく2人で笑い転げていたが、 壁にかかった時計が示す現在の時刻を見てオレはハッとして Tgちゃんに声をかける
Ak
Tg
Tgちゃんは座っていたオレのベッドからあわあわと降りて、 部屋の出入り口に向かって歩いていく
その扉を開けて廊下に出る時、Tgちゃんは笑顔でこういった
Tg
Ak
Tg
Ak
Tg
Tg
Ak
Tg
Ak
Tg
Tg
Ak
オレがそう付け加えると、Tgちゃんは嬉しそうに笑ったあと、 おやすみ、と言って部屋から出ていった
Ak
Ak
Ak
Ak
Ak
Ak
オレは自分の中でふと浮かび上がった小さな疑問を 心の隅っこに追いやりながら、明日に備えて布団の中で目を閉じた
たまに、遠い遠い前世の記憶を夢に見ることがある
何百年も前、オレが世界征服を夢見ていたあの頃の。
そして、オレの隣であいつが笑っていたあの頃の。
初めて夢を見たのは、6歳の時
オレの両親がもうすぐ魔王が復活する、という世間話をしていて、 “魔王”という単語に何かが引っかかったオレは その晩に生まれて初めてあの夢を見た
その夢がオレに語ったのは、 世界を征服したいと思っていた誰よりも強い魔術師と、 その魔術師が暇つぶしに生み出した人形の話だった。
Mz
オレが自分の思い通りの世界を作ることを夢見ていたあの頃、 オレはほとんど世界征服を終えていて、あとは自分の何よりもの 脅威である勇者とかいう剣士を討つだけ、と言う段階まで来ていた
Mz
早くこの世界を完全に自分のものにしたくて仕方がなかったオレは、 すぐにでも勇者を倒しに行きたかったが、 下手に動くと北の果てにあるこの城を占拠されかねないので 大人しく自分の居城であるそこで待っていたのだ
Mz
Mz
そんなふうにどうやって暇を潰すか考える日々を送っていく中で、 オレはある日唐突に名案を思いついた
Mz
Mz
Mz
自分好みの美女だの可愛らしい息子のような少年だの、 その見た目にはいろいろな候補があったが、やはりあまり気を使わない 同性で同年代の青年の人形にしようと決め、オレはその人形を生み出した
それが、Atだった
At
Mz
Mz
オレは自分のあふれんばかりの魔法の才能を大いに利用して、 生み出した空っぽの人形に命と心を吹き込む
Mz
Mz
その人形の名前をAtと定めたオレは、人形がちゃんと動くかの テストのためにもその名前をよんで人形の肩をトントンと叩く
Mz
At
オレの呼びかけを聞いてパチリと目を開けたAtは、 オレの顔をその色違いの瞳でじぃっと見つめる
At
Mz
Mz
At
At
At
Mz
At
Mz
At
At
Mz
At
Mz
At
その日から、オレは暇な時間はいつもAtと話していた
オレが有能な人形に作ったからなのか彼は物覚えもよく、 どんどん流暢な言葉を話せるように成長していくのが楽しかった
そのうち彼はオレの身の回りの世話までするようになって、 気がついたらとっくのとうにAtがいなければ精神的にも肉体的にも 生きづらい自分になっていた
At
Mz
At
オレがよしよしと自分よりも少し高いその頭を撫でてやると、 彼はとても嬉しそうに目を細めて微笑む
Mz
At
Mz
At
Mz
At
At
そう言って嬉しそうに笑っているAtは、 本当はオレが生み出した人形なんだと忘れるくらい人間らしかった
Mz
Atといるのが楽しくて、オレの隣でこいつが笑っているのが嬉しくて、 オレはずっと夢見ていた世界征服のことをたまに忘れてしまうくらい Atのことが大切になっていた
あの時にはもうすでに自分の思い通りの世界とAtを天秤にかけたら 迷わずにAtのことを選ぶくらい、彼のことが大好きだった
Mz
そんなことを考えていたが、その結末が訪れることはなかった
なぜなら、オレが “強すぎた” から。
ビィーーーーーーーッ!!!!
ある日オレが部屋で休養をとっていると、 城にはりめぐらせていた防犯ブザーが鋭い音を鳴らす
Mz
その音に飛び起きたオレは、何が起きたのか瞬時に理解した
Mz
勇者は誠実でまっすぐな正義の剣士である、という噂を 耳にしたことがあるから、正攻法で来ると思い込んでしまっていた
オレは今まで世界征服に利用してきた自分の頭脳をぐるぐると回転させて、 とりあえず大広間に向かうという選択をとる
Mz
城の大広間にオレが大急ぎで向かうと、そこにはすでに勇者がいた
勇者
その力量を推し量るも、オレの魔法を使えば なんとか討つことはできそうだ
Mz
Mz
そこで口を開こうとした時、 勇者のそばに縄で縛られた誰かがいることに気がつく
At
Mz
泣きそうになっているAtを見て、オレの頭には即座に血が上る
Mz
勇者
勇者
勇者
Mz
オレが低い声で勇者にそういうと、彼はニヤリと噂とは正反対の 性格の悪い笑顔を浮かべて動けないAtの首にその剣先を添えた
勇者
勇者
勇者
勇者
勇者
勇者
Mz
勇者
勇者
勇者
At
At
At
At
Mz
Atにそんなことを言われても、 こいつを倒して世界の全てを手に入れたところで、 Atがいない世界には何の輝きも幸せもありゃしない
オレの中には、その答えなんて一つしかなかった
Mz
オレは覚悟を決めて、自分で自分を破滅させる禁断の魔法を唱えた
勇者
そう言って勇者はAtを手放し、その縄をほどいて逃げられるようにした
縄が解けたAtは、こちらに駆け寄ってくる
At
At
今まで一応Mzはご主人様だから、とオレのことをお前と呼ばなかったAtが、 涙をボロボロこぼしながら初めてオレに向かってお前という
At
At
Mz
Mz
Mz
At
Mz
At
目を見開いて大粒の涙をこぼすAtを視界に入れたが最後、 オレはその意識を手放す
Mz
Mz
この時のオレは、自分が放った最初で最後の命令が 今後Atを何よりもしばりつける鎖になるなんて気づかないまま、 この世界から旅立ったのであった
Mz
見慣れた前世の夢を見て何ともいえない寝起きを迎えながら、 オレは近くに置いてあった服に着替えて冒険の荷物をまとめる
Mz
前代の勇者がクズすぎたというのもあって、 前世は魔王であったオレからしたら勇者というのは 不快極まりない存在だが、不思議とAkには嫌な気持ちを感じない
Mz
国王陛下から命令されたというのもあって、 Akは魔王であるAtを倒すのだろう
オレは、その旅について行ってAtに大切なことを伝えた後、 責任を持ってその壊れた人形を天寿をまっとうするまで 大切に保管するつもりだった
本当はその後を追って自分も壊れた人形と一緒に魔王城で 永遠の眠りにつきたいところだが、 前世で今際の際にAtにああ言った手前そうするわけにはいかなかった
Mz
出発の準備を終えた頃、 今代のお人好し勇者とその仲間たちの元気な声が響く
Ak
Kty
Mz
Tg
Mz
Mz
Kty
Mz
Tg
Ak
Ak
Mz
Mz
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