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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一ヶ月後

和馬は病室のベッドで 涼しい顔をして眠る 姉、愛菜の手をずっと握りしめていた

鳳和馬

姉貴・・・

小原瀬戸香

和馬!

鳳和馬

おぉ!瀬戸香!

鳳和馬

今日も来て
くれたのか?

鳳和馬

いつもいつも
悪いな

小原瀬戸香

何水臭い事
言ってんのよ

小原瀬戸香

彼氏のお姉さんよ?

小原瀬戸香

来るのは当然じゃない!

鳳和馬

あ、あぁ、そうだな

鳳和馬

ありがとう

小原瀬戸香

愛菜さん・・・

小原瀬戸香

いつ目覚めるのかな?

鳳和馬

わからねぇ・・・

鳳和馬

このまま永遠に
目覚めなかったら・・・

小原瀬戸香

ダメよ!和馬!
そんな事言っちゃ!

鳳和馬

だってよ・・・

鳳和馬

もう一ヶ月だぜ・・・

鳳和馬

考えたくも
なるだろ?

小原瀬戸香

大丈夫よ!私が側で
支えてあげるから!

鳳和馬

瀬戸香・・・

小原瀬戸香

決して一人にしないから

小原瀬戸香

その辛さも私が
背負ってあげる

小原瀬戸香

だから和馬・・・
愛菜さんを信じようよ

小原瀬戸香

希望を捨てちゃ
ダメだって

小原瀬戸香

ね?和馬!

鳳和馬

いつも瀬戸香の
その言葉に
救われてるよ

鳳和馬

ありがとうな

小原瀬戸香

ちょ、何よ

小原瀬戸香

いつもそんな事
言わないじゃない!

鳳和馬

いや、いつもはさ
小っ恥ずかしくて
言えてねぇけど

鳳和馬

感謝してんだぜ?

小原瀬戸香

は、恥ずかしいよ・・・

鳳和馬

恥ずかしがってる
瀬戸香も可愛いな

小原瀬戸香

もぅ・・バカ・・

小原瀬戸香

でも・・・

鳳和馬

ん?どうした?

小原瀬戸香

あれから1ヶ月も
経ってるんだね

鳳和馬

あぁ、そうだな

鳳和馬

なんか、昨日の事の
ように思い出すよなぁ

小原瀬戸香

まさか鳥丸が
あんな事になるなんて

鳳和馬

そうだよな・・・

1ヶ月前

天馬、和馬、瀬戸香 慎吾、晴姫の5人は 多岐川の連絡を受けて 警察署に訪れていた

加賀美天馬

崇矢は・・・

加賀美天馬

無事なんですか?

加賀美天馬

生きてるんですか?

多岐川警部

えぇ・・・

多岐川警部

命に別状は
なかったんですが

多岐川警部

意識不明で・・・

加賀美天馬

そ、そんなぁ・・・

多岐川警部

今は警察病院で
医師が必死になって
延命措置を行なっています

加賀美天馬

・・・・・

多岐川警部

本当に申し訳
ありません

体中に包帯が巻かれた多岐川が 深々と頭を下げた

鳳和馬

でも・・・

鳳和馬

突っ込んできた
奴らって誰だったんですか?

多岐川警部

それが・・・

多岐川警部

殺害された
柊美琴さんの両親でした

小原瀬戸香

え・・・

小原瀬戸香

美琴の?

加賀美天馬

美琴さんの・・・

鳳和馬

さっき死んだって
言ってましたよね?

多岐川警部

はい・・・

多岐川警部

ですが、首筋に
刃物で切り裂いたような
切り傷がありましたので

加賀美天馬

え?それって・・

多岐川警部

おそらく自殺
するつもりで

多岐川警部

車での突進という
挙行に及んだのでは
ないかという結論です

加賀美天馬

自殺・・・

多岐川警部

ですので柊さんの
両親というのは

多岐川警部

司法解剖の結果
判明した事実です

加賀美天馬

で、でも・・・

加賀美天馬

なんであの日
あの場所に崇矢が居るって

加賀美天馬

美琴さんの両親は
知ってたんですか?

多岐川警部

わかりません・・・

多岐川警部

自分たちで
しらべて来たのか

多岐川警部

誰かに教えられたのか

多岐川警部

二人が亡くなった今
知る術はありません

小原瀬戸香

・・・・・

加賀美天馬

あの・・・

加賀美天馬

さっきから
満谷さんの姿が
見えないんですが・・

加賀美天馬

どうなったんですか?

多岐川警部

彼の怪我は
思いのほか軽症で

多岐川警部

今は休暇をもらって
療養してます

加賀美天馬

あ、そうだったんですね

加賀美天馬

よかった・・・

多岐川警部

このような事態に
なってしまい

多岐川警部

本当に申し訳ありません

多岐川が 深々と頭を下げた

加賀美天馬

ちょ、多岐川さん

多岐川警部

容疑者護送中に
こんな事になってしまうとは

多岐川警部

我々の不徳の
致すところです

多岐川警部

警察にあるまじき
失態と言えざるを得ません

多岐川警部

本当に
申し訳ありません

加賀美天馬

・・・・・

鳳和馬

鳥丸・・・

鳳和馬

まさかこんな結果に
なっちまうなんてな

小原瀬戸香

そうよね・・・

鳳和馬

なんか
やりきれねぇ結果だよな

小原瀬戸香

そうね・・・

鳳和馬

鳥丸が目覚めるまでは

鳳和馬

刑も確定できねぇって
多岐川さん言ってたよな?

小原瀬戸香

うん・・・

鳳和馬

この事件が
解決するのは

鳳和馬

いつに
なるんだろうな・・・

小原瀬戸香

和馬・・・

鳳和馬

姉貴にいい報告
したかったんだけどな

鳳和馬

ごめんな姉貴・・・

鳳和馬

もうすこし
待ってくれな?

和馬は愛菜の手を 両手で優しく包み込む

そんな椅子に座る和馬を 瀬戸香は背後から優しく抱きしめる

小原瀬戸香

大丈夫よ・・・

小原瀬戸香

私が一緒に
居てあげるから

小原瀬戸香

支えてあげるから

鳳和馬

ありがとう・・・

鳳和馬

瀬戸香・・・

ガラガラ

加賀美天馬

失礼しま〜す

加賀美天馬

あの、愛菜さんの様子は・・

加賀美天馬

!!!!!

天馬は抱き合っている 和馬と瀬戸香を見ると 申し訳なさそうに 後ろを向いた

鳳和馬

あ・・天馬くん・・

加賀美天馬

あ、ごめんなさい

加賀美天馬

あ、えっと・・

加賀美天馬

出直そうか?

小原瀬戸香

い、いえ、こっちこそ
ごめんなさい

加賀美天馬

あ、いや・・・

加賀美天馬

そんな・・・

鳳和馬

天馬くんも悪いな

鳳和馬

いつも来て
もらっちまって

加賀美天馬

愛菜さんは俺の
大切な上司だから

加賀美天馬

来るのは当たり前だよ

鳳和馬

ありがとう

鳳和馬

姉貴も多分
喜んでると思う

加賀美天馬

だといいけど・・

鳳和馬

天馬くんは
大丈夫なのか?

鳳和馬

鳥丸がなんな事に
なっちまって

鳳和馬

辛いだろ?

加賀美天馬

いや、そんな・・・

加賀美天馬

和馬くんたち前で
そんな事言えないって

加賀美天馬

俺にとっては
崇矢は恋人だけど

加賀美天馬

みんなからしたら
崇矢は美琴さんを殺して

加賀美天馬

愛菜さんを襲った
凶悪犯なんだし

加賀美天馬

そんな話するの
申し訳ないよ・・・

鳳和馬

天馬くんが
謝る事ねぇって

鳳和馬

な?瀬戸香

小原瀬戸香

そうよ

小原瀬戸香

天馬くんはそんな事
思う必要ないよ?

加賀美天馬

優しくいんだな・・

加賀美天馬

みんな・・・

鳳和馬

たしかに美琴を
殺した事は許せねぇ

鳳和馬

これから先も
この気持ちは変わらねぇ

鳳和馬

けど・・・

鳳和馬

それは天馬くんの
せいじゃねぇんだし!

加賀美天馬

ありがとう・・・

鳳和馬

でも鳥丸には
驚いたよな

加賀美天馬

う、うん・・・

鳳和馬

天馬くも鳥丸からは
聞かされてなかったんだよな?

加賀美天馬

うん・・・

加賀美天馬

刑事さんから話を
聞かされるまでは

加賀美天馬

何も知らなかったよ

小原瀬戸香

両親は既に他界してて
会社も売られてたなんて

鳳和馬

警察の話じゃ
その会社を売って

鳳和馬

うん千万の遺産得た
って言ってたな

加賀美天馬

崇矢のお金の事情は
あまりわからないなぁ

加賀美天馬

崇矢はお金の話
あまりしてなかったから

鳳和馬

でもなんで
黙ってたんだろうな?

加賀美天馬

話してくれれば・・・

小原瀬戸香

嫌われると
思ったんじゃない?

小原瀬戸香

天馬くんに

加賀美天馬

崇矢・・・

鳳和馬

まぁ、それもそっか

鳳和馬

いずれ親父の会社を
継ぐって話が嘘で

鳳和馬

じつは仕事せずに
遺産で生活してたなんて

鳳和馬

恋人にゃ
知られたくねぇわな

加賀美天馬

・・・・・

小原瀬戸香

まぁ、もっとも
鳥丸が意識不明の今は

小原瀬戸香

真意は定かじゃ
ないけどね

鳳和馬

そういえば天馬くん

加賀美天馬

なに?

鳳和馬

その・・・

鳳和馬

天馬くんの職場ってさ

鳳和馬

高卒でも雇って
くれんのかな?

加賀美天馬

いやぁ、どうだろ

加賀美天馬

人事に関しては
全くわからないから

鳳和馬

そっか・・・

加賀美天馬

でもどうしたの?

小原瀬戸香

なによ和馬

小原瀬戸香

ついに真面目に
就職する気になった?

鳳和馬

「ついに」は余計だろ!

小原瀬戸香

はいはい
ごめんなさいね〜

鳳和馬

いやぁ、さぁ

鳳和馬

姉貴がこんな状態だろ?

鳳和馬

この先、姉貴が
いつ目覚めるか
わからねぇけどさ

鳳和馬

目覚めた時、俺が
未だにニートだったらさ

鳳和馬

なんか・・その・・

鳳和馬

生活がさ・・・

加賀美天馬

あぁ!愛菜さんのため?

鳳和馬

あぁ・・・

鳳和馬

姉貴が目覚めた時に
楽させてやりたいからさ

鳳和馬

今のうちに働いて
金・・貯めときたいんだ

小原瀬戸香

和馬・・・

鳳和馬

俺さ・・・

鳳和馬

ガキん頃に両親が
二人とも
交通事故で死んでさ

加賀美天馬

あ、そうだったんだ

加賀美天馬

辛かったね・・・

鳳和馬

あぁ・・・

鳳和馬

そんな俺のために
姉貴は俺の親代わりとして

鳳和馬

ずっと一緒に
寄り添ってくれてたんだ

加賀美天馬

そうだったんだ

鳳和馬

なのに、俺って奴は
さんざん姉貴に
迷惑かけっぱなしでさ

鳳和馬

最低な事を姉貴に
言った事もあるんだ

鳳和馬

まぁ、反抗期だったのかな?

加賀美天馬

和馬くん・・・

鳳和馬

そんな姉貴にさ・・

鳳和馬

なんの恩返しも
できてねぇんだよ

鳳和馬

だからさ、俺・・・

鳳和馬

姉貴のこと好きだからさ

鳳和馬

あ、恋愛感情じゃねぇよ?

加賀美天馬

ははは

加賀美天馬

わかってるよww

小原瀬戸香

和馬、心配しすぎ

鳳和馬

いや、瀬戸香が
ヤキモチやくかなぁ?
と思って

小原瀬戸香

やく訳ないじゃん

小原瀬戸香

和馬が愛菜さんの事
好きなのは昔から知ってるし

鳳和馬

ははは、そうだよな

鳳和馬

そんな姉貴のために
できる事をやりたいんだ

加賀美天馬

なら、課長に
聞いてみるよ

鳳和馬

いや、でも、天馬くんに
そんな事させる訳には

加賀美天馬

いいんだよ

加賀美天馬

みんなには
迷惑かけたし

加賀美天馬

これで罪滅ぼしに
なるなんて
思ってないけど

鳳和馬

罪滅ぼしって・・

加賀美天馬

俺にも協力
させてほしいんだ

加賀美天馬

だめ・・かな?

鳳和馬

ありがとう・・・

鳳和馬

助かるよ・・・

それからしばらく 天馬、和馬、瀬戸香は 愛菜の病室で談笑していた

加賀美天馬

じゃ、じゃあ俺は
そろそろ帰るよ

加賀美天馬

二人の邪魔
しちゃ悪いしね

鳳和馬

いや、そんな・・・

加賀美天馬

いや、いいんだよ

加賀美天馬

二人でゆっくりしてて

鳳和馬

今日はありがとうな

加賀美天馬

あ、そういえば

加賀美天馬

あとから慎吾くんと
晴姫さんもお見舞いに
来るって言ってたよ

鳳和馬

あいつら・・・

加賀美天馬

じゃあ、行くね

鳳和馬

あぁ・・・

鳳和馬

今日は来てくれて
ありがとう

鳳和馬

あ、後さ

加賀美天馬

なに?

鳳和馬

天馬くんが
迷惑じゃなかったら

鳳和馬

また姉貴の見舞いに
来てやってくんねぇか?

鳳和馬

姉貴も喜ぶと思うし

加賀美天馬

うん!そのつもりだよ

鳳和馬

ありがとう

小原瀬戸香

ねぇ、和馬?

鳳和馬

ん?

小原瀬戸香

私たちさ・・・

小原瀬戸香

その・・・

鳳和馬

なんだよ

小原瀬戸香

一緒に住まないかなぁ
なんて・・・

鳳和馬

え?一緒に?

小原瀬戸香

いや、ほら、さっき

小原瀬戸香

愛菜さんの為に
働きたいって
言ってたでしょ?

鳳和馬

あぁ・・・

小原瀬戸香

それ・・・
私も協力したいのよ

鳳和馬

瀬戸香・・・

小原瀬戸香

私たち二人で
寄り添って頑張ろ?

小原瀬戸香

ね?

鳳和馬

ぐす・・・

小原瀬戸香

ちょ、何泣いてんの?

鳳和馬

いや、嬉しくてさ

鳳和馬

瀬戸香・・・

鳳和馬

ありがとう

小原瀬戸香

当たり前じゃない

小原瀬戸香

和馬は恋人なんだし

小原瀬戸香

愛菜さんは私にとっても
大切な人なんだから

小原瀬戸香

ね?

鳳和馬

あぁ・・・

小原瀬戸香

じゃあ、私も行くね

鳳和馬

あぁ・・・

小原瀬戸香

今日は何時くらいに
来れそう?

鳳和馬

あぁ、そうだな

鳳和馬

20時までには
家に行くよ

小原瀬戸香

わかった

小原瀬戸香

待ってるね♫

鳳和馬

あぁ・・・

瀬戸香 自宅

小原瀬戸香

・・・・・

小原瀬戸香

ふふ・・・

小原瀬戸香

ふふふ・・・

小原瀬戸香

全てうまく行ったわ・・・

小原瀬戸香

これで和馬は
私のもの・・・

小原瀬戸香

美琴の両親もバカよね

小原瀬戸香

本当にパトカーに
突っ込むなんて

小原瀬戸香

子も子なら
親も親ってヤツか・・・

小原瀬戸香

結局、馬鹿からは
馬鹿しか産まれないのよね

時間は一ヶ月前に遡り 病院にて瀬戸香が 作戦を話した直後

鳳和馬

よし!ならさっさと
やっちまおう!

小原瀬戸香

あ、ごめんその前に

鳳和馬

なんだよ!

小原瀬戸香

ちょっと
電話してくる

鳳和馬

なんだよ
このタイミングで

小原瀬戸香

ごめん

小原瀬戸香

すぐ終わるから

鳳和馬

早く済ませろよ

小原瀬戸香

わかってるって

小原瀬戸香

たしか・・・

小原瀬戸香

ここに公衆電話が・・

小原瀬戸香

あった!

小原瀬戸香

えっと美琴の
実家の番号は・・

小原瀬戸香

えっと・・・

小原瀬戸香

あったあった

プルルルル

柊美麗

はい?もしもし?

小原瀬戸香

柊さんのお宅ですか?

柊美麗

はい、そうですけど

小原瀬戸香

私は・・・

小原瀬戸香

あなたの娘・・柊美琴を
殺害した犯人を知っています

柊美麗

え?

小原瀬戸香

私は美琴さん殺害の
犯人の正体を知っています

柊美麗

あの・・・

柊美麗

何を言ってるんですか?

小原瀬戸香

私はあなた方に・・

小原瀬戸香

その犯人居場所を
お教えしたいと
思っているんですよ

柊美麗

なんのイタズラ?

柊美麗

イタズラなら
やめて下さいっ!

柊美麗

迷惑ですからっ!

柊誠司

どうした?
そんな声を荒げて

柊誠司

なんかあったか?

柊美麗

あなた・・・

柊美麗

なんか、電話の相手が
私達に美琴を殺した犯人の
居場所を教えるなんて
言ってるのよ!

柊誠司

なに?

柊誠司

ちょっと変わりなさい

柊美麗

あ、ちょ、あなた!

柊美麗

こんなの無視
すればいいじゃない!

柊誠司

いいから変われ!

柊美麗

わ、わかったわ・・

柊誠司

もしもし?

小原瀬戸香

もしもし・・・

柊誠司

なんのイタズラだ!

柊誠司

ふざけるなよ!

柊誠司

美琴の犯人なんて・・

小原瀬戸香

その犯人は

小原瀬戸香

今日・・・

小原瀬戸香

警察の手によって
逮捕されるでしょう

柊誠司

なんの根拠があって
そんなデタラメを

小原瀬戸香

信じないのは
結構な事ですよ?

小原瀬戸香

しかし、後日警察から
報告の電話があるでしょうね

小原瀬戸香

娘さんを殺した犯人を
逮捕したと・・・

柊誠司

・・・・・

小原瀬戸香

また、ニュースでも
報道されるでしょう

柊誠司

・・・・・

小原瀬戸香

このまま犯人の身柄を
警察に渡していいんですか?

小原瀬戸香

警察に捕まってしまえば
復讐できなくなりますよ?

小原瀬戸香

それでいいんですか?

柊誠司

しかし・・・

柊誠司

法のもとで裁きを・・・

小原瀬戸香

本当にそれであなた方は
満足なんですか?

小原瀬戸香

それで美琴さんが
報われるんですか?

柊誠司

それは・・・

小原瀬戸香

警察に捕まっても
10年足らずで
犯人は社会復帰・・・

柊誠司

・・・・・・

小原瀬戸香

おかしいと思いませんか?

小原瀬戸香

これじゃあ・・・

小原瀬戸香

あまりにも美琴さんが
浮かばれないわ

柊誠司

く・・・

小原瀬戸香

娘を殺しておきながら

小原瀬戸香

犯人が社会復帰して
のうのうと生きているなんて
おかしいと思いません?

柊誠司

そ、それは・・・

小原瀬戸香

分かりますよ・・・

小原瀬戸香

あなた方の気持ちは
痛いほど分かります

小原瀬戸香

ですから私は
あなた方に

小原瀬戸香

復讐をするチャンスを
与えてあげてるんです

柊誠司

チャンスを・・・

小原瀬戸香

この復讐は・・・

小原瀬戸香

美琴さんへの弔い・・・

小原瀬戸香

手向けになるんですよ・・・

柊誠司

し、しかし・・・

小原瀬戸香

あっ、そうですか・・・

小原瀬戸香

信じないなら
仕方がありませんね・・

小原瀬戸香

大事な娘を殺した犯人が

小原瀬戸香

のうのうと生きている
未来を受け入れるんですね・・・

小原瀬戸香

それなら致し方
ありません・・・

小原瀬戸香

今回はご縁が
無かったという事で・・

小原瀬戸香

では!失礼します

柊誠司

ま、待ってくれ

小原瀬戸香

どうかされました?

柊誠司

ほ、本当なんだな?

小原瀬戸香

・・・・・

柊誠司

娘を殺した犯人を
知っているというのは

柊誠司

本当なんだな?

小原瀬戸香

・・・・・

小原瀬戸香

ええ!本当です!

柊美麗

ちょっと!あなた!

柊美麗

まさかそんな話を・・

柊誠司

お前は黙ってなさい

柊美麗

だって・・・

柊誠司

お前は犯人が
憎くないのか?

柊美麗

それは・・・

柊誠司

この人の言う通りだ!

小原瀬戸香

・・・・・

柊誠司

犯人が刑期を終えて
社会復帰なんて

柊誠司

そんなの間違ってる!

柊誠司

美琴を殺した
犯人なんだぞ?

柊美麗

あ、あなた・・・

柊誠司

教えてください!

柊誠司

美琴を殺した
犯人の居場所を

小原瀬戸香

わかりました

小原瀬戸香

教えましょう・・・

柊誠司

・・・・・

柊誠司

そこに行けば
犯人はいるんですね?

小原瀬戸香

はい・・・

柊誠司

わかりました・・・

小原瀬戸香

しかしその時・・・
犯人はパトカーに
乗っているでしょうね

柊誠司

パ、パトカー?

小原瀬戸香

はい・・・

小原瀬戸香

そうなれば
復讐をするのは困難

小原瀬戸香

なんせ警官に護られて
いるわけですから

柊誠司

じゃ、じゃあ
我々はどうすれば?

小原瀬戸香

そんなの簡単です

柊誠司

え・・・

小原瀬戸香

車で突っ込めば
いいんですよ

柊誠司

!!!!!!

柊誠司

く、車で?

柊誠司

な、なにを言って・・・

柊誠司

そんな事したら

柊誠司

我々まで・・・

小原瀬戸香

あらあら・・・

小原瀬戸香

あなた方の復讐を
したいという気持ちは

小原瀬戸香

その程度なんですか?

柊誠司

い、いや・・・

小原瀬戸香

自分たちは無事で
犯人だけ死ねばいい

小原瀬戸香

そう思ってるんですか?

柊誠司

・・・・・・

小原瀬戸香

それはいささか
都合がよくありません?

小原瀬戸香

犠牲なしに復讐なんて

小原瀬戸香

出来るわけありませんよね?

小原瀬戸香

何かの犠牲なしに
何かを得ようなんて

小原瀬戸香

随分と都合がいい
考えをお持ちですね?

柊誠司

・・・・・

小原瀬戸香

自らの命を差し出す
覚悟を持って初めて

小原瀬戸香

復讐は成立
するんですよ?

柊誠司

・・・・・

小原瀬戸香

どうします?

小原瀬戸香

やるんですか?

小原瀬戸香

やらないんですか?

柊誠司

・・・・・

小原瀬戸香

やると仰るなら

小原瀬戸香

私は協力は惜しみません

柊誠司

・・・・・

小原瀬戸香

どうされますか?

柊誠司

やる・・・

柊誠司

やってやる!

柊誠司

美琴の仇討ちが
できるなら

柊誠司

命なんていらない!

小原瀬戸香

そう!そうです!

小原瀬戸香

その意気ですよ!

小原瀬戸香

それでこそ復讐です

小原瀬戸香

きっと・・・

小原瀬戸香

天国の美琴さんも
喜んでらっしゃいますよ

柊誠司

ありがとうございます

柊誠司

どなたか
存じ上げませんが

柊誠司

これで・・・

柊誠司

やっと・・・

柊誠司

やっと・・・

柊誠司

娘の無念を晴らせます

柊誠司

ありがとう

柊誠司

本当にありがとう

小原瀬戸香

どういたしまして

小原瀬戸香

では、私は失礼します

柊誠司

あ、あの、最後に
お名前を・・・

小原瀬戸香

名乗るほどの
ものじゃりませんわ

小原瀬戸香

では、あなた方の
復讐が成功する事を

小原瀬戸香

心よりお祈り
いたしております

柊誠司

はい!

柊誠司

ありがとうございます

小原瀬戸香

では失礼します

小原瀬戸香

・・・・・

小原瀬戸香

ふふふ・・・

小原瀬戸香

バカな奴ら・・・

小原瀬戸香

これで鳥丸も
無事じゃ済まないはず

鳳和馬

ったく瀬戸香の奴

小原瀬戸香

ごめん

小原瀬戸香

今終わったわ

鳳和馬

ったく
緊張感ねぇな

小原瀬戸香

ごめんってば

鳳和馬

なら行こうか

小原瀬戸香

うん・・・

小原瀬戸香

これで邪魔者は
全て消えたわ

小原瀬戸香

これからは
和馬と寄り添って・・・

小原瀬戸香

あはははは

小原瀬戸香

実に気分いいわ

小原瀬戸香

最高よ!

小原瀬戸香

邪魔な美琴は死んで

小原瀬戸香

鳥丸も意識不明

小原瀬戸香

美琴の両親も
パトカーに特攻して即死

小原瀬戸香

私の邪魔をする奴は
一人残らず

小原瀬戸香

私の前から
消えてくれた

小原瀬戸香

本当に気分いいわ

小原瀬戸香

でも天馬くんが
鳥丸を許したことは
予想外だったなぁ

小原瀬戸香

わざと、天馬くんから
見える位置に

小原瀬戸香

事前にナイフを仕込んで

小原瀬戸香

天馬くんに鳥丸を
殺させる予定だったのに

小原瀬戸香

天馬くんが逆上して
鳥丸を殺す筈だったのに

小原瀬戸香

これは私の
リサーチ不足ね

小原瀬戸香

もっと天馬くんについて
調べておくべきだったわ

小原瀬戸香

まぁ、天馬くんの
鳥丸への愛は
本物だったって事ね♫

小原瀬戸香

鳥丸は意識不明で
死んだも同然なんだし

小原瀬戸香

まぁ、もしもの
場合に備えて

小原瀬戸香

美琴の両親の
復讐心を煽っていて
正解だったわ

小原瀬戸香

天馬くんの作戦が
失敗に終わった事を想定して

小原瀬戸香

美琴の両親に
連絡しといて良かった♫

小原瀬戸香

これで真相を知る人間は
誰一人居ない

小原瀬戸香

あ♫和馬♫

小原瀬戸香

待ったてたわ♫

鳳和馬

なんかやけに
上機嫌だな?瀬戸香

小原瀬戸香

そうかな?

鳳和馬

そんなに俺に
会いたかったか?

小原瀬戸香

そりゃそうだよ

小原瀬戸香

私は和馬を
愛してるからね♫

鳳和馬

な、なんか
照れちまうな

小原瀬戸香

ねぇ・・・

小原瀬戸香

和馬・・・

鳳和馬

ん?どうした?

小原瀬戸香

私・・・

小原瀬戸香

我慢できない・・・

鳳和馬

え・・・

鳳和馬

ちょ、瀬戸香・・・

鳳和馬

急すぎねぇか?

小原瀬戸香

和馬・・・

鳳和馬

どうした?

小原瀬戸香

私を抱いて・・・

鳳和馬

え・・・

小原瀬戸香

和馬が欲しいの・・・

小原瀬戸香

和馬の全てが欲しい

鳳和馬

瀬戸香・・・

夜の寝室

月明かりだけが 二人を照らしている

鳳和馬

本当に・・・

鳳和馬

いいのか?

小原瀬戸香

うん・・・

小原瀬戸香

来て・・・

鳳和馬

わかった・・・

和馬は瀬戸香のブラを 乱雑にひっぺがすと そのまま柔らかい舌で 瀬戸香の乳首を激しく触る

小原瀬戸香

あぅン…ヤぁ…んッ

小原瀬戸香

あ…はっ…あぁ

小原瀬戸香

もっと…優しく…あんっ///

鳳和馬

無理だ・・・

鳳和馬

瀬戸香が…可愛すぎて

鳳和馬

優しくなんて
出来そうもねぇ・・・

小原瀬戸香

和馬…私…嬉しいよ…

鳳和馬

瀬戸香・・・

鳳和馬

好きだぞ・・・

小原瀬戸香

ふあっ…あん…あはぁんっ

小原瀬戸香

もっと…もっと言って

鳳和馬

ああ!何度だって
言ってやるよ

鳳和馬

好きだ・・・

鳳和馬

愛してるよ・・・

小原瀬戸香

ああっ、い、んん…っ

小原瀬戸香

凄く…凄くいい…

小原瀬戸香

私…嬉しい…

鳳和馬

俺・・もう・・・

鳳和馬

我慢できねぇ・・・

小原瀬戸香

あ!もう、こんなに
硬くなってるの?

小原瀬戸香

もぅ、パンパン・・

鳳和馬

だって
しょうがねぇだろ

鳳和馬

瀬戸香がそんな・・
エロい声出すから・・・

小原瀬戸香

う、うん・・・

小原瀬戸香

そう・・だね・・

小原瀬戸香

私も・・我慢できない

小原瀬戸香

入れて・・・

鳳和馬

あぁ・・

そういうと和馬は 不慣れた手つきで 避妊具を装着しようとする

しかし・・・

瀬戸香はそれを拒否した

小原瀬戸香

だ、だめ・・・

小原瀬戸香

付けないで・・・

鳳和馬

え?だって・・・

鳳和馬

付けなかったら・・・

小原瀬戸香

言ったでしょ?

小原瀬戸香

私は和馬の
全てが欲しいって

鳳和馬

瀬戸香・・・

小原瀬戸香

そのまま…して…

小原瀬戸香

そして・・・

小原瀬戸香

中に出して欲しい・・・

鳳和馬

瀬戸香・・・

小原瀬戸香

和馬の赤ちゃん・・

小原瀬戸香

欲しいの・・・

鳳和馬

わ、わかった・・・

和馬は窓から差し込む 強烈な朝日で目を覚ました

鳳和馬

う・・・

鳳和馬

うー・・・ん

鳳和馬

も、もう朝か・・・

小原瀬戸香

あ♫和馬♫

小原瀬戸香

起きた?

鳳和馬

あ、あぁ、瀬戸香

鳳和馬

おはよう・・・

小原瀬戸香

おはよ❤️

瀬戸香は和馬の唇に 優しくキスをする

小原瀬戸香

和馬・・・

鳳和馬

ん?どうした?

小原瀬戸香

昨日は・・・
気持ちよかったよ❤️

鳳和馬

ちょ、馬鹿

鳳和馬

何言ってんだよ
朝っぱらから!

小原瀬戸香

すんごく良かった❤️

鳳和馬

や、やめてくれよ

鳳和馬

恥ずかしすぎて死ぬ

小原瀬戸香

ふふふ、照れてるの?

小原瀬戸香

そんな和馬も
大好きだよ

鳳和馬

もう、やめてくれって

小原瀬戸香

あ、そうだ!

鳳和馬

ん?

小原瀬戸香

今日も愛菜さんの
お見舞いに行くんでしょ?

鳳和馬

あぁ、そのつもり

小原瀬戸香

私も一緒に行くから♫

小原瀬戸香

ね?

鳳和馬

いつも悪いな

小原瀬戸香

何言ってるのよ

小原瀬戸香

当たり前でしょ

小原瀬戸香

私は和馬を・・・

小原瀬戸香

誰にも渡したくないくらいに

小原瀬戸香

狂おしいくらいに

小原瀬戸香

愛してるんだから

小原瀬戸香

ね?

鳳和馬

あぁ・・・

鳳和馬

俺も愛してるよ

小原瀬戸香

ふふふ、嬉しい❤️

鳳和馬

瀬戸香・・・

小原瀬戸香

さ!和馬!

小原瀬戸香

顔、洗ってきて

小原瀬戸香

二人でお見舞い行こ❤️

鳳和馬

ああ!

END

この作品はいかがでしたか?

250

コメント

9

ユーザー

遅くなってしまいましたが、2部、読ませて頂きました😳。 この人とあの人にそんな繋がりが…!と新しい発見の連続でした😳。そして後編は「まさか」の連続で、一気に読了しました! 瀬戸日さん、策士ですね…😨 前作でもそうでしたが、何とも言えない読後感でクセになりそうです👏👏✨

ユーザー

瀬戸香ーッ!!!そして最後、天馬くんがかわいそうだった…。連載お疲れ様でした!とっても読んでて面白かったです!

ユーザー
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