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名無しさん

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#だてこじ
Shota
165
楪羽*yuzuriha*
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康二
目黒より一足早く帰宅した康二は、玄関の鍵を閉めると、胸の奥に冷たい塊を抱えたままリビングへと進んだ。 カバンの中には、あの局の楽屋で見つけた『白い封筒』が入っている。 いつもなら、仕事のカバンはリビングの所定の位置にポンと置く。 だけど、もし目黒が何気なくカバンを開けて、あの美しい文字で書かれた悪意を見てしまったら――。 そう思うと、恐怖で心臓がバクバクと暴れた。 (めめに見つかったらあかん。絶対に、隠し通さなあかん……) 康二はカバンのファスナーを大きく開き、その一番奥底にある、普段は使っていない小さな黒いポーチを引っ張り出した。 その中に、あの白い手紙を折り畳んで押し込む。 ファスナーをきっちりと閉め、再びカバンの底の荷物の隙間に沈めた。 いつも持ち歩くカバンの中に、あの悪意が潜んでいる。 それだけで、背筋に冷たい汗が伝うようだった。
康二
気持ちを切り替えるように自分の両頬をパンと叩き、キッチンに立つ。 大好きな恋人のために料理をする時間は、本来なら康二にとって一番幸せな時間のはずだった。 コンロに火をつけ、慣れた手つきでフライパンを握る。 だけど、静かなキッチンに食材の焼ける音が響き始めた瞬間、またあの文字が脳裏にぬらりと這い出てきた。 『目黒くんにベタベタしすぎではありませんか?』 『目黒くんも少し迷惑そうな顔をしていましたよ』 (俺、ほんまにめめの邪魔になってたんかな……。5年間もずっと、めめは優しいから、嫌って言えんかっただけやったら、どうしよう……) 包丁を持つ手が止まる。 あの日交わした「仕事の足を引っ張らない」という約束。 熱愛報道の寂しさに負けて、自分はめめの、そしてグループのプロとしてのプロ意識を汚していたのかもしれない。
康二
不意に鼻を突いた強烈な焦げ臭さに、康二はハッと我に返った。
康二
慌てて火を止めたが、時すでに遅かった。 フライパンの中の料理は、いつもなら絶妙な火加減で仕上げるはずの美しい色を失い、無惨に真っ黒に焦げ付いていた。 料理を始めてから今まで、こんな初歩的な失敗、一度だってしたことがないのに。
康二
トングを握ったまま、キッチンの床にへたり込みそうになった、その時だった。 カチャリ、と玄関の鍵が開く音が、静かな部屋にやけに大きく響いた。
蓮
愛しい恋人の、低くて温かい声。いつもなら「めめお帰りー!」と玄関まで走っていくはずの足が、今はどうしても動かなかった。
蓮
リビングに入ってきた目黒は、部屋に漂う煙に気づいてパタパタと手で空気を仰いだ。 そして、キッチンで黒焦げのフライパンを前に立ち尽くしている康二の背中を見つけ、不思議そうに歩み寄ってくる。
康二
蓮
目黒は心配そうに顔を覗き込み、康二の肩にぽんと手を置こうとした。 その瞬間。
康二
康二は弾かれたように叫び、目黒の手を拒絶するように一歩、大きく身を引いてしまった。 キッチンのカウンターに背中がぶつかり、鈍い音が響く。 差し出されたまま、行き場を失って空を切った目黒の手。 目黒の真っ直ぐな瞳が、見たこともないようなショックと違和感で、大きく揺れていた。
蓮
康二
康二は慌てて引きつった笑顔を作り、手をパタパタと振った。
康二
蓮
目黒は釈然としない表情のまま、ゆっくりと手を下ろし、寝室へと向かった。 その背中を見送りながら、康二はぎゅっと胸元を掴む。 めめを傷つけたいわけじゃない。 だけど、手紙の『見苦しい』という言葉が、康二の手足を縛り付けて離さなかった。
コメント
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**第2話、読んだわ!** 康二の心情描写がめちゃくちゃリアルで、胸がぎゅっとなった……。「めめに見つかったらあかん」って必死に隠す姿と、普段なら絶対しない料理の失敗が、どれだけ康二が追い詰められてるかを物語ってて切なかった。それに気づかないふりして優しく接する目黒の「大丈夫?」も沁みる。 あの手紙の主は誰なんだろう。続きが気になる!🔥