私はいつもひとりぼっちだった。
だが私は決していじめられていた訳ではない。
A奈
雫〜...宿題分かんなーい‼︎
水鏡
ええー?ここ今日の授業でやったところじゃん‼︎
A奈
爆睡してたわww
B乃
てか、その宿題まだやってんの?
A奈
え?どゆこと?
B乃
私、とっくに終わったよ。
A奈
はああ⁉︎早くない⁉︎
水鏡
あ、私も終わってるよ。
A奈
えええっ⁉︎
A奈
クソーッ‼︎なんでこんな頭いい奴らばっかりいるんだよー‼︎
水鏡
いや、私バカだけどこれはすぐに解けたよ?
A奈
嘘つけ‼︎天才め‼︎
B乃
はいはい、じゃあ私が教えてあげるから。
A奈
あー‼︎呆れてるなー‼︎
水鏡
あはははっ‼︎
私は友達に恵まれている。
しかし1つ、私は人と違う点がある。
水鏡
(あー、1人にさせてくれないかなー...)
それは1人が好きということだ。
自室
水鏡
あー、疲れたー...
水鏡
A奈もB乃も悪い人間じゃないんだけどなぁ...
水鏡
なんか、疲れるんだよなぁ...
私はどこへ行くにも何をするにも1人を好む。
リア充ならぬソロ充である。
水鏡
まあ、考えても仕方ないか...
水鏡
寝よ...
教室
おはよー‼︎
1限なにー?
水鏡
....
A奈
お・は・よー‼︎
水鏡
うわあああっ⁉︎
A奈
うおっ⁉︎ど、どうした急に⁉︎
水鏡
い、いやぁ...ボーッとしてたから驚いただけ笑
A奈
んー?ほんとにー?
水鏡
本当だってー笑
A奈
辛くなったら言えよー?
水鏡
あはは、ありがとー‼︎
水鏡
(ああ、少しぐらい放っておいてくれないかな...)
いつものようにそんなことを思いながら、一日が始まる。
でも私には毎日の昼に“楽しみな時間”があるのだ。
屋上
水鏡
ああ〜...めちゃくちゃ楽〜...
それは屋上で1人、大の字になることだ。
誰にも邪魔されない私だけの時間、それが私の唯一の幸せだった。
水鏡
あーあ、ずっと1人で生きていきたいなー...
そんなバカみたいなことを言っていると近くで誰かの声がした。
本当にそう思ってる?
水鏡
んー...?
声のするの方を見たが、そこには誰もいなかった。
水鏡
あれ...空耳かなぁ...
空耳じゃないよ。
水鏡
えっ...⁉︎
水鏡
だ、誰⁉︎どこにいるの⁉︎
ここだよ。
再び声のする方を見ると、そこに黒い服に身を包んだ長身の男がいた。
水鏡
あなたは...誰...?
???
僕は、何者でもないよ。
???
強いて言うなら...君の願いを叶える者かな?