翌日
美晴
んー、眩しいなぁ
美晴
あ、そうか私今監禁されてるから自分の家にいないんだった
隣を見るとあの殺人犯が大口を開けて眠っていた
美晴
ほんと…頼りにならない
美晴
これで本当に死ねるのかしら…
美晴
何か食べよっと
美晴
あ、いけないいけない
美晴
餓死する予定だったね
洋介
ん、なにしてるんだ?
いつの間にか洋介も起きていた
美晴
あ、ごめんなさい
美晴
起こしちゃったかな
洋介
いやいいよ
洋介
それより冷蔵庫の前でなにしてんだ?
美晴
つい忘れて何か食べようとしちゃったw
洋介
はーおまえ死ぬ気ゼロかよ
美晴
そんなことないよ
美晴
まだ慣れてないだけだってば
洋介
ならいいけどよ
美晴
ねぇそう言えば今更だけど
美晴
名前聞いてなかったわね
洋介
今更すぎんだろ
美晴
教えてよ名前
洋介
洋介だ
美晴
洋介さん
洋介
そっちは
美晴
美晴です
洋介
美晴ちゃんね、よろしく
美晴
よろしくです
洋介
そういやよ
洋介
なんであんたは死のうとしてるんだ?
美晴
それは…話さなくちゃダメですか?
洋介
いやぁそんなことはないけど
洋介
俺が見てる感じ死にたい感じが伝わらないからよ
美晴
あなたにはわかりませんよ
美晴
私の気持ちなんて…
洋介
話してみろよ
洋介
どうせ死ぬんだ
洋介
話しといたほうが楽だぞ
美晴
…わかりました
美晴は少し嫌がりながらも話し始めた
美晴
私は生まれてから誰にも必要とされなかったんです
美晴
容姿も悪いし、友達もいない…親も自分たちのことばかりで私なんて相手してくれなかった…
洋介
それで?
美晴
え、それだけですけど
洋介
お前さ、人生なめてんのか
洋介
いや殺人犯の俺が言うのもアレだけど
洋介
なめすぎだと思うぞ
美晴
あなたは同じ環境じゃないからわからないんですよ!!!
洋介
それより酷い環境の人なんていくらでもいるだろ
洋介
親から暴力を受けてる子、いじめられてるけど誰も助けてくれない子
美晴
そうやって誰かと比べるのやめてください!
美晴
私は今の環境が辛いんです!
洋介
じゃあ1つ聞くけどお前何か努力したのか?
美晴
え?
洋介
今の現状を変えるために何かしたかって聞いてるんだよ
美晴
それは…
美晴は黙ってしまった
洋介
はぁ…お前なぁ
洋介
何もしないで何かを得ようとしてわけね
美晴
うるさい!
美晴
うるさいうるさい!
美晴
あんたになんかわかるわけないじゃない…あんたなんかに…
洋介
じゃあ俺の昔話も聞いていけ
美晴
いいです、興味無いですから
洋介
そう言うな、いいから聞いていけ
美晴
…わかりました
そう言うと洋介は自分の生まれた時から今に至るまでを話し始めた