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サァ─────

(ザク ザク

綺羅

はぁ…(ザク)はぁ…(ザク)

霧は山あいの峠を覆い、 薄明かりの月光を柔らかく散らしていた。

ひとりの少女が、木の根に注意しながら 静かに歩を進める。

綺羅

どのくらい歩いただろうか…

✨️(ザク…ザク)

名は 綺羅(きら)

青磁の瞳は深く澄み、霧の向こうの世界を冷静に見渡す。

彼女の歩幅は小さいが、着物の裾を押さえた手には唐渡りの短剣が握られていた。

綺羅

やはりこの道は人が少ないな

綺羅

昔からの言い伝えであるとここは、「月白の杜(げっぱくのもり)」へ通じるという

綺羅

訪れたものは皆視力を失って帰ってくるそうだ

綺羅

(この異常は神の遊びであるのか怪異の仕業であるのか…)

綺羅は、里人の噂や怪異譚を求め、こうして人里離れた山路を歩き続けた

その胸には、解き明かすべき事件と、

“真実を知りたい”

という強い好奇心があった。

月が空高く昇り、湖を銀に照らす。

綺羅

もうすっかり夜になってしまったな

綺羅

今日は目的の場所に着かずに終わってしまったな…

湖面は静まり、霧に覆われるその姿は、まるで異界の鏡のようだった。

ザア─ザア─

綺羅

(綺麗だ…)

綺羅は足を止め、湖のほとりに立った。

綺羅

…ん

その中心に、ひとりの男が立っていた。

サァ──────

‧⁺ ⊹˚.🦋.*˚

白衣をまとい、長く月光をも反射するほどの輝きを持つ黒髪が夜風に揺れる。

綺羅

その肌は雪のように白く、整った顔立ちは神のような威厳を放っていた。

(ゴクッ

湖の光をそのまま身に纏ったかのような彼の姿に、綺羅は一瞬息をのんだ。

綺羅

……あなたは、神ですか、人ですか?

少女の声は静かだが、霧を切るように明瞭であった。

ニコッ)

サァ──────

男は微笑み、指先で湖面をそっと撫でた。

水面に波紋が広がり、光が淡く揺れる。

綺羅

ハッ?!

人とも神とも、言うべきか迷う存在だ。だが、名前は皓(こう)と呼んでくれ。

綺羅

…(ムッ

( ・᷄ὢ・᷅ )

その声には、誰もが心を許してしまいそうな優しさと、どこか人を試すような色気が混ざっていた。

そんな怖い顔をしないでおくれ。

何か気に召さない事をしてしまったか?

綺羅

いえ、別に。

綺羅は眉をひそめ、鋭い視線を彼に向ける。

綺羅

この湖で、何をしているのですか?

遊んでいるのだ。世界の理を、

そして君の心を、少しだけ。

綺羅

…チラッ

その瞳は静かに輝き、まるで彼自身が夜の月光を操るかのようであった。

綺羅

はぁ…

少女は短く息を吐き、口を開く。

綺羅

私の心を弄ぶつもりなら、許しません。

(笑)(笑)

綺羅

なツ!

皓は楽しそうに笑った。

ハッ、すまないすまない(笑)

面白い。久しぶりに、頭の回る者に会えた。

綺羅

その笑みには、知的な好奇心をくすぐる何かがあった。

綺羅は心を引き締める。

神のような美貌に惑わされることなく、理性で立ち向かわねばならなかった。

🌕 .*・゚ .゚・*.──────

風が止み、月光だけが二人を照らす。

湖面には、二人の影が重なり、時折波紋が光となって踊る。

綺羅

…人じゃない。

さぁ?

綺羅

あなたは、なぜ人々の前に姿を現すのですか?

私は観る者だ。
人の心を、そして世界の理を。

綺羅

それだけでは──

それだけでは面白くないから、君に会ったのだ。

ズキッ️️꙳⟡

綺羅の胸に、微かに疼く感情が芽生えた。

興味と、恐れと、何か甘く危ういもの。

綺羅

彼女は自覚しつつも、声には出さなかった。

綺羅、君は面白い。

皓はそう言い、湖面の光を指先で操る。

✻*˸ꕤ*˸*⋆

小さな波紋が花の形を描き、水面を揺らす。

恐れず、疑い、そして観察する。

多くの者はただ、私を信じるだけだからね。

綺羅

…(ムッ

少女は目を細める。

綺羅

信じることは簡単です。でも、それが真実ではないことも多い。

ふふっ、

皓は小さく笑い、湖面の光を一度だけ指で撫でた。

いいね。その推理心、私は楽しもう。

言葉のひとつひとつが、空気に溶け込み、霧の向こうまで届くようだった。

夜が更け、霧が深まると、湖はより静かに、より神秘的な姿を見せる。

綺羅

綺羅は月光の下で、自分の心を整理する。

この旅は、ただの怪異解決ではなく、自分の内面、そして皓という存在に向き合う試練でもある。

…(笑)

綺羅

…?

そして、夜明け前。

.*・゚ .゚・*.

綺羅

なっ?!

皓は湖の中心で微笑むと、霧に溶けるように姿を消した。

(タッタッタッ

残されたのは、湖面に残る小さな波紋と、一枚の白い羽だけ。

(スッ…

綺羅

…()

綺羅はその羽を手に取り、そっと胸に当てた。

綺羅

(……また、会う気がする。)

心の奥で、微かに疼く感情を感じながら、少女は霧の道を歩き出す。

サァ──────

月は沈み、霧がゆっくりと流れる。

少女の影が長く伸び、湖面に映った。

そしてその影の先に、すでに次の怪異の気配が忍び寄っていた。

長編構想『月綺譚』チャットノベル版

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