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サァ─────
(ザク ザク
綺羅
霧は山あいの峠を覆い、 薄明かりの月光を柔らかく散らしていた。
ひとりの少女が、木の根に注意しながら 静かに歩を進める。
綺羅
✨️(ザク…ザク)
名は 綺羅(きら)
青磁の瞳は深く澄み、霧の向こうの世界を冷静に見渡す。
彼女の歩幅は小さいが、着物の裾を押さえた手には唐渡りの短剣が握られていた。
綺羅
綺羅
綺羅
綺羅
綺羅は、里人の噂や怪異譚を求め、こうして人里離れた山路を歩き続けた
その胸には、解き明かすべき事件と、
“真実を知りたい”
という強い好奇心があった。
月が空高く昇り、湖を銀に照らす。
綺羅
綺羅
湖面は静まり、霧に覆われるその姿は、まるで異界の鏡のようだった。
ザア─ザア─
綺羅
綺羅は足を止め、湖のほとりに立った。
綺羅
その中心に、ひとりの男が立っていた。
サァ──────
‧⁺ ⊹˚.🦋.*˚
白衣をまとい、長く月光をも反射するほどの輝きを持つ黒髪が夜風に揺れる。
綺羅
その肌は雪のように白く、整った顔立ちは神のような威厳を放っていた。
(ゴクッ
湖の光をそのまま身に纏ったかのような彼の姿に、綺羅は一瞬息をのんだ。
綺羅
少女の声は静かだが、霧を切るように明瞭であった。
サァ──────
男は微笑み、指先で湖面をそっと撫でた。
水面に波紋が広がり、光が淡く揺れる。
綺羅
綺羅
( ・᷄ὢ・᷅ )
その声には、誰もが心を許してしまいそうな優しさと、どこか人を試すような色気が混ざっていた。
綺羅
綺羅は眉をひそめ、鋭い視線を彼に向ける。
綺羅
綺羅
その瞳は静かに輝き、まるで彼自身が夜の月光を操るかのようであった。
綺羅
少女は短く息を吐き、口を開く。
綺羅
(笑)(笑)
綺羅
皓は楽しそうに笑った。
綺羅
その笑みには、知的な好奇心をくすぐる何かがあった。
綺羅は心を引き締める。
神のような美貌に惑わされることなく、理性で立ち向かわねばならなかった。
🌕 .*・゚ .゚・*.──────
風が止み、月光だけが二人を照らす。
湖面には、二人の影が重なり、時折波紋が光となって踊る。
綺羅
綺羅
綺羅
ズキッ️️꙳⟡
綺羅の胸に、微かに疼く感情が芽生えた。
興味と、恐れと、何か甘く危ういもの。
綺羅
彼女は自覚しつつも、声には出さなかった。
皓はそう言い、湖面の光を指先で操る。
✻*˸ꕤ*˸*⋆
小さな波紋が花の形を描き、水面を揺らす。
綺羅
少女は目を細める。
綺羅
皓は小さく笑い、湖面の光を一度だけ指で撫でた。
言葉のひとつひとつが、空気に溶け込み、霧の向こうまで届くようだった。
夜が更け、霧が深まると、湖はより静かに、より神秘的な姿を見せる。
綺羅
綺羅は月光の下で、自分の心を整理する。
この旅は、ただの怪異解決ではなく、自分の内面、そして皓という存在に向き合う試練でもある。
綺羅
そして、夜明け前。
.*・゚ .゚・*.
綺羅
皓は湖の中心で微笑むと、霧に溶けるように姿を消した。
(タッタッタッ
残されたのは、湖面に残る小さな波紋と、一枚の白い羽だけ。
(スッ…
綺羅
綺羅はその羽を手に取り、そっと胸に当てた。
綺羅
心の奥で、微かに疼く感情を感じながら、少女は霧の道を歩き出す。
サァ──────
月は沈み、霧がゆっくりと流れる。
少女の影が長く伸び、湖面に映った。
そしてその影の先に、すでに次の怪異の気配が忍び寄っていた。