当日
下校
美波
斜め向かいの店から竜一郎が出てきた
美波
声をかけようか迷っていると、その後ろから同じ制服の男子校生が出てくる
竜一郎はその男子校生の腕に抱きつく
男子校生は呆れ顔で竜一郎を見詰めるが、気にすることなく甘えるように腕を組む
その姿を見て、ズキッと胸が痛む
美波
ふたりは美波の存在に気づかず歩き出した
美波
美波
竜一郎たちに気づかれないよう距離を保つ
と、そのとき──
男子校生が不意に振り返った
美波
とっさに壁ぎわに隠れた
男子校生は首を傾げつつ、手を引かれ雑貨店に入っていった
美波
心臓が早鐘を打つ
恐る恐る視線を雑貨店に向けた
美波
ふたりの様子をそっと覗く
美波
冷たい眼差しでスマホの画面を見詰める竜一郎の姿があった
今まで見たことのない表情に背筋がふるえる
男子校生は背を向けているため気づいていない
美波
いつもは人懐こい笑みを浮かべているのに、あまりの差に困惑した
スマホをしまうと竜一郎は笑顔に戻り、男子校生に抱きついた
美波
まるでキツネに摘まれたかのように呆然となった
少し離れた場所から様子を伺う
しばらくして雑貨店から出てきた
男子校生は“何か“を手渡す
それを受け取った竜一郎は目を輝かせ、自分のスマホにつけた
美波
竜一郎の嬉しそうな顔に美波は複雑になった
普段の彼女なら、イルミネーションの美しさに目を奪われていた
けれども、視線はイルミネーションではなく────
竜一郎たちに注がれている
美波
言いかけたところでため息をつく
美波
美波
美波
じっと見詰めていると、男子校生がさりげなく振り向いた
美波
視線を合わせないよう顔を背ける
美波
祈りが届いたのか、すぐに視線をあさっての方へ向いた
内心ホッとする
ふたりは会話を交わすと歩き出した
人気のないベンチの前にふたりはいた
満月の淡い光りがふたりに注ぐ
美波
気づかれないように茂みに隠れている
美波
まるで恋人を抱きしめるように、竜一郎は男子校生に腕を回した
切なさそうに見詰める
そして──
竜一郎は顔を近づけ、唇を重ね合わせた
美波
自然な振る舞いに一瞬息を呑んだ
と、同時に見てはいけないものを見てしまったように感じ、静かにその場から離れた────
後悔と罪悪感に苛まれていた
美波
あてもなくさ迷い歩いていると────
美波
ファミレスの窓ぎわで、竜一郎たちが向き合っているのを偶然見かけてしまった
食事をしながら会話をしている
それを見た美波は泣きそうになり、寒さが頬を撫でる
美波
思わず羨望の含んだ声が漏れる
しばらくして、男子校生が立ち上がり席を外した
竜一郎はスマホを取り出し、真顔で凝視する
美波
その姿に背すじが凍る
立ち尽くしていたが、すぐにハッとなりそそくさと立ち去った
その背に冷たい眼差しを向けられているとも知らずに…………
翌朝
美波
美波
ピローン♪
美波
美波
美波
美波
ミナミ
ミナミ
リュウ
リュウ
ミナミ
リュウ
リュウ
リュウ
ミナミ
ミナミ
美波
首を傾げつつ不安を感じた
コメント
2件
……(^p^)
に、にげてー!!!((( ;゚Д゚))) これはいけないやつではないでしょうか! 逃げてほしい! 佳澄くんにバレないようにってことなのでボコられることはないと思いますが精神攻撃がえげつなさそうな予感です逃げてほしい!!!((( ;゚Д゚)))