病院
天野さん
龍斗様っ!!
医師
龍斗君の…
天野さん
執事です
天野さん
崖から落ちたってどういうことでしょうか?
医師
簡単に説明しますと、
医師
めまいがして崖から落ちそうになったまなみさんを龍斗君が自分の身を犠牲にして助けてくれた、と
天野さん
龍斗様は今どこに…?
医師
病室にいます
医師
まだ意識が戻らなくて……
天野さん
…そうですか
天野さん
ありがとうございます
天野さん
龍斗様のご両親には、私から連絡します
医師
はい、お願いします
医師
何かあれば、すぐにナースコールを押してください
天野さん
わかりました
天野さん
ありがとうございます
病室
天野さん
…失礼します
天野さん
…まなみ様?
まなみ
あ…天野さん……
まなみ
わっ…私のせいでっ…!本当に、ごめん…なさっ…
まなみ
龍斗…まだ意識が戻らなくて……!
天野さん
まなみ様、そんなに自分を追い込まないでください
天野さん
龍斗様も、そうおっしゃっていたはずです
天野さん
今は、龍斗様の生命力を信じましょう?
まなみ
……はいっ……!!
まなみ
私、ちょっと、外しますね…
天野さん
はい、何かあったらすぐに知らせます
まなみ
ありがとうございます…
爽真
まなみちゃーん?
まなみ
…爽真さん…?
爽真
…大変なことになっちゃったね…
爽真
でも、元はと言えばまなみちゃんが大人しく僕の言うことを聞かなかったから…
まなみ
…やっぱり、クズね
爽真
は?僕に向かって何言ってるの?
まなみ
あなたの自己中心的な思考が私は大っ嫌い!
まなみ
あなたなんかと結婚なんてするわけない!
爽真
いやいや、これは、まなみちゃんを今まで育ててくれた
爽真
ご両親の意見でもあるんだよ?
爽真
それに逆らうなんか、許されるわけないだろう?
まなみ
親の意見は何でも飲み込むべきなの!?
まなみ
私の人生が親のせいで狂うのを受け入れろって言ってるの!?
まなみ
そんなの絶対にイヤっ!
爽真
まあまあ、落ち着いて?
爽真
僕と婚約するんだったら、ありったけのお金を使って、龍斗君を助けてあげるよ?
まなみ
龍斗の家柄をバカにしないで!
まなみ
ウチよりもずっと良いし、あなたの家よりも良いはずよ!
まなみ
あなたはその事を私の親に言えって指示されたんでしょうけど、
まなみ
私がそれに簡単に屈するとでも思ったの?
爽真
だって君はまだ社会人になったばかり…つーか、ほぼ学生みたいなものだし、
爽真
親の力がないと生きていけないだろう?
爽真
僕と婚約して、身を固めた方が君の人生の為で…
まなみ
ふざけるのも良い加減にして!!
まなみ
私が世界一好きな人にこんな怪我させるほど追い込んだ人たちと
まなみ
これまでと同じように関わっていくはずがないでしょ?
まなみ
爽真さん、あなたは本来の自分の仕事に戻ることをお勧めします
まなみ
両親とは絶縁するつもりです
爽真
い、いや
爽真
絶縁って…まなみちゃん何考えてるの?
爽真
貯金もあんまりないでしょ?
爽真
生きていけないよ?
爽真
もしかしたら、龍斗の気が変わるかもしれないし
まなみ
…それでも、
まなみ
あなた方の計画通りに進めさせられるよりずっとマシ
爽真
…っ!
爽真
でも…
お父さん
爽真君
爽真
お義父さん!?
お父さん
もう、いいんだ
お父さん
ありがとうな
お母さん
帰ってもらって、大丈夫よ
お母さん
ありがとう
爽真
…はい
爽真
わかりました…
お父さん
さて、まなみ
お父さん
今回のことは、
お父さん
本当にすまなかった
まなみ
!?
お母さん
まなみの気持ちを無視したり
お母さん
まなみの大切な人に怪我を負わせて
お母さん
本当に申し訳ないと思っているわ
お父さん
そこで、私たちも、そんなにまなみのことを大事にしてくれるのなら、
お父さん
まなみを彼に任せようと思う
まなみ
お父さん…お母さん…
お父さん
!
お父さん
ちょっと電話がきたから…失礼
まなみ
お母さん…どうしていきなり……?
お母さん
……あなた方が出て行ってから
お母さん
本当に心配したのよ…?
お母さん
あなたが変な男に引っかかって欲しくなくて結婚もさせようとした
お母さん
今までのことも、あなたが将来笑って幸せに暮らせるようにしたかったから
お母さん
勉強させたし、
お母さん
習い事にもたくさん行かせた
お母さん
あなたも最初は言うこと聞いてたけれどね…
お母さん
…でも、そんな私たちの意地が
お母さん
あなたを家出させるほど苦しめていたなんて私たちは気づけなかった
お母さん
本当に…ごめんなさい、まなみ…!
まなみ
お母さん…
まなみ
いいよ、ありがとう…
まなみ
あの、1つお願いがあるんだけど…
お母さん
何?
まなみ
今までのこと、今回のこと、許すのと引き換えに
まなみ
私たちが持ってる全ての力とお金で
まなみ
龍斗を助けて
まなみ
他には何もいらない
お母さん
何言ってるの?
まなみ
!?
まなみ
お、お願…
お母さん
当たり前でしょ!?
まなみ
!
お母さん
あなたに言われなくても龍斗君の治療には全力を尽くすつもりだったの
お母さん
あんな崖から…
お母さん
私たちの大切な愛娘を守ってくれたんですもの……!
お母さん
あなたは早く龍斗君の病室に行って
お母さん
話しかけてあげなさい
お母さん
龍斗君も、天野さんも、
お母さん
それを望んでるはず
まなみ
お母さん…
まなみ
ありがとう!
病室
まなみ
龍斗…早く起きて…
まなみ
話したいことがあるんだ
まなみ
だから、早く起きて…!
龍斗
龍斗
ま…なみ……
まなみ
龍斗…!!
天野さん
龍斗様っ!
龍斗
お前の声、バッチリ響いたよ
龍斗
俺、生死の境目にいたけど…
龍斗
お前の声のおかげでここに戻ってこれたよ…
龍斗
ありがとう…まなみ…
まなみ
ありがとうは…私のセリフだよ…!
まなみ
私のこと考えて連れ出してくれたし、
まなみ
自分を犠牲にしてまで助けてくれて、
まなみ
ありがとう…!
数週間後 まなみの誕生日
龍斗
まなみ!
まなみ
どうしたの?いきなり呼び出して
龍斗
誕生日、おめでとう!
龍斗
これ、俺からのプレゼント!
まなみ
わーっ!
まなみ
ありがとう!
まなみ
開けていい?
龍斗
うん!つか、早く開けて?
まなみ
うん!…これは…
まなみ
!
まなみ
指輪…?
龍斗
…俺たち、色んなことあったけど…
龍斗
それを乗り越えていく度に、まなみのこともっと好きになったんだ
龍斗
…結婚しよう、まなみ
まなみ
……はいっ……!
これが私のシンデレラストーリー。
あなたも、夢を諦めなければ、
きっと最後はハッピーエンドにできるはずです。






