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トントントン……
包丁の音が気持ちよく鳴り、 私の鼻にミソの匂いが届く。
母
冬馬
母
冬馬
冬馬
母
冬馬
母
冬馬
冬馬が2階に上がっていくのを見送る。
母
母
お母さんの言葉に、うなずきを返す。
ことこと言い出したナベに、 お母さんが何かを入れていく。
私はこの、夕食前の時間が好きだった。
お母さんの、食事を作る優しい音
ちょっと生意気な冬馬の声
いただきますの少し前に帰って来る お父さんの足音
全部が愛おしい。
母
コツコツ…… ガチャッ
父
母
母
今日もみんなでごはんが食べられる。
それがうれしい。
私の毎日はこのささやかな「うれしい」で、できている。
母
お母さんの言葉に、 私は
ひまり
とだけ返すと、 冬馬のいる2階へとトテトテのぼっていった。