『知っているよ』

この涙は

いつになったら枯れるだろう

毎日泣いても

枯れない涙

泣いても泣いても

枯れてくれない涙くん

涙が枯れる方法なんてあるのかな

この涙が枯れる頃には

私の小さな恋の花も

枯れてシワシワになっているかな

『知っているよ』

私こと一ノ瀬 二葉は (ｲﾁﾉｾﾌﾀﾊﾞ)

恋をしています。

そして

彼氏が居ます

だがしかし

もの凄く冷たいのです。

かなり冷たいです。

なぜならクラスでのあだ名が

『絶対零度の氷渡王子』

だからだ

名前からも冷たいオーラが溢れ出る

その名も－

『氷渡 零』 (ﾋｮｳﾄﾞﾚｲ)

冷たいな名前から

でも彼氏です

２週間後

ふぅー

今日で終わりだ

毎日泣いてばかりの日々だったな

この1年楽しい事なんて無かったな

零冷たかったし

『冷たかった』

いや違う

『冷たかった』

じゃない...

『好きじゃ無かった』

の方が正しいか

付き合い始めた頃から 分かってたのに

零は 私の事なんて－

1ミリたりとも好きじゃない

分かってなのになぁ

分かってて付き合ってた私って

瀕死の猿が

もうすぐ命が亡くなるのに

餌求めて走り回ってるのと 同じじゃん

ただの馬鹿じゃん

でももうこれで

終わりなんだ

終わらせるんだ

この腐りきった恋心とともに

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ﾀｯﾀｯﾀｯ

ﾀｯﾀｯﾀｯ

ﾀｯﾀｯﾀｯ

ﾀｯﾀｯﾀｯ

ｷﾞｭｯ

『一ノ瀬 二葉が 大好きです』

零が冷たくていい

だってこんなに

愛情表現してくれたから

たまには甘々な時も欲しいけど

貴方の新しい1面を私は－

『知っているよ』