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君の瞳

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君の瞳

2 - 去年とは違うから…

♥

213

2021年07月09日

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僕は空を見上げ君を想う

恋が

こんなに苦しいものだとは

思わなかったよ…

君を忘れる

そんな事出来なかった

君を想うだけで

胸が痛む

涙が溢れる

僕は君が好き

決して君には届かない…

落ちる涙は

まるで

空から降る雨粒のよう…

16歳の冬

僕には

将来の夢もなければ

目標もない

周りと同じように学校に行き

友達とたわいもない話をする

食べて、寝て、起きて

この繰り返し

生きる価値も

生きてる意味もなくたって

別に僕は死ぬ気ではない

でも…

寂しくて

悲しくて

死にそうなくらい泣いていた

琥狼

君がいない世界なんて((ボソッ…

僕は知りたくなかったな…

君がいなきゃ

琥狼

世界はモノクロ写真みたい…

空は僕の髪とおなじ

綺麗な青色

琥狼

ぼくはまだ((ボソッ…

色のある世界に生きている

そう思えた

今は12月

北風が冷たく

コートとマフラーが 手放せない

唯一の救いは

今日が晴れだということ

太陽が多少 寒さを和らげてくれる

琥狼

学校…行きたくないな((ボソッ…

苺高等学校の前

僕はそんな事を言いながら

正門をくぐった

僕の名前は

青柳 琥狼

大体がころちゃんとか

ころとか

僕の事をそう呼ぶ

僕の見た目が可愛いかららしい

僕は重たい足を動かして

1年C組の前で立ち止まった

キーンコーンカーンコーン

僕は2時間目のチャイムと共に

教室に足を踏み入れた

奈那森

ころちゃん!

奈那森

おはよう!

僕の前の席のなーくんが

そう言って微笑んだ

琥狼

…おはよっ!なーくん

僕はいつもと変わらないよう

必死に明るく振舞った

慈恵留

ころがこんな
遅刻するなんて珍しいなぁ…

僕の隣の席に座る慈恵留は

少し怪訝そうだ

才色兼備ななーくんと 優しく面白い慈恵留とは

同中で、仲良しの友達

高校でも同じクラスになれた

琥狼

うん、ちょっと寝坊したわw

僕は作り笑顔で答えるけれど

息をするにも

言葉を発するにも

胸の辺りに違和感がぬぐえない

ダメだ…やっぱり

今日はダメっ…

上手く笑えないよ…

無理して笑おうにも

涙が出そうでそれどころじゃ無い

2人に心配させたくないのに…

慈恵留

ちょっ!ころ!

慈恵留

どこ行くんや?

教室から出ようとする僕の腕を

慈恵留は後ろから掴む

琥狼

ごめっ…

琥狼

僕サボるっ…(^-^)

僕は笑顔でそう言った

けど、なーくんを見て

涙がこぼれそうになった…

慈恵留

サボるってなんや!

慈恵留

おい!ころ!

琥狼

ほんとにごめんっ!

僕は腕を振り切り、

教室の外の壁に寄りかかった

奈那森

慈恵留くん…

奈那森

今はほっといてあげよ…?

ドア越しに聞こえる2人の声を

僕はしばらく聞いていた

慈恵留

ころのやつ…どうしたんやろな

慈恵留

ころらしくないで…

奈那森

ほっといてあげなって…

慈恵留

なんでや、なーくん冷たない?

慈恵留

俺らころの友達やろ?

奈那森

俺達には
何も出来ないんだよ…

やっぱなーくんは分かっていた

今日が僕にとってどんな日か…

慈恵留

やっぱころ
なんかあったんか?

慈恵留

具合でも悪いんか?

奈那森

違う。
今日はころちゃんの…

慈恵留

えっ…あぁ

慈恵留

今日って…そやったな

奈那森

俺達がころちゃんに
してあげられるのは

奈那森

英語のノートを
取っておいてあげるくらい

奈那森

慈恵留くんもいつも通りにして…

慈恵留

分かった…でも!

慈恵留

せめてなーくんだけは

慈恵留

ころのそばに居てあげてや?

僕は強くした唇をかみしめた

奈那森

……なんて言えばいいか
わかんない…

慈恵留

そばに居たげる

慈恵留

それだけでもいいんやない?

慈恵留

今日は
いつもとは違うんやから…

慈恵留くんの言葉が

僕に強く突き刺さった

そう、

琥狼

いつもとは違う((ボソッ…

琥狼

去年とは
違うんだもんね…((ボソッ…

この作品はいかがでしたか?

213

コメント

4

ユーザー

めっちゃ好きです、最後の言葉にゾクッとしました鳥肌がとまりません(笑)

ユーザー

わぉ!フォロー失礼します♪

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