僕は空を見上げ君を想う
恋が
こんなに苦しいものだとは
思わなかったよ…
君を忘れる
そんな事出来なかった
君を想うだけで
胸が痛む
涙が溢れる
僕は君が好き
決して君には届かない…
落ちる涙は
まるで
空から降る雨粒のよう…
16歳の冬
僕には
将来の夢もなければ
目標もない
周りと同じように学校に行き
友達とたわいもない話をする
食べて、寝て、起きて
この繰り返し
生きる価値も
生きてる意味もなくたって
別に僕は死ぬ気ではない
でも…
寂しくて
悲しくて
死にそうなくらい泣いていた
琥狼
僕は知りたくなかったな…
君がいなきゃ
琥狼
空は僕の髪とおなじ
綺麗な青色
琥狼
色のある世界に生きている
そう思えた
今は12月
北風が冷たく
コートとマフラーが 手放せない
唯一の救いは
今日が晴れだということ
太陽が多少 寒さを和らげてくれる
琥狼
苺高等学校の前
僕はそんな事を言いながら
正門をくぐった
僕の名前は
青柳 琥狼
大体がころちゃんとか
ころとか
僕の事をそう呼ぶ
僕の見た目が可愛いかららしい
僕は重たい足を動かして
1年C組の前で立ち止まった
キーンコーンカーンコーン
僕は2時間目のチャイムと共に
教室に足を踏み入れた
奈那森
奈那森
僕の前の席のなーくんが
そう言って微笑んだ
琥狼
僕はいつもと変わらないよう
必死に明るく振舞った
慈恵留
僕の隣の席に座る慈恵留は
少し怪訝そうだ
才色兼備ななーくんと 優しく面白い慈恵留とは
同中で、仲良しの友達
高校でも同じクラスになれた
琥狼
僕は作り笑顔で答えるけれど
息をするにも
言葉を発するにも
胸の辺りに違和感がぬぐえない
ダメだ…やっぱり
今日はダメっ…
上手く笑えないよ…
無理して笑おうにも
涙が出そうでそれどころじゃ無い
2人に心配させたくないのに…
慈恵留
慈恵留
教室から出ようとする僕の腕を
慈恵留は後ろから掴む
琥狼
琥狼
僕は笑顔でそう言った
けど、なーくんを見て
涙がこぼれそうになった…
慈恵留
慈恵留
琥狼
僕は腕を振り切り、
教室の外の壁に寄りかかった
奈那森
奈那森
ドア越しに聞こえる2人の声を
僕はしばらく聞いていた
慈恵留
慈恵留
奈那森
慈恵留
慈恵留
奈那森
やっぱなーくんは分かっていた
今日が僕にとってどんな日か…
慈恵留
慈恵留
奈那森
慈恵留
慈恵留
奈那森
奈那森
奈那森
慈恵留
慈恵留
慈恵留
僕は強くした唇をかみしめた
奈那森
慈恵留
慈恵留
慈恵留
慈恵留くんの言葉が
僕に強く突き刺さった
そう、
琥狼
琥狼
コメント
4件
めっちゃ好きです、最後の言葉にゾクッとしました鳥肌がとまりません(笑)
わぉ!フォロー失礼します♪