奈那森
そう、
一瞬だけ
気を紛らわせてもらっても
しょうがない
何も変わらない
慈恵留
奈那森
奈那くんも慈恵留くんは
いつも僕に優しい
でもたまにその優しさが
僕には
わざとらしく感じてしまう
それほど2人は
僕に
優しい言葉しか使わない
あの日から
奈那森
奈那森
慈恵留
僕はそっと壁から離れ
誰も居ない静かな廊下を
1人、、、
歩き出した、、、
僕は高校に入ってから
初めて
授業をサボってしまった
学校の屋上に来るのも
初めてだったりする
今は、ある冬の日の午前中
風邪はすごく冷たい
でも
雲ひとつ無い
澄んだ
綺麗な空が広がっていた
琥狼
僕は
お腹位まである柵に手をかけ
軽々と飛び越える
琥狼
柵の向こうは
端まで1mも幅がない
下を覗くと
他のクラスが
体育をしているのが
良く見える
琥狼
琥狼
でも
上を見れば
限りなく広い空
別に僕は
タヒにたい訳じゃない
けれど…
生きたい訳でも無い
琥狼
僕は
落ちるか落ちないか
「ギリギリ」
という場所に座ってみた
琥狼
琥狼
そばにいる
ただそれだけで
それだけで良かったのに…
君のいない世界は
悲しくて
寂しい
深夜の誰もいない
浜辺を歩くような
音は聞こえる
でも
暗くて何も見えない
そんな世界だ
琥狼
自分の横に置いたカバンから
いつも使っている
お気に入りの手帳を取り出し
沢山撮った写真を眺める
琥狼
2人の思い出が
沢山詰まった写真は
どれもこれも
幸せそうに笑っていた
「ずっと一緒」
そう約束したのに…
琥狼
この先ずっと
君からの着信音は鳴らない
鳴ることは
もう二度と無いのに。
なのに
僕は今日も
起こりえない
君からの奇跡を
心のどこかで待っている。
琥狼
無駄にスマホの画面を
付けたり消したり
あの日から、、、
癖になってしまった
琥狼
僕らが笑う写真は
僕の涙で濡れてしまった…
琥狼
琥狼
君は…
今日が何の日か覚えてる?
僕のことは全て忘れて
君は今頃
好きな人と
笑ってるんだろうな…
この写真みたいに…
幸せそうな笑顔で…
ねぇ…
君は今、
「幸せなの?」
僕は君がいなきゃ
幸せになんてなれなそうだよ
そばに居てくれる事が
僕にとっての
当たり前だったから
琥狼
別れてから既に5ヶ月が経つ
でも
僕が君を忘れた日
なんて無くて
君の声も
君の優しい笑顔も
君の匂いも
夜寝る前
目を閉じれば浮かぶ
いっその事
君とすごした記憶
琥狼
こんなに苦しくて
こんなにも切ないなら…
琥狼
だって、、、
琥狼
コメント
2件
ハッピーエンドで終わるかな?