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ある時間軸と遥かなる旅路[毎週火曜更新]

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ある時間軸と遥かなる旅路[毎週火曜更新]

1 - ある時間軸と遥かなる旅路 壱

♥

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2020年03月03日

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(んー、この電車おっそいな)

(うぜえー、運転手心臓麻痺でも起こしたか!?)

鈴也

あれ?お前湊?

お前鈴也か?

鈴也

そうだよ!

なんでお前こんなとこにいんだよ!

鈴也

それはなあ……

鈴也

冬夜市(とうやし)行きの電車乗ったのよ!

おう。

鈴也

そしたら眠くなって、いつしかこの電車に乗ってた

瞬間移動でもしたのか?

鈴也

あぁ。たぶん

マジかよ……

俺もそうなったわ

鈴也

でも別の乗客は一向に目覚める気配はねえな

俺も冬夜市行きの切符買って、眠くなってこれだわ

その時、突然低い男の声のアナウンスがした。

アナウンス

えー、ご乗車頂きありがとうございます。

アナウンス

この列車は……行きの八両編成……

ところどころ、ノイズがしてよく聞こえなかった。

そして、プツンと音がなり、急に電車が動いた。

あー!やっと動いた……?

鈴也

おい。なんか先がめっちゃ明るいぞ

鈴也

ま、眩しい……

おい!このひざ掛けで隠れるぞ!

俺はリュックからひざ掛けを取り出した。

そしてうずくまり、ひざ掛けを頭にかけた。

これである程度は凌げるだろ……

鈴也

あ……あ。

へ?

俺は気づいたら公園のベンチに座っていた。

近くには小川が流れていて、花は咲き誇り、小鳥が鳴いていて

とても気分が良くなった。

さっきのは……夢か?

しかし俺は気付いた。

さっき持ってたひざ掛けを頭にかけていた。

ふぁっ!?

なんでこれ乗っかってんだ!?

電車が脱線したか!?いや、だったらなんでこんなとこでサンドイッチ食ってんだよ……

ツチヤ

ああ。お前もあれの餌食になったか。

はい?

ツチヤ

俺はツチヤという者だ。

ツチヤ

本来ならいま28歳のはずだが、何故か18歳のままだ。

俺も18歳だが、、

え!?ということは俺タイムスリップしたん?!

ツチヤ

まあ、そうだな。

ツチヤ

俺もここに来たんだよ……

ツチヤ

それで帰れねえんだ。

ツチヤ

死んでも俺はここで目覚めてる。

俺……?死んでないよ……な?

ツチヤ

あぁ。何故か今は不死身になってる。

なんかロマンがあるな……

ツチヤ

今はロマンどころじゃねえ……

そして俺は、このツチヤという男が本気であることが分かった。

声のトーンの変わりようが凄かった。

ツチヤ

ここはさっきの時間から10年後だ。

ツチヤ

俺ほお前らよりも早くここに来た。

ツチヤ

多分1月からだ。

ツチヤ

うろ覚えだがな。

へ、そうなんか……

で、俺はどうすればいいんだ?

ツチヤ

俺はお前ら以外の人に28歳だと認知されてるらしい。

俺もか?

ツチヤ

あぁ。お前もだ。

ツチヤ

だから俺はマンションの13階に住んで、仕事もしてる。

ツチヤ

もし脱出する時になれば、退職届も出してるだろうね。

ツチヤ

マンションも捨てて。

そこまでするのか……

ツチヤ

あぁそうだ。今は脱出しないといけないからな。

ツチヤ

詳しい説明とかは割愛するわ。

酷いのう……

ツチヤ

詳しい説明とかしてる暇なんてないからな。

ツチヤ

俺は特に生活困ってないから、金でもやろうか?

後で返してとか言わないだろうな?

ツチヤ

あぁ。約束しよう。

ツチヤ

おら。ざっと10万だ。

マジかお前!

そんなにかよ!

ある時間軸と遥かなる旅路[毎週火曜更新]

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