妖怪奇譚

あの後、俺は純夏に抱えてもらい俺の家まで来ていた

あの化け物が何なのか全くわからないまま状況が進んでいくのは些かの不安がある

俺は言いたい事を頭の中で纏め、 一つづつ書く事にした

そう言う九条の顔は少し悲しそうに見えた。恐らく言い換えた事に関係があるのだろう

が、敢えて聞かなかった

そういう九条の表情はニタついている

確かに俺には妖怪が見える

だが今まであんな化け物は見た事がない

こんな状況だが、九条の印象が今日1日でゴロゴロ代わってゆく

不気味だったり、怖かったり、冷酷だったり

可愛かったり…

そんな事、今は死んでも言えないが

ガチャン

と玄関の閉まる音がした

途端にベッドに倒れ込み、眠りに落ちた

いつも目覚めた時はカーテンから差し込む日差しに目を覆われていたはずなのだが…

まだ外は暗い。

どうやら夜中に目を覚ましてしまった様だ…

だが身体も怠くないし背中も痛くない

きっと今の自分の顔を見たらあまりの酷さに落胆するのだろう

だが先程帰ったはずの九条が家にいたらそれは驚くのも当たり前だ

慌てて時計を見ると九条の言う通り約束の日付になっていた

ここから考えられるのはつまり、丸一日程寝たという事だ

九条は怒ったように少し頬を膨らませた

心が折れる前に話を切り替えた

九条は少し機嫌が悪いように不快の表情をした

そういうと九条は小さい鞄を持ち上げ、逆さにしたと思えば中身を勢いよく出した

中からは拳銃？のようなものがｶﾞｷﾝ 音を鳴らして落ちた

音からして割と重いだろうと思える

一旦纏めよう、わからなくなりそうだ

➀昨日襲われた妖怪を倒すために武器を使う

➁武器にはそれぞれ使う人だけの専用武器があり、武器との適性…相性で決まる

➂今あるものやオーダーメイドでも同じ意味となる

黙っている俺を九条は訝しげに見たが特に何もせず続けて話した

初めて銃と言うものを持った感想は 重い…だろうか

小さい割に想像してたよりは重い

そうすると九条は何処に持っていたのかフリップを出した

そこには拳銃の写真？のようなものが書いてあった

俺の不安に気づいたようだが 気にせずに話を進めた

真面目な話だったからこそ俺の反応が気に食わなかったのだろう

目を鋭くし、睨んできた

俺はその圧に押され、たじろいでしまった

ひとまず許してくれたのか ため息を一つ溢すと持っていたフリップを指した

そうフリップの右真ん中あたりを指した

九条に言われるがままスライドを引いた

力一杯引くと弾を入れられるようなスペースが出来た

俺に見せた弾は映画で見るような金色の弾ではなく、銀色の艶やかな弾だった

そう言うと弾を八発、俺に渡した

先程から早くする、や今度でいいなどどことなく急いでいるように見える

空いている空間を指した

カチャンッ

と、良い音が鳴ると降ろしたスライド部分に弾が出てきた

再びカチャと音が鳴ると素の形状に戻った

言われるがまま服を着替えると家を出た

九条は何を考えてるのか

意味のわからないことが立て続けに起き、訳がわからないが

ただ俺は死なないように頑張るしかない