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綾乃

(はぁーあ)

綾乃

(あれから2日が経ったけど、葵からはなんの連絡も無し…)

綾乃

こんなことなら……本当に工事現場でバイトしてくれてたら素直に喜べたのにな…

咲子

よっ、お疲れ綾乃!

綾乃

あぁ…咲子、お疲れ…

咲子

…あれっ?あんたまた腐ってんの?

綾乃

……ねぇ咲子っ

綾乃

この後どこか飲みにでも付き合ってくれない?

綾乃

なんか…いろいろ忘れたいことが多くて…

咲子

……え?

咲子

……あんた、そんなことしてて大丈夫なの?

綾乃

…そんなことって?

咲子

だって今、桐矢くん風邪で寝込んでるんでしょ?

咲子

毎年皆勤賞の彼が珍しいよね

綾乃

……え?

咲子

今朝から会社休んでるって聞いたけど…

綾乃

葵が…?

綾乃

そ、そういえば今日は朝から見かけない…けど…

咲子

……知らないの?

綾乃

………風邪って…

綾乃

そんなの、聞いてない…

綾乃

てか、連絡すら来ないし……

咲子

……なんかあったの?

綾乃

…………

綾乃

なんで…?

綾乃

なんで言ってくれないの…?

咲子

…………

咲子

はいはい、そーゆう時のあんたはね、おそらく5秒後にはその席を立ってこの場所から消えてるに違いないんだか…

綾乃

咲子っ!

綾乃

ごめん、私行ってくる!!(←2秒後)

バタバタバタバタ……バタンッ!

咲子

………

咲子

……いってらっしゃい

ピンポーン…

綾乃

……出ない…

綾乃

電話しても出ないし、まさか葵の身に何かあったんじゃ…?!

合鍵を使って、そっと中に入った

綾乃

葵…?

遠慮がちにリビングを覗きながら入ると、ソファーで横になっている葵の姿が目に入った。

綾乃

……葵っ!

綾乃

葵っ!ねぇ、葵ってば!

ん……

綾乃…?

揺すって起こそうと触れた体が、熱かった。

綾乃

熱…あるんだ?

綾乃

風邪ひいたの?

………

風邪ひいたぐらいで、ここまで来てくれたの?

綾乃

……当たり前でしょ?

綾乃

葵が風邪ぐらいで会社休むわけがないことぐらい、私にだってわかるんだから!

………

綾乃

ねぇ、本当は風邪なんかじゃないんでしょ?

綾乃

最近ちょっと痩せたし……

綾乃

もしかして、何か病気なんじゃ…

……違うよ

綾乃

え?

多分……疲れの溜まりすぎ

綾乃

ほ、本当に…?

寝癖でボサボサの髪をガシガシしながら起き上がると、葵はソファーに座り直す

頭の中にさ、やりたいことがギューッていっぱい詰まってて…

そのうちのどれか1つですら妥協したり、手を抜くことがどうしてもできなくてさ…

で、結果的にこうなっちゃった…って感じ

綾乃

………

綾乃

そのやりたいことって……何?

綾乃

まだ……教えられないことなの?

………

綾乃

あの電話の相手の女の人に、関係ある?

あれは……俺の個人的なクライアント先の企業の女社長だよ

会社のロゴデザインの仕事をもらって、そのことについて電話で話してたんだ

綾乃

個人的なって…

実はさ、俺…2ヶ月ぐらい前に会社とは別でフリーランスのデザイナーとして独立したんだ

まぁ、もちろん今働いてる会社が現段階では本業だから、あくまで副業として…だけどね

フリーランスの方が軌道に乗ったら、こっち一本でやっていこうと思ってる

綾乃

そうだったんだ…

綾乃

でも、どうして?

綾乃

これまでの知識と実績が認められて、制作陣をまとめるディレクターっていう役職まで就いてるのに…

そう、だからなんだよ

確かに責任ある仕事にもやり甲斐は感じてる…けど…

ディレクターって言ってもそれは会社内での肩書きなだけで、実際は自分の手でやりたい仕事も人に任せなきゃいけなくて、ちょっと歯痒いんだよね

それに…これはずっと前から思ってたことなんだけど

営業課の人間が受注してきてくれた仕事をもらって制作してれば、安定した経験値と収入は確かに入ってくるけど…

俺……苦労してでも自分自身の技術とアートを売り物にして、人から買われたいんだ

でも、そのためにはデザイナーのスキルだけじゃなくて集客力…つまりは営業力や経営学が必要になってくるから…

独学だけど、ずいぶん勉強もしてきた

綾乃

そんなの…全然知らなかった…

当たり前だよ、社長にしか話してないもん

本当は同業種の副業するのって暗黙の了解みたいな感じでさ、あまり良く思わない人もいるんだよね

だから、それが原因で周りが俺と一緒に仕事しにくくなることだけは避けたかったんだ

綾乃

………

綾乃

じゃあ、葵は…

綾乃

会社から任された仕事を今まで通りにこなしながら、個人の仕事までしてたってこと…?

うん

だから社長も副業を認めてくれたし、応援してくれてる

会社が休みの日は自分の足でいろんな企業に営業に回って1日終わったり…

そうじゃない日は1日中、受けた案件の作業に没頭してた

だから……会う時間が作れなくて、お前から誘われても毎回言い訳して逃げてたんだ

ごめんな、綾乃…

綾乃

なるほどね…

綾乃

そりゃあ時間がなくても仕方ないよ

綾乃

……でもね、葵

ん?

綾乃

なんで独立したこと、私にまで隠してたの?

綾乃

会社の人たちはともかく……

綾乃

私のこと、信用してもらえてないみたいで……ショックだよ…

それは…さ、その…

綾乃

……なに?

………////

綾乃

…なによっ、もうっ

……そこの本棚の一番上にさ、小さな小箱があるだろ?

綾乃

え…?

それ、開けてみて

言われた通りに本棚に向かい、それを手に取った

綾乃

これって……リングケース…?

ケースを開くと、そこには小さなダイヤが付いた女性らしいデザインの指輪が入っていた…

綾乃

指輪っ…!!

先に言っとくけど、素人レベルだから出来栄えにはあんまり期待するなよなっ!////

綾乃

それって…もしかして、手作りってこと…?

綾乃

すっごく、女らしくて綺麗で、可愛いデザイン…

………////

お前に独立のこと黙ってたのは、その指輪を渡す時に言うんだってずっと心に決めてたからなんだ

『仕事に忙しくなるけど、これから先もずっと、俺のこと支えて欲しい』って…

綾乃

葵っ……!

綾乃

うそっ……本当に…?

指輪をデザインするのって俺も初めてだったからさ

カタログに載ってる指輪のデザインを参考にしたりもしたんだけど、やっぱ職業柄こだわっちゃって(笑)

やっぱり俺、相手のことを想って、イメージして物を作ることが好きなんだ……

そのせいで何回も作り直したりしてたら予想以上に時間がかかっちゃって…

お前のこと、痺れ切らして怒らせちゃうとこまで来ちゃったってわけ

綾乃

それじゃあ葵は…

綾乃

2つの仕事のことで一杯一杯のくせに、私のためにこんな指輪まで用意してたんだっ……

………////

やっとの想いで昨日の夜完成して…

これでやっとお前に何もかも話して、仲直りできるって思った途端に一気にフラーッときちゃってさ(笑)

で、このザマ…////

綾乃

………

リングケースをギュッと握りしめると、綾乃は抑えきれずに葵に抱き着いた

綾乃

……バカッ!

綾乃…?

綾乃

あんたって、ほんっとーにバカッ…!

綾乃

私なんかのために、こんなになるまで頑張っちゃうなんてっ……!

綾乃

それなのに……ごめんっ葵っ…!

綾乃

私、何も知らずに自分のことばっかりでキツく当たっちゃって…!

………

フッと笑うと、葵は綾乃を抱きしめ返した

でも…こうしてまた俺の所に来てくれたじゃん…それだけで、俺って満たされちゃうんだよね

綾乃

葵…っ

それにさ、お前は俺のことを「完璧な男」だって言ってたけど…

俺は……完璧なんかじゃない

お前っていうエネルギー源がそばにいないと、こんなふうに立つこともできなくなっちゃうから…

生姜の味しかしないビーフシチューだって、どんな三つ星レストランの物よりも大切に味わいたいんだ

綾乃

ほ、本当…?(笑)

………////

だ、だから…

言いかけたところで、葵はフラついてそのままソファーに倒れ込んだ

綾乃

…葵っ?!

綾乃

大丈夫なの?!

ま、また…熱上がってきたっぽい…

綾乃

ほんとだ……

綾乃

ねぇ、辛いなら無理しないで?

………

綾乃

ちょっと待ってて、氷枕とか探してくるから!

氷枕より…膝枕がいい…

綾乃

……バカッ

綾乃

家にないんだったら、薬局行って買ってくるからちょっと待ってて?

綾乃が立ち上がろうとした瞬間、その手を葵が掴んで止めた

綾乃

………葵?

そんなの…いらない

どこにも行くなよ…

捨てられた子犬が、小刻みに震えながら赤い顔をして目をウルウルさせて息を荒げている

綾乃

……(キュンッ)////

綾乃

もう…しょうがないなぁっ

綾乃

じゃあ、濡れタオル冷やして持ってくるから…

いらない……お前しか

綾乃

えっ?あっ…

掴んだ腕を引っ張られて、そのまま葵の体の上に倒れ込んでしまった

キスしてくれたら……元気になるかも

綾乃

えぇ?

綾乃

(なんか……いつもの葵とは違ってなんだか弱々しくって…)

綾乃

(熱い体でハァハァ言ってて…)

綾乃

(最っっ強にムラッときちゃったかも////)

綾乃…?

綾乃

じゃあ……元気にしてあげるっ

葵に覆い被さると、ちょっと控えめに唇にキスしてみた

………////

綾乃

こ、これでいい?////

……全然ダメ

綾乃

……え?

後頭部に手を回し、頭を引き寄せられて深いキスをされた時には…綾乃の体はもう身動きすることを忘れていた

綾乃

……んっ葵っ…

綾乃

あっ!ちょっと…

スルッと服の下から手が入ってきて、いとも簡単に下着のホックを外されてしまった…

やっぱ……ダメ?(笑)

綾乃

ぐっ…////(このっ…捨てられた子犬に見せかけた狼めっ…!)

ねぇ、下からオッパイよく見せて?

下着ごと服を上に捲り上げられ、直に触れられる

綾乃

だ、だめ……熱、あるのにっ…

じゃあ、どうして俺の上からどかないの?

綾乃

そ、それは…っ……あっ♡

音を立てて乳首を口で愛撫されて、言葉を失った

綾乃

あ……あんっダメッ…!!

綾乃

(……ん?)

綾乃

(太もものあたりに、何か硬い物が当たってるような…)

……ごめん、コッチまで元気になっちゃった////(笑)

綾乃

コッチは疲れ知らずってことか…(笑)

でもさすがに、頭フラフラだといつもみたいにできないし…

なんとか、自制してみるから…////(笑)

綾乃

………

綾乃

それはダメッ

…え?

綾乃

私が気持ち良くしてあげるから…葵は寝てなさいっ♡

そ、それって…

綾乃

こーゆーこと♡

ルームウェアのズボンのゴムに手をかけると、綾乃は下にズラした

あっ?!

ちょ、ちょっと…!

綾乃

葵って…エッチの時いつもSっ気が強くて、私のこと攻めてばっかでしょ…?

綾乃

だから…たまには、私が攻めてあげようかと思って♡

……ま、マジで?(笑)

綾乃

うん♡だってほら…

綾乃

こんなにそそり立っちゃってるんだもん♡…ぱくっ

あっ…!

顎の力を抜いて優しく口に含んだまま、上下に動かしてみる

うっ……ぁ…ッ

綾乃

ねぇ…、気持ちいい?

………////

綾乃

もしかして、葵…恥ずかしいの?

ちっ…違うっ!////

綾乃

じゃあ……こうしてみたら認めちゃう?

根本の方から、舌先でスーッと先の方まで何度も往復する

………っ!

ちょ、綾乃っ…!

…ぁ…ッ!先はダメだって…っ!

綾乃

先って……ここのこと?♡

ちょっと窪んだ部分を、集中的に攻めてみる

ぅぁッ……

綾乃

熱っぽい顔が、余計に赤くなっちゃってるよ?♡(笑)

うっ…うるさいっ!////

お前がそんなにするからっ…

綾乃

ふぅーん♡

綾乃

じゃ、もっと赤くしちゃおっかなぁ♡

先の部分を口の中で刺激しながら、優しく握った手を上下に動かす

あっ!

くっ……ハァ♡

おいっ…それほんとにっ…

だ、ダメだって言っ……!

口の中で、ビクンビクンと動くと同時に溢れ出した物が、綾乃の口からツーッと垂れた

あっ…!

ご、ごめん……また不可抗力…(笑)

綾乃

……うふん♡

綾乃

いつもとは立場が逆転で楽しいーっ♡

…………

回復したら…覚えとけよなっ!////

綾乃

えぇ〜?何〜?聞こえなぁ〜い♡(笑)

くっそぉ……

………あれ?

綾乃

……どうしたの?

なんか……熱、引いてったみたい

綾乃

………え?(笑)

疲れと一緒にこっちも溜まってたからかな?(笑)

あんなにだる重かった体が一気に軽くなっちゃった♡

綾乃

うっ…嘘でしょ…(笑)

俺が連続2回目が元気なのって……綾乃、知ってるよね?(ニヤリ)

綾乃

ま、まさかっ…

ってことで、ベッド行こっか♡

綾乃

ま、待って……また2時間連続コース?!

綾乃

あんた、また倒れちゃうわよ?!(笑)

うーん…

じゃ、1時間半に留めといてあげる♡

綾乃

か、変わんないでしょ、全然っ…!(笑)

綾乃

このっ……絶倫めっ…

そしてベッドの中、また獣のように愛し合い…

綾乃

あっ…この指輪、左薬指にピッタリだ

綾乃

私の指のサイズ、知ってたんだね?

あぁ…まぁ、それは…

お前がヨダレ垂らして爆睡してる間に測ったんだよ

綾乃

えぇっ?!どうやって?!

細い糸を指に巻きつけて、先の細いペンとか鉛筆で印をつけるんだよ

綾乃

そうだったの……いつの間に(笑)

それとさ、綾乃…

綾乃

ん?

さっき、言いかけて熱上がっちゃったから言えなかったことなんだけど…

綾乃

う、うん…(ドキッ)

あの…さ、俺…

この先きっと、仕事で家をあけることが増えてくと思うんだ…

それに、基本的に在宅の仕事なんだけど、仕事量によっては家事まで手が回るかわからないし…

だからさ、その間に…綾乃がここで家事とかしてくれてると助かるんだよね…////

綾乃

い、いいの…?

綾乃

私…料理もあんなだし、掃除や洗濯だって完璧にできるかどうか…わかんないよ?

完璧なんかじゃなくていいんだ

俺……お前が家で帰りを待ってくれてるってだけで、仕事にも張り合いができると思うから…

綾乃

葵っ……

あ…、もちろん仕事は続けながらでいいし、無理のない範囲でいいからさっ!

綾乃

嬉しいっ……!

綾乃

葵が、私のことそんなふうに思っててくれたなんてっ…!!

うん…それとさ

綾乃

ん?

い、今はまだ、独立したとこでまだまだ安定してないんだけど…

綾乃

(ドキッ)

軌道に乗って……仕事も収入も安定、したらさ…

綾乃

う、うん…(ドキドキドキ…)

そ、そのっ…////

俺とっ……!

プルルルルッ…♪

………!

綾乃

あ、葵……電話だよ…

軽くため息をつくと、葵は目の前で電話をとった

あー、もしもしミカさん?

綾乃

(みっ……「ミカさん」?)

すみません、別件で立て込んでおりまして…

はい、ご依頼の件でしたら、納期までに仕上げますから

……えっ?

リピーター契約をしてもらえるんですか?!

…ありがとうございます!♡

これから契約の話を進めるために2人でbarで飲みたいって…

綾乃

(デートに誘われてるな…コイツ)

そんな…ダメですよミカさん…

あなたとお酒なんてご一緒してしまったら、真面目に仕事の話なんてできる自信…俺にはないですから♡

綾乃

(こ、コイツっ……二重人格かっ!)

綾乃

(よくもまぁ、サラサラとこんな言葉が出てくるったら…!)←人のこと言えない

はい…では、またの機会に♡

葵が電話を切ると、綾乃が睨みをきかせていた…

綾乃

あんた……さっきのが、経営学を勉強した結果なのっ…?!(¬_¬)

こ、これはっ…その経営学の一環だよ!俺の…ねっ♡(笑)

綾乃

あんたねぇ、それってホストでいう「色営業」ってヤツなんだからねっ?!

「枕営業」じゃないだけマシだろー?!

綾乃

そーゆう問題じゃないっ!!

綾乃

まさか、あんたそんなセコイ手使って顧客ゲットしてるんじゃないでしょうねぇ…?

い、いや、まぁ…

ちょっと2、3人に甘い言葉は…使っちゃったけど……(笑)

綾乃

……まだ他にいるのぉ?!

い、今はちょっとでも多く仕事が欲しいんだって…(笑)

綾乃

…ふんっ!この悪徳業者っ!!

綾乃

訴えられちゃっても知らないからっ!

言い訳に苦しむ葵のそばで、綾乃は薬指に光る婚約指輪をそっと指で撫でるのでした

END

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました♡

 

そして、今回もたくさんのイイネにとても励まされました!

 

なんか最近、葵くんがただの「デレ」になってきてる気がするので…

 

次回作を描く時は、「ツン」の方を鍛えてあげようかなぁと思います(笑)

 

続編は書くかもしれないし、書かないかもしれないです

 

2人が付き合う前の、スピンオフなんかもいいなーなんて考えてたりもするのですが(笑)

 

少し構想練ってから書いてみようかなーと思います

 

では、また!
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コメント

7

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このシリーズ大好き!絶対最終回まで見ます!

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