イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
僕の前の席の男の子。
その子は真っ黒な髪に真っ黒な瞳をしてて、
可愛らしい見た目なのに声はちょっぴり低くて大人っぽい。
僕の好きな子。
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
本田菊
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
その子はあまり表情は動かない子だけれど、
ちゃんとよく見れば、コロコロと表情を変えて話してくれる。
ほら、今だって、不貞腐れたように頬を膨らませているんだ。
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
イヴァン・ブラギンスキ
僕の声に、君は少しだけ訝しげな表情を見せる。
イヴァン・ブラギンスキ
不安が混ざった声と言葉選びに、君は幻滅しないかな。
僕から告白したのに、付き合っていることを確認されるなんて……
でも君は僕のこの不安を残したまま、屈託のない笑顔で
本田菊
と、僕の手を握る。
でも、きっとこれは本音じゃない。
だって君が、本当の君が僕を愛してくれるわけがないのだもの。
二人の出会いは小学校の頃まで遡る。
当時の僕はとても体が弱く、加えて小さくて、みんなと普通に学校に通えていなかった。
調子のいい日は保健室登校をして、一日中先生と話す、そればかりだった。
だから、僕にはずっと友達はできないだろうし、
そもそも僕のことなんて覚えていないだろう、そう思っていた。
だけど、違った。
本田菊
君が初めて声をかけてくれた日から、こんな僕にも友達を作ってもいいのかと期待した。
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
踵を返そうとした幼い君は、少し思いとどまって、僕の目を見てこう聞いた。
本田菊
心臓が出てしまうほど、驚いた。
僕の名前を、覚えてくれている人がここにいるのだと嬉しかった。
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
と、彼は僕にプリントを渡してくれた。
どんな内容だったか、もう覚えていないけど。
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
彼はなんだか少しおかしそうに笑みを浮かべた。
僕はどうして笑われたのか分からなくて、少し慌ててたな。
本田菊
本田菊
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
彼はさも当たり前とでも言いたげに僕の顔をじっと見つめた。
それがどうにも恥ずかしくて、照れくさくて、僕は何も言葉が浮かばなかった。
本田菊
本田菊
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
イヴァン・ブラギンスキ
本田菊
そう言って彼は保健室から出て行ってしまった。
じっとベッドの上で耳を澄ませてみると、
キク、キク! と誰かが楽しそうに話している声が聞こえた。
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン・ブラギンスキ
胸がぎゅっと熱くなったと同時に、目の前ももやがかかったように白くなった。
……体が弱いというのは、大きなハンデだ。
こんな程度で目眩が起きるなんて。
コメント
2件
どひゃー!!可愛いすぎる!!イヴァンさんの心の内が不安で仕方のない事が伝わってきます、、、主様素晴らしすぎますって!