少女は、願った
幼い心ながらに、願った
「大切な人の、道具になりたい」
それは、少女が唯一できる恩返しだった
少女にとって、それは最も有効な手段だった
道具なら、捨てられない
友情や愛情は、壊れる
壊れるし、壊される
そんな不安定なものに縋れなかった
縋っても捨てられた
だから、少女は道具を望む
使い勝手のいい道具は、捨てられない
捨てるのを惜しむくらい有能になれたら
その時点で、勝ちだ
そう、この思考を持ち合わせる故に
少女は自分が嫌いだった
道具として不必要な「愛」に縋った故に
少女はいつまで経っても弱いまま
……異常?
これが、少女にとっては当たり前だったのに?
少女にとって、これは生き方だ
……そうだね
だから、少女は最初も最期も
「この世界は嫌い」なんて思ったのだろうね
コメント
3件
確かに友情や愛情は簡単に壊れるもんね……大切な人だからこそ尚更壊れたくない……だから永遠に壊れることのない関係になるために「道具」になることを願ったんだね🙄💭 少女の行動は傍から見れば異常だけど、少女自身にとっては生き方そのものだったっていうのが何とも言えない気持ちになる……