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銃口の先のエンディング

第90話 - その意図は

2024年11月20日

#一次創作

#ファンタジー

#冒険

#殺し屋

#人間関係

#日常

四阿朧

サミュエル

うん…そうだね

サミュエル

王とまた、向かい合う前に───

サミュエル

俺たちは、色々…もっと考えなければいけない。

サミュエル

ただいまー

アメリア

ん、おかえりお前ら

サミュエル

王と会ってきたよ。彼と戦ってはない

サミュエル

それで…王が知る"昔のシャーズドウム"について聞いた

メラ

むかし？

サミュエル

そう。みんなが子どもだった頃の話だよ

サミュエル

もちろん彼だって、子どもだったんだけど。

アメリア

…何をどう判断した？

サミュエル

この国はクロエの単なる思いつきと洗脳された市民とか、陰謀論者の集いだとか

サミュエル

そんなんじゃなくて

サミュエル

全員がきっと…王アッシャーによって日常を奪われてきている

サミュエル

…強さ、は…たぶん魔力も含めて相当強いし、それに加えて執念だ

サミュエル

こちらに一点の綻びも許さない。

サミュエル

…それから

サミュエル

そうして王に苦しめられた人々を簡単に殺して意見を覆ってしまうのも…それでいいのかって感じた、かな

サミュエル

ここは全員が戦える国で…全員が命懸けで

サミュエル

本気で、王国を住みやすく変えたいと思ってるんだ

テヘル

あの国からただ逃げたかっただけなら、今ここで俺らを攻撃する理由はない

テヘル

アッシャーに復讐したいとしても…俺らなんかに労力をかけすぎだ

テヘル

だとしたら、なんでこんなにアイツらは向かってくる？

テヘル

ライアンの指示下だから？いや、俺らを殺したって新たな殺し屋が雇われて終わりだ

テヘル

きっとコイツらの言う"革命"は─────

テヘル

国を住みやすくする革命で、つまり…"俺たち"のためでもある

テヘル

そして俺たちに何かを訴えかけたくて…今、こうして交わってんじゃねえのか

テヘル

だったら───…"本当は解ってほしい"、一択だ

サミュエルはパチンと指を鳴らした

サミュエル

そう、それ。

サミュエル

俺もそれを考えてた。クロエたちは明らかに俺たちを"観て"た。

サミュエル

アイツらは戦わずにね

サミュエル

最初はただ俺らの戦力を削りたいのかと思った。でも…

サミュエル

たぶんそれだけじゃないと思った。それで、俺もそこに行き着いた。

アメリア

…そうなのか？

ポン、とフサフサの頭を小突くと彼は顔を上げた

アイザック

あ、いたの忘れてた

アイザック

話聞いてて大丈夫なの？

アメリア

ま、別にいいよ。ハロルドだし

ハロルド

…アメリアさんたちは、分かってくれようと…考えてくれるんですね

ハロルド

だから僕…貴方たちを明日、クロエ様の元にもう一度…案内いたします

ハロルド

今日とは違う展開が…待っていますから

ハロルド

きっとクロエ様は、貴方たちにいろんなことを…話してくれます。

…ぇ……んせぇ………

何か、声が聞こえる

ハロルド

アメリアせんせ！

アメリア

！

アメリア

…ハロルド……？

アメリア

（私は眠りについたはず……。）

アメリア

（…幼い、夢か？それにしては意識がハッキリしている）

アメリア

（明晰夢というやつか）

ハロルド

次はどこ行くんですか？

アメリア

（…いや。それよりも走馬灯に近しい、のか？）

アメリア

あちらの住宅を二軒、それから金を稼ぎに行こう

アメリア

！

アメリア

（口が…勝手に動く）

思い出を辿っている

その感覚だけが、ハッキリとしていた

アメリアたちは殺し屋の仕事に加えて、殺し合いを見せ物にする賭博のようなものでお金を稼ぎ、復讐の資金を集めた

アメリア

（…ネラ、さすがに復讐資金は調達してくれないだろうし、止められるだろうし）

アメリア

（自分で…って、考えたんだよな）

アメリア

…うん、十分だ

基地にはたくさんのお金が溜まっている

復讐のためか、アメリアに殺しを教えてもらい始めてから従順になったハロルドは頷く

ハロルド

じゃあ───

アメリア

明日…

アメリア

行くか。

そしてこの後───復讐は成功する。

アメリア

（…そういえばメラは始め、この頃のハロルドに似てるような感じだったな）

アメリア

（……始め？）

アメリア

（いや…そうだ、今のメラは、ただ従順なメラではなくて…）

アメリア

（それは隠していた"性格"たちが姿を現したからで）

アメリア

（メラの"自我や個性"を感じるからだ）

アメリア

（だとしたらハロルドは？）

アメリア

（従順になるのもハロルドの性格なのかと思っていた）

アメリア

（だが…本当に？ハルが死ぬ前でもああいうことはあり得るのか？）

アメリア

（…それとも何かを覆って────？）

アメリア

…う……………

目を覚ますと、アメリアは頭を抱える

アメリア

（…何か…悪い夢でも見たか？頭が割れるように痛い…っ）

ハロルド

アメリアさん？

アメリア

！

咄嗟に少し引いたアメリアに、ハロルドはきょとんとする

ハロルド

ゆっくり用意してくれて大丈夫ですよ、待ってるので。

アメリア

ああ

アメリア

（コイツ、この国に来て変わったとばかり思ってたが…）

アメリア

（結局昔みたいに従順で私に懐いているのは変わらないな）

アメリアはしばらくして支度を始める

アメリア

（…この国からは早く出ないといけない）

アメリア

（ミュールを助けるためにも…早くしなくちゃな）

数時間後

ハロルド

…着きました

アメリア

ああ、ありがとう

アメリア

それで…クロエは？

ハロルド

おそらくもう時期いらっしゃいますよ。毎日こちらに来ますし…

ハロルド

殺しちゃいけない理由なんて、ないでしょうから。

アメリア

そう────

アメリア

は？なんて？

ハロルド

───…そのままの、意味です。

そのとき、扉が開いた

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四阿朧

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