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声が、聞こえる
見上げると、空が大きく裂けていた
裂け目は、口のように動き出す
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
楚日
楚日
楚日
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
楚日
そうか、やはり明人も死んでしまっていたのか
楚日
また空を見上げると、空は今まで通りのっぺらとしたものになっていた
楚日
できれば、明人が死ぬところは見たくないんだけど
仕方がない
楚日
スマホをポケットから取り出し、最後の気持ちを文字にうった
楚日
そうして私は、なんのためらいもなく屋上から身を投げた
私は、一人うずくまっていた
体が恐怖で動かない
頭がおかしくなりそうだ
限界だった
でも、私は限界だと認めたくなかった
自分の選択で、家族や友人、そして大好きな人に迷惑をかけてまで無理やり消した命
死んだことを、後悔なんてしたくなかった
楚日
疲れた、もう、嫌だ
繰り返したくない、戻りたくない
でも、世界は勝手に巻き戻る
一人、泣いていた
君はどんな顔だっけ
何故だろう、思い出せないな
君のことを、誰だかもう覚えていないかもしれない
あぁ、本当に私は駄目な人間だ
明人
顔を上げる
楚日
明人がいた
楚日
楚日
明人
明人
私は、急いで明人に背を向ける
今にも緩みそうな涙腺を、グッと引き締める
楚日
明人
明人
私は絶望する
楚日
楚日
楚日
楚日
声が震える
明人に、泣いていると悟られたくなかった
私は断固として明人の方を見なかった
明人
多分、私が泣いていることはもろにバレていただろう
それでも、私は明人を見なかった
明人
明人
驚いて、咄嗟に振り返ってしまう
楚日
楚日
明人
明人は、私に近づいてきて言った
明人
明人
明人
なんなんだ、最後の最後に
思わず笑ってしまう
全く、そういうところがヘタレなんだよ、もう
...でも今は、言わないでおいてあげよう
明人
楚日
明人
明人
明人
楚日
楚日
すると、明人は安心しきったような顔をした
楚日
私は、ふふっと笑ってみせる
明人
楚日
楚日
明人
明人
楚日
明人
明人が急にピタッ止まり、また歩き始める
楚日
明人
明人
楚日
楚日
明人
明人
何を焦っているんだ
楚日
明人
明人
明人
楚日
この明人の不審な行動の意味を理解するのには、大変な明人の苦労と私の理解力が必要となったのだった
とうとう、長い長い夏の日は終わりを迎えるだろう
刹那
刹那
つづく