『カゲロウデイズ』
この世界は、暗く、広く
何もない
ただ、悲劇を繰り返すだけの世界
8月15日
この日に同時に死んだ2人の子供たちを、ただ永遠と取り込むだけの世界
本人らの意思は関係なく
こちらから開く扉は無い
子供たちは、幸せを求めて記憶を繰り返し続ける
けれど、そこに終わりなんてものはない
あるのは“はじめ”だけ
子供たちは、取り込まれ続ける
今も
わたしのせいで
ルイ
主よ
ルイ
また、貴方の仲間が増えたぞ
ルイ
これで、やっと私を含めた5つの生命が集まったな
ルイ
喜べ
ナツネ
...
ナツネ
貴方は、セイメイなの?
ルイ
これはこれは心外な
ルイ
私も、れっきとしたセイメイですよ
ルイ
貴方は見たでしょう?
兄さんの皮を被った蛇は、クスクスと嗤う
ナツネ
...
ルイ
私は、貴方のことを愛していますよ
ルイ
それが、この“体”の願いなのですから
ナツネ
兄さんは...
ナツネ
私をこんな暗闇に縛ったりしない
ナツネ
きっと...
ルイ
きっと?
ルイ
それはそうですよね
ルイ
だって、貴方を殺したのはこの『わたし“兄さん”』
ルイ
なのですから
また、蛇はクスクスと嘲笑う
ナツネ
...
本当に奴は汚い
そして、私も
暗い過去を、否定することなんて許されない
永遠に
つづく