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十字路の大切なもの

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十字路の大切なもの

1 - 十字路の大切なもの

♥

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2019年04月10日

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おじいちゃん

今から言うおじいちゃんの言うことをよぉく聞いてくれ…かおり。

かおり

なあに?じぃじ

おじいちゃん

この家の前の十字路には,ある呪いがある。

おじいちゃん

大昔,お腹を空かせた村の人々が大勢この十字路で亡くなった…

おじいちゃん

その亡者たちが深夜の2時から3時までの間,この十字路が亡者の入り口になる。
そこに現れた生者から自分達が手に入れられなかったものを生者から,奪うんだ…
それに、よくないものは人をだますことがあるから気をつけなさい。

おじいちゃん

奪うものは…

おじいちゃん

その人の大切なもの。だ

かおり

たいせつなもの?

おじいちゃん

かおりにも,
大切にしているもの,あるだろう?

かおり

うん…

私はおじいちゃんがくれた「うさまる」の人形を 強く抱きしめた

かおり

この子がいなくなったら,かおりっ…泣いちゃうくらい悲しい…

おじいちゃん

かおり。
おじいちゃんと約束してくれ。

かおり

おじいちゃん

夜中の2~3時までの間は絶対に十字路を見るな。十字路に行くな。

かおり

見たらだめなの?

おじいちゃん

そうだ、見たとしても…大切なものの名前を叫んではいけない。

おじいちゃん

こいつを守るためなら
できるだろう?

おじいちゃんはうさまるの頭をなでた

かおり

…うんっ!絶対に守る!
おじいちゃんと約束する!

おじいちゃん

いい子だな…かおりは。

おじいちゃんは私に笑顔を見せた いつもは優しいのおじいちゃんが この話をしている時は少し怖かった。

6年後…

りな

ええ~!
そんなに怖い話だったの!?

かおり

そうだよ…おじいちゃんに,こう言われてから、ずっと守ってるんだ。

私は今りなに 「おじいちゃんとの約束」の話をしていた

りな

へぇ~!面白そう!その呪い!

かおり

え?何言ってんの?
(面白いって…)

りな

検証してみようよ!

かおり

ええ?

りな

今週の土曜かおりの
家に泊まりにいってもいい?

りな

検証しようよっ!
本当に亡者が現れるのか!

かおり

その代償に大切なものを奪われるんだよ!?りなの大切なものって…?

りな

ふっふ~ん!
怖い話集10冊セットだよ~ん!

りな

ねだってねだって
買ってもらったんだ!

かおり

…そんなもの?大切なものって

りな

そんなって!!私にとっては大切なものだよ!あっ…でもこれが持ってかれるのか…う~ん…やっぱ嫌だな~

りな

かおりは?何なの大切なもの

かおり

えっ…私はうさまるっていう
小さい頃おじいちゃんがくれたうさぎの人形なんだ…

私は未だにうさまるがいないと 1人では何も出来ない。

りな

へぇ~!なんか、深いね~

かおり

ぷっ!なにそれ!深いって笑笑

りな

あははっ!

土曜日の7時ごろ… 本当にりなは私の家に泊まりに来た

りな

おっじゃましまーす!

かおり

はいはい…じゃあ
私の部屋来て!

りな

ほーい!

りなが私の部屋のカーテンを開ける

りな

お!これが話してた十字路か!

かおり

うん…

りな

へー…見た目は普通の十字路なんだけどなぁ…

かおり

うん…

りな

じゃあ、深夜の2時30分に十字路を見に行こう!

かおり

えっ!?りな…本気?

りな

本気よ!そのために怖い話集10冊持ってきたんだから!

かおり

でも…
私おじいちゃんと約束したから…

りな

じゃあ、私1人で行くからかおりはこのカーテンから、動画撮ってて!

かおり

えっ…

おじいちゃん

おじいちゃん

かおり…

かおり

おじいちゃんっ!?

りな

あ!お邪魔してまーす!

おじいちゃん

かおり…お友達に話したのか…

かおり

…っ!…

りな

おじさん!私がかおりに話してって言って勝手に検証しようって
言い出したんです…かおりは悪くないです!

かおり

りなっ…

おじいちゃん

じゃあ君にも全てをお話しようか…

りな

おっお願いします!

そしておじいちゃんは わたしに話していた時よりも真剣で怖い顔で りなに全てを話していた。

おじいちゃん

……というようになって、かおりには言いつけておいたんだか…

りな

そうなんですね…

かおり

りな、わかった?

りな

うん…

おじいちゃん

君はりなちゃんって言うのかい…
りなちゃん。君にもかおりと同じ約束をおじいちゃんとしてほしい。

りな

見るな。行くな。ってやつですか?

おじいちゃん

そうだ、そして君が検証とかなんやら言っていたことも全て中止させてくれないか?
これはりなちゃんを守るためだ。

りな

……はい。わかりました!かおり!
今日はもう寝よう!

かおり

え!もう?

りな

うん!私の最大の
目的が無くなったし…

おじいちゃん

…じゃあ、おやすみ!
かおり,りなちゃん,今日はよく寝なさい。かおり、友達と仲良くね。

りな

はい!

かおり

わかった!
ありがとう。おじいちゃん

おじいちゃんはニコッと笑って 私の部屋の扉を閉めた

りな

ぐー…ぐー…

おじいちゃんのあの真剣な顔の効果が 出たのか,りなはすぐさま眠りについていた。

かおり

(熟睡できないなぁ~…)

時計を見ると深夜の2:20をさしていた

かおり

あ…
(やばい時間に起きちゃった…)

かおり

トイレ行こう…

布団から出て,うさまるを抱きしめてトイレに行こうと家の廊下に出た

かおり

っ!…な、何!?

カーテンのすき間から光が射し込んでいた

かおり

(十字路の向きからだっ…)

私は知らないうちに カーテンの目の前に立っていた

かおり

見るだけなら…いいよね…?

かおり

(見たとしても…大切なものの名前を叫ばなかったらいいんだし…)

かおり

うさまるは絶対守るからね…

と、言って私はカーテンをそっと開けた

そこには、十字路が光っていて その近くには人影があった

その人影はかおりの方を見てほほえんだ

かおり

えっ…なにしてるの?

私は勢いよく窓を開けて

かおり

おじいちゃん!
そんな所で何してるの?

こう、叫んでしまった。

 『よくないものは人を だますこともあるから気をつけなさい』

その笑顔はおじいちゃんなんかじゃなかった。 その人影はおじいちゃんなんかじゃなかった。

かおり

あっ…

私はおじいちゃんの部屋へと走った

そこには抜け殻のように 空っぽの布団だけがあった

かおり

ぅ…うそ…

私は家中,うさまるをひきづりながら おじいちゃんを探した

私はなんてことをしてしまったのだろう

かおり

ごめんなさいっ…ごめんなさい…

私はその場に泣き崩れた

家中探してもおじいちゃんは

いなかった。

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