私の作品は、大手出版社からたくさん出版されて、 かなり有名になった。 私の心のうちを、そのまま表現した作品は、 誰もが絶賛し評価をした。
出版依頼を出した帰り道のことだった。 小学生か中学生ぐらいの、私そっくりな女の子が現れた。 あまりに似ていたものだから、話しかけてしまった。 「君、すっごく私に似てるね」 女の子は、礼を言って握手をしてきた。 その手は、凍ったように冷たかった。 「手、冷たいけど大丈夫?」 真夏の昼間にしては冷たすぎる彼女の手を温めながら私は言った。 「……あなたのせい」 「え?」 「……私の期待を裏切った、あなたのせい」 レッドカーペットが、道路に敷かれた。
ENDING 1 「一緒に歩くカーペット」
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