8月1日
佐藤 修也
ふうっ、宿題なんてこの辺にして、高校生活最後の夏休みなんだしどこか出掛けようぜ!
春野 優奈
ちょっとー、まだ30分しか経ってないよ!せっかく美由紀の家で勉強させてもらってるんだから。
朝倉 竜
ほっとけ優奈、どうやらこいつは卒業後は就職せずニート生活を満喫するらしい。
佐藤 修也
なんだと竜〜!
小森 悠太
あはは、でも僕も修也くんの意見に賛成かな。気分転換は大事だと思うし。
山本 拓真
さすが悠太!俺も同意見、まだまだ日にちはあるんだしよ!
西蓮寺 美由紀
優奈、諦めよ。今の修也達には何を言っても無駄そう、ふふっ
春野 優奈
も〜。
山本 拓真
で!で!どうすんだ修也!どこかいい場所あるか!?
佐藤 修也
そうだな、、。
とりあえず、腹も減ったし昼飯買いに行きながらみんなで考えようぜ
とりあえず、腹も減ったし昼飯買いに行きながらみんなで考えようぜ
近くのコンビニ
小森 悠太
あれ?あの人どうしたんだろう?
こんな歩道で座り込んで。
こんな歩道で座り込んで。
春野 優奈
あの、どうかしましたか?
黒服の男
ああ、右足を挫いちゃってね、家がすぐ近くなんだけど帰ろうにもこの足じゃ歩けないよ。いてて、、、
春野 優奈
大変、よければ私たちがお連れします
修也と拓真は肩を貸し男の言う家の方向へと向かった。
佐藤 修也
どの辺っすか?
黒服の男
すぐそこに見えるだろ?ここだよありがとう。そうだ、もし良かったらお礼にお昼ご飯をご馳走するよ。まだ食べていないかい?
山本 拓真
いいんすか!?うひょーラッキー!
朝倉 竜
(、、、。)
西蓮寺 美由紀
竜どうしたの?あ、その顔何か考えてる?
朝倉 竜
まぁ、ちょっとな。(何も無ければいいが、、。)
男の自宅
山本 拓真
なんだこの広さ!豪邸じゃん!
黒服の男
あはは、大袈裟だよ
佐藤 修也
けどよ、こんな広い家で1人で住んでんすか?
黒服の男
、、、いやぁ恥ずかしい話し、妻とは昔別れてね。けど思い出の詰まったこの家を売り払う事もできずに仕舞いさ。よし、昼は美味しいお寿司なんかどうかな?
朝倉 竜
おい、みんな起きろ!
佐藤 修也
、、、ん。どこだここ?夢か?
竜の声でみんなが起きる
春野 優奈
あれ、、私たち眠ってたのかな?
西蓮寺 美由紀
んん、、確かさっきまで、、、
朝倉 竜
くそ、、みんなすまない。
小森 悠太
竜くん、どうしたの急に謝ったりなんかしてさ。
竜は今までに起こった出来事を話した。みんなが食べた寿司の中に睡眠作用を引き起こす何かが含まれていた事、そして竜だけがその男への警戒心を解かず寿司を食べたふりをしていた事を。
佐藤 修也
は?なんだよそれ、、
朝倉 竜
俺たちはそのまま車に乗せられた。
あの男、足なんか挫いちゃいなかった。平然と俺たちを抱えてケータイを取り上げた後、車に乗せていた。こうなる前に俺がなんとかすれば良かったが、あの男の腰元に銃が見えた。
あの男、足なんか挫いちゃいなかった。平然と俺たちを抱えてケータイを取り上げた後、車に乗せていた。こうなる前に俺がなんとかすれば良かったが、あの男の腰元に銃が見えた。
小森 悠太
じゃ、じゃ僕たちは誘拐されたって事!?
佐藤 修也
はっ、ばかばかしい!、、、と、言いてぇけどこの状況からして確かにヤバそうだな。しかもこの手足のロープ。
山本 拓真
やばいやばい!俺たち殺される!
春野 優奈
拓真落ち着いて!まずはこのロープをどうにかしないと。
朝倉 竜
心配するな、あの家で小さな折りたたみ式ナイフを見つけて隠し持ってきた。
靴下の中に隠しておいた折りたたみ式ナイフで全員の手足を縛ったロープを切り終え、これからどうするかを話した。
佐藤 修也
手分けして出口を探すのが効率は良さそうだけどよ、誰か1人でも捕まったりするといざって時に助けるのが困難になる。みんなで行動するぞ。
春野 優奈
みんなごめんね、、。私があそこであの人に声なんてかけなかったら、、、。
佐藤 修也
なに言ってんだよ優奈。困ってる奴を見捨てれないのがお前だろ?それにみんな反対なんかしてなかったしな。
西蓮寺 美由紀
そうよ優奈。貴女はなにも悪くない。
朝倉 竜
過去を悔やんでも仕方がない。今はこの状況をどうするかを決めるんだ。
春野 優奈
みんな、、、ありがとう。グスッ
その時だった。
カツン、カツン
山本 拓真
おいっ!廊下の方から足音が聞こえるぞ!
小森 悠太
まさか、あの男!?
朝倉 竜
待て、俺が廊下を覗く。みんなは何か武器になりそうなものを探してくれ。
西蓮寺 美由紀
優奈、、私怖い、、、。
春野 優奈
美由紀、大丈夫!みんながついてる。
朝倉 竜
誰もいない、、、?
佐藤 修也
竜、どうだ?あいついたか!?
朝倉 竜
足音は確かに聞こえた。けど誰の姿もない。
佐藤 修也
そうか。聞き間違いならいいけどよ、とりあえずはこの部屋から移動するぞ!
修也と竜は腕時計のライトを点け、真っ暗な廊下を慎重に突き進み始めた。