琴音
流石ね、やっぱ花乃には才能があるわ
花乃
ありがとうございます…!
でも、まだまだです、、
でも、まだまだです、、
だって私には、
超えたくても超えれない先輩がいるから_
藤沢
…
琴音
やっぱ藤沢さんの絵は格別よね…
花乃
はい…、そうですよね…!!
琴音
藤沢さんは越えられないわよね…
やっぱり先輩でも、そう思うんだ…
藤沢 絵美 (ふじさわ えみ)
先輩は、誰とも関わろうとしずに、
ただひたすら絵を描いている
過去に何度もコンクールで受賞して、
今も記録を更新中
2年なのに、3年も唖然とする絵、
先輩の描く絵は、他の人の絵と 何かが違うんだ
その何かが分からないけど…
琴音
よし!もうそろそろ締めましょうか
花乃
あっ、今日ちょっとやらなきゃいけない事あるので、
花乃
鍵閉めときますね
琴音
分かったわ
花乃
藤澤先輩…、鍵閉めるので…
花乃
もういいですか?
藤沢
…
花乃
(やっぱり無視ですよね…)
藤沢
私が閉めるわ
花乃
あ、ありがとうございます…
藤沢
…
し、喋った…!?
まぁ…、もう出ようかな…
ガラガラガラ
花乃
鍵よろしくお願いします
花乃
(あれ…筆箱が無い…??)
花乃
(美術室に忘れちゃったのかな…!?)
ガラガラガラ…
花乃
失礼します…って居ない…!?
先輩、鍵閉め忘れたのかな…?
でも、机の上には1枚の絵が置いてあった
花乃
(見たことないかも…)
その絵に描かれていたのは
部員の皆さんが手錠をはめられ
縛られている様子だった
花乃
…
私は恐ろしくなって 1歩2歩後ろに下がる
すると、
誰かにぶつかった様な気がした
花乃
ふ、藤沢先輩…
藤沢
…絵見ちゃったかしら?
花乃
あ…
藤沢
ふふっ、私がそんなに怖い?
藤沢
大丈夫よ、、まだ完成してないんだし
藤沢
そうそう、筆箱はそこに置いてあるわよ
花乃
あ、ありがとうございます…
藤沢
貴方は、一生絵に囚われるの
花乃
…
先輩が絵をゆっくり持つ
藤沢
見て?この絵
花乃
…
藤沢
赤が綺麗でしょう?
藤沢
ここの学校は代々、呪いが受け継がれているのよ
藤沢
美術室…音楽室…他にも色々
花乃
…
藤沢
美術室の呪いはね、
藤沢
一生絵に囚われ続けるの
藤沢
でもその代わり、誰にでも認められるような素晴らしい絵が描けるようになる
藤沢
貴方はそれに気づいちゃったようね
花乃
…もしかして、藤沢先輩の絵は何かが違うって事ですか?
藤沢
えぇ、大当たり
藤沢
私のこの赤はね…、
藤沢
人を殺した時の血…の色なのよ
花乃
…っ…
藤沢
ふふっ、怖がらなくても大丈夫
藤沢
貴方を殺すことは無いわよ
藤沢
だって…
藤沢
次は貴方が人を殺すんだから
花乃
…
藤沢
私を超えたかったんでしょ?
藤沢
誰にでも認められる、そんな絵が描けるわよ…?
藤沢
その代わり、人を殺さなきゃいけないけどね
花乃
私は…人殺しなんて…!!
花乃
(急いで逃げなきゃ…)
藤沢
無駄よ
藤沢
この絵を見て
藤沢
縛られている部員の中にも
藤沢
貴方がいる
藤沢
絵が現実になってくれるなんて、素晴らしいでしょ…?
花乃
…私も…
藤沢
ん?
花乃
私も…先輩の様に、認められる絵を描けるようになりたかった
藤沢
えぇ、なれるわよ
花乃
…次は私が、先輩の様に素敵になりますね
藤沢
私も嬉しいわ
花乃
だから先輩には…
花乃
死んで貰いますね
紅く染まった美術室の中
たった1人の少女が 絵を描き続けていた